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奈良倉山(秀麗富嶽十二景5番)

奈良倉山頂より望む富士山

奈良倉山頂より望む富士山

奈良倉山は、大月市選定の「秀麗富嶽十二景5番山頂」です。歩きやすいハイキング道が整備されています。

バス停 富士急山梨バス: 上野原駅 → 鶴峠 登山口
バス停 西東京バス: 奥多摩駅 ← 小菅の湯 登山口

地図 地理院地図: 奈良倉山 , 大マテイ山

天気 奈良倉山の天気: 小菅村 , 小菅 , 奈良倉山


コース & タイム 鉄道駅 上野原駅 バス停 8:12 == 9:17 鶴峠バス折返し所 9:22 --- 9:23 鶴峠バス停 9:24 --- 10:29 奈良倉山 10:43 --- 11:17 松姫峠 11:35 --- 11:58 鶴寝山 12:13 --- 12:37 わさび田分岐 12:37 --- 12:59 大マテイ山 13:03 --- 13:18 わさび田分岐 13:18 --- 14:33 小菅の湯臨時バス停 バス停 14:47 == 15:37 奥多摩駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
奈良倉山、鶴寝山、大マテイ山 ならくらやま:標高 1348.9m、つるねやま:1368m、おおまていやま:1409.2m 単独 2016.12.03 全 5時間11分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:

12月3日、初冬の奈良倉山から大マテイ山まで歩いてきました。鶴峠基点の秀麗富嶽展望コースです。冬枯れの牛の寝通りはカラマツの明るい混交林。まったり、まったり散策し、小菅の湯に下りました。

段落見出し 鶴峠から入山

上野原駅北口に出ると、鶴峠行きバスを待つハイカーの行列ができていました。きょうは晴天ですが、富士山のご機嫌はどうでしょうか? バスが発車する前に、車内で小菅の湯と数馬の湯の入浴割引券が、希望者に配られました。本日限り有効と書いてありますが、日付は入っていません。また、8時30分発のバスは、松姫峠までは行かず、小菅の湯止まりになるとのことでした。発車した時、立ち客が7人ほどいましたが、尾続までに全員が着席できました。

バスはときどき狭い旧道も走ります。特に、郷原=原=一宮神社あたりなど、水車があったりして、車では見たことのなかった集落内を、興味深く観光できました。駅から走ること1時間5分、バスの終点は、鶴峠の折返し所です。運賃は1030円でした。ここにきれいなバイオトイレが4室ほど並んでいます。利用後には、ウェットティッシュが役立つでしょう。

バス折返し所から道路わきの道をわずかに登ると、鶴峠バス停です。どうしてバス停をトイレ前の広い場所に移動しないのかとも思いましたが、バス停は、いかにも峠らしい趣のある場所にあって、これでいいのだと思いました。いよいよ奈良倉山に向かって登り始めます。ほぼ満席のバスから一斉に降りたハイカーたちは、自然にまばらになって行きました。

段落見出し とても歩きやすい道

鶴峠から奈良倉山頂までの、単純標高差は475m。高尾山口駅から高尾山頂までの標高差と大して変わりません。よく整備された登山道に、この季節は落ち葉も積もって、足にやさしい道になっています。15分ほど登ると、右手に伐採地があり、飛龍山から雲取山へ続く奥秩父主脈の一部と、七ツ石山ほかを擁する石尾根を望めました。すぐ近くには三頭山が堂々と峰を連ね、聳え立っています。足下には白い霜が降りていました。

針葉樹林帯に入って行くと、左手から明るい太陽光が差し込んでいました。木々の幹が落とす長い縞模様を踏みながら歩きます。やがて左手(谷側)の針葉樹林と右手(山側)の広葉樹林の境目を、落ち葉を踏みながらサクサクと歩き、これを抜けると明るく気持ちのよい落葉樹ばかりになりました。まるで遊歩道を歩いているような気分がするのは、4日前に北丹沢の道なき尾根を歩いて来たばかりだからも知れません。

木々の枝を透かして、三頭山が望めました。その山頂を見上げる仰角の変化で、自分の現在地の標高が徐々に上がって行くことが分かります。この登山道から望む三頭山の姿はとても美しいのですが、樹木がたくさんあって、すっきり撮影できないのが残念でした。でも冬枯れの季節になって、枝越しに見えるだけでも力が湧くでしょう。

段落見出し 秀麗富嶽!

奈良倉山頂まで10分ほどのところに、松姫峠への右分岐がありました。もはやあまり高度差のなくなった三頭山を左に見ながら、引き続き登って行きます。するとこれまでも頻繁に立っていた奈良倉山を指す道標が、同じ場所に三つもある! ここで右に折り返すと、混交林の明るい尾根道になりました。そして奈良倉山頂に到着。鶴峠から正味約1時間です。富士山の展望地は左にあり、伐採された林の切れ目に、美しい富士山が望めました。

富士山の手前には、たくさんの尾根が流れるように重なっています。遠くの尾根ほど色が淡くなる、奥行き感のある前景は、まさに秀麗富嶽!たぶん景観伐採でしょうが、左右の空間が狭く限られていて、富士山が大きく見える効果があります。皆さん、カメラを構えて、撮影に夢中。私も富士山を撮ると、富士山を望む私の後姿を撮ってもらいました。

大月市は「秀麗富嶽十二景」を選定し、奈良倉山は、その5番山頂です。私はこれで、残すところが岩殿山(+お伊勢山)だけになりました。でも、これまでに登った「秀麗富嶽十二景」の山頂では、あまり富士山の眺望に恵まれたことがありません。最も美しかったのは、5月(寂惝尾根経由)11月(癒しの森経由)に登った滝子山で、今回の奈良倉山がその次です。最後に登ることになる岩殿山では、行く日を慎重に選んで、クリーンヒットを放たねばなりません。

段落見出し 松姫峠へ

松姫峠に向かいます。未舗装の林道を緩やかに下って行くと、日当たりのよいカラマツ林になりました。カラマツはすでにすっかり葉を落とし、小金沢連嶺が透けて見えます。行く手には1321mの丸い峰がデンと見えていましたが、その左側を巻く林道を歩きました。林道と言っても、車が通らず、カラマツの落葉を踏みながら歩く明るい林道は、遊歩道と同じです。足下への注意を忘れ、景色を眺めながら、まったり、まったりと歩いて、松姫峠に到着しました。

松姫峠は、大月市と奥多摩湖の深山橋を結ぶ、国道139号の最高地点にあります。松姫の伝説に想いを馳せ、詩情に浸るような峠ではないかも知れません。でもここには一大パノラマがありました。右手ぎりぎりに大菩薩嶺を見て、正面に小金沢連嶺から雁ヶ腹摺山へ、さらに左へは楢ノ木尾根を経て、大峰でふかしろ湖へと落ちて行く、長大な稜線を望めます。富士山は、泣坂ノ頭と重なる位置にありました。

松姫峠の大月市側は、国道が通行止めになっていました。松姫トンネルが開通した今、松姫峠に来る車両は、めっきり減ったことでしょう。峠には立派なトイレとバス停があり、無雪期の土休日には上野原駅から小菅の湯経由で、バスが1便だけやって来ます(この日は運休)。そのトイレの脇に、「牛ノ寝・大菩薩峠登山口」と書かれた標識がありました。この山道を少しだけ登ると、小さなススキ原があったので、腰を下ろして昼食にしました。

段落見出し 鶴寝山へ

熱々の紅茶を飲み、菓子パンを食べていると、キタテハがやって来て止まりました。この季節に訪れるべき花はありませんが、暖かい日差しに誘われて出て来たのでしょう。そして冬を越して、また春にお目にかかる蝶です。ふと東に目をやると、三頭山が見えました。きょう鶴峠から三頭山を目指した人たちも、あの山頂で昼食を取っている頃でしょう。

鶴寝山に向かいます。落葉した明るい広葉樹林の山道は、やはり林道よりもずっとすてきでした。ミズナラやコナラなどの枯葉が深々と積もっています。ひと汗かいた頃、「二輪草コース」を右に分けると、10分あまりで鶴寝山頂に到着しました。ベンチが1脚あります。ここでもきれいな富士山を望めました。「関東の富士見百景」の看板が立っています。奈良倉山頂で写真を撮ってくださった方がベンチに招いてくださり、山座同定をあれこれとしました。

その方が大マテイ山に向かった後、しばらく休んで私も後を追いました。相変らずサクサク、落ち葉の道です。「日向みち」と「巨樹のみち」の分岐では、「巨樹のみち」に進みました。何の巨樹があるのでしょうか。取り立てて巨大な木は見当たりませんでしたが、ブナの大木は幾本もありました。小鳥の巣箱が点々と木に掛けられていましたが、繁殖期の入居率はどのくらいだったのでしょうか。

段落見出し 大マテイ山へ

わさび田経由小菅の湯への分岐点では、時計を見て、大マテイ山に向かいました。小菅の湯14時45分発の奥多摩駅行きバスに乗るつもりです。これ以降、道草を慎み、スタコラと歩きました。気が付くと、鳥も風もすっかり声をひそめています。自分の足音だけがサクサクと聞こえていました。何となく進んだ道は、尾根の北面に付けられていて、やや寂しくなった感じが否めません。南面の「日向みち」なら、もっと陽気な道だったのでしょう。

大マテイ山が近づくと、先行した方が山頂から戻って来られました。山頂はすぐそこです、と励まされます。そして一気に山頂に達すると、逆光ながら、ここでも富士山を望めました。二等だか、三等だか、読みづらくなった三角点があります。ベンチが2脚あり、日当たりもよかったのですが、大した展望がなかったので、紅茶だけ飲むと、トンボ返りで来た道を戻りました。

段落見出し 下山

先ほど右に見た分岐から、わさび田経由小菅の湯へと下ります。トチの巨樹を見るのが楽しみでしたが、独特の大きな葉を全部落としたトチの木は、本来の貫禄を見せていないように思いました。斜面から斜めに立っていますが、いつまでも倒れないよう祈ります。なおこの下り道は、かなり狭い箇所や、急傾斜の箇所が多く、油断できませんでした。

わさび田そのものは、季節柄か、わびしいように思いました。それより、清流の瀬音に耳が癒されます。モロクボ平経由で歩いたこともありますが、今回は沢沿いの道を選んでよかったと思いました。わさび田を過ぎると、林道歩きです。小菅の集落が見えてくると、屋根の上に立って、柿を収穫している人がいました。最近あまり見ていない、懐かしい風景です。小菅の湯は入りたい気持ちもあったのですが、早く帰宅することを優先して、バス乗り場に直行しました。

道路工事が行われている都合で、バス停は臨時に道の駅の駐車場に移動していました。富士急山梨バスと西東京バスの、やや疎遠なツーショットを撮影し、ベンチで残った紅茶を飲み干します。バスに乗り込むと、前日からの睡眠不足で爆睡し、せっかくの「多摩川源流」を寝過ごしてしまいました。目覚めると、まだ明るい奥多摩湖畔を走っています。こうして今回も無事に下山でき、満ち足りた気持ちでの家路でした。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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