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リハビリの大山

大山山頂より望む、東京湾と相模湾

大山山頂より望む、東京湾と相模湾

東京や神奈川から大山がよく見えるように、大山からは東京や神奈川がよく見えます。

バス停 神奈中バス: 秦野駅 → ヤビツ峠 登山口
バス停 神奈中バス: 秦野駅 ← 大山ケーブル 登山口

地図 地理院地図: 大山

天気 大山の天気: 伊勢原市 , ヤビツ峠

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コース & タイム 鉄道駅 秦野駅 バス停 8:24 == 9:05 ヤビツ峠 9:15 --- 10:27 大山参道 10:37 --- 10:47 大山 11:32 --- 12:20 ネクタイ尾根分岐 12:55 --- 13:28 大山 13:33 --- 14:34 見晴台 14:50 --- 15:18 大山阿夫利神社下社 15:31 ---(男坂)--- 15:55 男坂・女坂分岐 15:56 --- 16:12 大山ケーブルバス停 バス停 16:29 ==(直行便)== 16:45 伊勢原駅 鉄道駅
※歩行時間にはセミさがしと写真撮影の時間が含まれています。
大山 おおやま:標高 1252m 単独 2018年8月15日 6時間57分  満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

8月15日(水)、先月のギックリ腰以来、初めて山歩きをして来ました。リハビリ山行なので、どこかやさしいコースをと考えて決めたのが、イタツミ尾根経由で大山。山頂への最短、最楽ルートです。もう一つ理由があり、大山の中腹以上にはエゾゼミがいるらしいので、見つけて撮影もしたい。そこで「登山天気」で山頂の天気を調べると、15日、16日はずらりと晴れマークばかり。エゾゼミは天気が悪いと不活発になりますが、これならOK。いざ、出発!

段落見出しイタツミ尾根から大山山頂へ

秦野駅のバス乗り場に並ぶと、爽やかな風が吹いていました。早めに家を出たので、バスの30分前に着いてしまいましたが、すでに9人が乗り場に並んでいました。かつて見られた、発車寸前の集団割込みもなく、車内にも爽やかな空気。アナウンスで、登山者に限らず、山に入る人は全員が登山者カードを提出するようにと促されます。蓑毛を過ぎても立っていたのは2名ほど。バスがぐんぐんと標高を稼いでくれ、標高761mのヤビツ峠に楽々と到着しました。

ヤビツ峠で軽いストレッチをして、すぐにイタツミ尾根に取り付きました。きょうは、耳を澄ましてセミの声を聞き、目でその抜け殻を探しながら歩きます。ところが、曇り空だったせいか、セミも鳥も鳴かず、イタツミ尾根は静まり返っていました。歩く人もわずかです。大山参道に入ると、人はやや増えましたが、皆さん黙々と登っています。ここは山頂まであと300m、標高差にして残り50mの胸突き八丁。自ずと人の口数が減る場所です。

大山参道は荒れて、岩石がゴロゴロ露出しています。でも10分ほど歩くと、あっさり山頂に到りました。関東平野と海に目が行きます。きょうは海の輝きはありませんが、東京湾の彼方に房総半島をうっすらと望めました。東京スカイツリーや筑波山も、どうにか認められます。とその時、山頂の木でエゾゼミが鳴き始めました。ギ――とも、ビ――とも聞こえる単調な連続音。姿を探しても、高いところにいるので、見つかりません。人が来たら、鳴き止んでしまいました。

段落見出しキアゲハの婚活

アキアカネがたくさん飛んでいます。そののどかさを破るように、乱舞するキアゲハの群れ。オスたちがメスを追い回しているのでしょう。大型で色鮮やかな蝶たちが、縦横無尽に飛び回る山頂。なかなかの見ものです。ふと目の前の木の、黄色い何かに目が引かれ、よく見ると、それは交尾中のキアゲハのペアでした。上の蝶がオスでしょうか?小枝にしっかりつかまって、お尻の先に配偶者をぶら下げています。下の蝶は完全に手ぶらです。

すると、別の1頭がやって来て、そのペアに覆いかぶさるようにして止まりました。割り込んで交尾しようというのでしょうが、オスとメスの結合はしっかりしているので、割り込む余地はありません。そもそも交尾器官は、1頭にひとつしかないのです。その侵入者はしばらく交尾を試みていましたが、やがてどこかへ飛んで行きました。この後、他の場所でもしばしばキアゲハを見ることになります。虫たちも全力で婚活する、メイティングシーズンの真っ最中でした。

段落見出し大山北尾根へ

その後、山頂の西側を巡ってみたのですが、セミの声が聞こえなかったので、北尾根を探索してみることにしました。電波塔群の間を抜け、脚立を越えて、北に進みます。するとイケマの小さな白い花が咲いていました。帰宅後に調べると、北尾根で見たイケマは、すべてタンザワイケマのようです。この辺り、西面に優れた展望があり、二ノ塔、丹沢三峰を含む広大なパノラマを望めました。ただこの日は、塔ノ岳から丹沢山に連なる主脈稜線は、雲の中。残念でした。

さて、北尾根にもセミの声はありませんでした。でも木の幹や葉の陰にいるかも知れないので、ていねいにセミを探しながら歩いて行きます。すると、アサギマダラがふわり、ふわりと飛びながら、イケマ(タンザワイケマ)に下りました。産卵に来たのでしょう。アサギマダラは幼虫時代にガガイモ、キジョランなどの有毒植物を食べ、体内に毒を蓄えます。北尾根にもキアゲハがいましたが、山には幼虫の食草であるセリ科の植物が結構あります。

段落見出しエゾゼミはどこだ?

さあっと日が差してきました。ミズナラやアセビの緑が生き生きと輝きます。とほとんど同時に、エゾゼミが鳴き始めました。耳を澄ますと、近いところ、やや遠いところ、かなり遠いところの3か所で鳴いています。近いところの木にそっと近づくと、もう少しと言うところで、ピタリ鳴くのをやめてしまいました。私からはエゾゼミが見えなかったのですが、エゾゼミからは私が見えたのでしょう。声だけを頼りにエゾゼミを見つけることは、容易ではありません。

残念ながら、日差しは長続きしませんでした。暗くなると、エゾゼミたちは鳴くのをやめます。そしてまた日が差すと鳴き、日が陰ると鳴くのをやめる。こんなことの繰り返しで、ここのエゾゼミたちは、かなりお天気屋のようです。公園のアブラゼミやミンミンゼミのように数が多ければ、もっと見つけやすいでしょう。私の探し方が下手なせいもありますが、セミは年により、場所により、天候により、出遭う確率がずいぶんと変わるようです。

段落見出し下山、そして失敗

ガスが濃くなりました。きょうのセミ探しはあきらめ、下山します。来た道を大山山頂まで戻って、見晴台に下りました。少し休んでから、阿夫利神社下社に行き、久しぶりに男坂を下ってみました。男坂は不規則な石段の連続なので、足下から目を離すことができません。1歩でも踏み外すと、大怪我を負いそうです。歩いてはみたものの、あまり面白みのないルートだと思いました。下りは女坂がお奨めです。そして、バス停に近づくほど、蒸し暑くなって行きました。

暑さで疲れ気味になって、大山ケーブルバス停にゴールイン。バスを待っていると、小さなオスのクワガタムシが飛んできました。コクワガタかと思ったのですが、拾ってみるとミヤマクワガタでした。私はたちまち元気を回復!よし、男前に撮ってやるぞ!と撮ったのが、最後の写真です。このクワガタは、石碑の垂直面を難なく登りました。こうしているうちに、伊勢原駅行きの直行バスが到着。車内アナウンスは地元出身の落語家で、小噺を聴かせてくれました。

伊勢原駅で折よく快速急行に乗ると、そこは強冷房車でした。着ていたポロシャツがまだ生乾きだったため、エアコンの冷風が身を切る寒さです。たちまち体が凍えてしまいました。車掌のアナウンスで、2号車が弱冷房車だと言うことですが、走行中の列車内を移動するのは大変。車内では着替えもできません。これは今回の大失敗。「終わりよければすべてよし」の反対になってしまいました。

段落見出しキアゲハの♂と♀は?

ネット情報を調べてみると、アゲハチョウ族の交尾では、上のが♀で、下のが♂というのが一般的だそうです。私が大山山頂で目撃したケースでも、上のキアゲハが♀なのでしょう。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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