右に丹沢三峰を従えています。
神奈中バス: 秦野駅 → ヤビツ峠(終点) 神奈中バス: 秦野駅 ← ヤビツ峠
地理院地図: 西沢ノ頭
大山の天気: 神奈川県伊勢原市 , ヤビツ峠
レポ: 大山ミニアドベンチャー
文化の日の翌日、大山北尾根を歩いてきました。期待通りの好天で、新雪を冠った富士山を背景に、紅葉の始まった丹沢山塊東部の山々を一望する素晴らしいコースでした。
平日でしたが、ヤビツ峠行き直行の臨時バスが出て、左窓際の席を得ることができました。澄んだ朝の空気にくっきりそびえる丹沢の峰々が心を躍らせます。ヤビツ峠到着は、8時58分。3分先に発車した定期バスと同時の到着です。峠は山ガールたちの参入で明るいムード。簡単なストレッチをしてすぐに出発します。駐車場から門戸口に向かったのは私一人だけでした。
門戸口の手前で、ヤマドリの群れに遭遇。5羽まで数えましたが、もっとたくさんいたかもしれません。
門戸口では、道路工事をしていました。「この道は通行禁止です」と書かれていますが、同じ札をヤビツ峠側にも立てておかないと、いけませんね。
10時3分、クールな名前を持つ地獄沢橋に到着。大山頂上まで 時間と書かれていますが、数字が消してあります。これより、スラリとした針葉樹の立ち並ぶ尾根道をひたすら登ります。時折、メジロの群れが、チィーッ、チィーッ、と鳴きながら尾根を越えて行きます。
中腹まで登ると、広葉樹の一部が真っ赤に紅葉していました。逆光で見上げると、青い空に映えていっそう美しい色合いになります。ああ、来てよかった、と心が満たされます。でも私しかいないとは、もったいない。とても静かな秋の山です。
11時13分、16号送電鉄塔に到着。丹沢山から三ノ塔、二ノ塔まで雄大な展望が待っていました。三ノ塔休憩小屋、烏尾山荘、尊仏山荘などの山小屋もくっきりと見えます。赤や黄に色づき始めたヨモギ尾根には、9月に訪れたヨモギ平を擁する970m峰。なつかしく山々を見ていて、つい長居をしてしまいました。
ミズヒの頭に近づくと富士山も姿を見せ、やや薄めのコントラストで控えめに、丹沢の背景役を務めています。ここでは丹沢三峰からニノ塔までの峰々、天王寺尾根、長尾尾根、ヨモギ尾根などをずらり見渡すことができます。
ミズヒの頭も西沢ノ頭も、頂上自体は木々に囲まれて展望はよくありません。でも、途中の尾根道のところどころが開けていて、東丹沢のパノラマをじっくり楽しめました。北尾根上を大山に向かって進むごとに視角も移動して行くので、幾たびもシャッターを切りたくなってしまいます。
落ち葉をサクサクと踏みしめながら歩く北尾根は、起伏も緩やかで、心も体も癒やされる思いがします。アプローチが少しばかり不便ですが、その分、静かな山歩きを楽しめるのでしょう。
大山山頂、電波中継所の手前にはシカ柵があり、ゲートの変わりに、柵越しの脚立(きゃたつ)が立ててありました。これを乗り越えて、14時10分、山頂に到着。初めて人の話し声が耳に入ってきます。
3年ぶりに訪れた大山山頂は、公園のようにきれいに整備されていました。立派なトイレができていたので、使ってみます。水洗式で、おお、ちゃんと水が流れます。山が便利になるのは悪くはありません。でもロープウェイを建設する布石でなければよいのですが…考え過ぎかな。何といっても、大山は神奈川県随一の霊峰なのです。
下山路では、春嶽山に立ち寄ってみました。名前は聞くものの、今まで訪れたことはなく、気になっていたからです。入口に、「行き止まり・危険箇所があるため関係者以外立入禁止」と書かれた札が立っています。少し後ろめたい思いで進むと、わずか1分ほどのところに気持ちよさそうな空間が開けていました。誰も来ない、のどかな山上の小庭です。ここでゆっくりとバスの時間調整をすることにしました。
15時36分、今朝来たヤビツ峠に帰還。平日午後のバスは、15時51分の1本しかありません。発車間際に飛び込んだ客を含め、14人が乗車しました。満足げな顔がいくつも見られます。バスは定時ぴったりに発車。しばらく車窓から山の景色を楽しみましたが、バスが市街地に入る頃には、すっかり心地よい眠りに落ちていました。
Alt + < = 戻る。 Alt + > = 進む。 Internet Explorer では、最後に Enter を押してください。 了解