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綱之上御前山・御春山

御春山より望む、権現山稜と大野貯水池

御春山より望む、権現山稜と大野貯水池

JR上野原駅から大月駅までの沿線に、御前山が六座あり、それぞれを区別する場合は、〇〇御前山と呼ばれます。

綱之上御前山から御春山に至るルートは、一般登山道ではありません。

地図 地理院地図: 綱之上御前山 , 御春山

天気 綱之上御前山の天気: 大月市 , 上野原市 , 梁川駅 , 四方津駅

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コース & タイム 鉄道駅 梁川駅 9:19 ---(道探し)--- 9:32 墓地入口 9:32 --- 9:41 忠魂碑 9:45 --- 9:51 送電鉄塔40号 9:56 --- 10:35 綱之上御前山 10:49 --- 11:17 鞍部 11:17 --- 11:43 南米沢峠 11:43 --- 11:57 御春山 12:28 --- 12:49 東屋12:56 --- 13:02 大野ダム 13:15 --- 13:43 コモアしおつ菜園 13:43 --- 14:10 スポーツのこうえん 14:15 --- 14:29 四方津駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
綱之上御前山、御春山 つなのうえごぜんやま:標高 568m、おはんなやま:標高 464m 単独 2016年4月19日 全 5時間10分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:

4月19日(火)初夏のように暖かな日、綱之上御前山から御春山にかけて歩いてきました。今回もまた、腰をいたわってのリハビリハイクです。早春の花はすでに終了、または最終盤。代わって、イカリソウ、チゴユリ、フデリンドウなどが、山道を彩っていました。木々の枝に萌え出でた黄緑色の若葉。咲き始めたヤマツツジ。山の色彩が次第に鮮やかさを増して行く季節です。

段落見出し 梁川駅から綱之上御前山への道探し

梁川駅を出て線路下をくぐり、北側の道に上がりました。綱之上御前山への取り付きを探して、付近をウロウロと歩き回りましたが、よく分かりません。事前にWEBで調べておけば、問題なかったことですが、それでは面白さが半減してしまいます。地図にない道を探すのは、なかなか楽しいことなので、時間のゆとりを持って来ています。一旦戻り、国道20号を東に少し歩いてみると、石段の道がありました。何の道でしょうか。恐る恐る登って行くと、そこは墓地でした。

夜の墓場歩きは御免ですが、この時の墓地には明るい太陽光が燦々と降り注ぎ、しかも素晴らしい眺望がありました。道は墓地の上にも続いています。上に進んで行くと林に入り、たくさんの落ち葉を踏んで歩くようになりました。チゴユリがいくつも咲いています。やがて小山に上がれそうな道が左にV字分岐していました。行ってみます。すると、忠魂碑の立つ明るい小広場が現れました。大正解! 扇山、倉岳山方面に、先ほどの墓地よりも、さらに優れた展望があります。

忠魂碑の後ろ側にも道が続いていたので進んでみると、別の小道を左から合わせました。すぐ先に送電鉄塔が立っているので、送電線巡視路かも知れません。駒橋線40号というプレートがあります。鉄塔の下はミニ緑地で、タチツボスミレやヤマブキが咲いていました。付近の半日陰地には、イカリソウが見られます。一株だけですが、白花のイカリソウもありました。やがて小さな祠宮を収容した神社が見えてきて、参道のように整った道は、その前で終わっていました。

段落見出し 綱之上御前山へ、ヤマツツジの道

道が判らなくなったので、斜面を適当に登り、尾根に乗りました。尾根上には明るい日差しが届くせいか、ヤマツツジの木がたくさん見られます。1輪、2輪と、咲き始めた赤い花。「サイタ サイタ ツツジガ サイタ」昔の小学国語読本をもじってみたり、「さいた さいた つつじの 花が」とチューリップの歌の替え歌を暗唱したりして登って行きました。赤いつぼみがぷっくりと膨らみ、木々はやわらかそうな萌黄色の若葉を一斉に吹き出だし、最高の気分です。

目の前の地面で、何かが動きました。見ると、赤黒斑紋の蛇、ヤマカガシです。「でかっ!」こんな大物ヤマカガシは、初めて見ます。きっと気持ちよく日向ぼっこをしていたのでしょう。邪魔をしました。毒ヘビなので、踏まないよう注意しましょう。普通は、ヘビの方で人に気づいて逃げてくれます。しばらくは地面を気にして歩きましたが、ミツバツツジの鮮やかな赤紫色に目を奪われました。桜の花びらが舞ってくると、付近のどこかにヤマザクラがあります。

ヤマツツジの群生がありました。もうじき赤い海のようになるかも知れません。とか思っているうちに、あっけなく山頂に着いてしまいました。素晴らしい眺望です。西の扇山、北の権現山稜と笹尾根、東の御前山群を数え、秋山山稜の一部まで、文句なしの連続パノラマ。来てよかった! 意外にも、眼下の御春山は、とても低く見えます。そのとき、笹尾根の方に2機のパラグライダー飛んでいるのが見えました。あの二人には、どんな景色が見えているのでしょうか?

段落見出し 難路あり

さて、次は御春山に向かいます。ここでやっと気が付きました。道は山頂で終わっている! 印刷してきた地理院地図を取り出して見ると、北東の尾根を下ればよいことが分かるのですが、その尾根が見当たりません。地図と現場を照らし合わせると、山頂から北東にストンと落ちるような斜面があり、人が通ったような形跡がありました。バリエーションルートでは珍しくもないことですが、この里山のような低山で、この険しさは意外でした。侮り難し、綱之上御前山!

時間は十分にあるので、慎重に下って行きます。落ち葉の下に隠れているかもしれない根や小枝などには、気を使いました。小枝はコロの役割をして、足がコロコロと滑る恐れがあるからです。崖っぷちに向かって下るところもありますが、スリップすると谷底に転落する恐れがあるので、ここは時間をかけました。急斜面の一部に細いロープがありましたが、かなり古そうです。すでに切れかけているので、体重を預けることはできません。でも道しるべにはなりました。

こんな緊張の斜面でしたが、ツクバネウツギ、ヒトリシズカ、ヤブレガサなどとの出遭いがありました。急下降が大体終わると、シノダケをかき分けて踏み跡をたどります。幸い、この藪はすぐに終わり、最も低い鞍部と思われる場所に至りました。大きなヤマザクラと、ちょっと賑やかなヤマツツジの赤い花に、ほっこりさせられます。そこから2分ほど登り返すと、大きな倒木を跨いで、水平の尾根に乗りました。この先、御春山まで、もうきつい登り下りはありません。

段落見出し 厳しい父と優しい母

なだらかな尾根道を東北東に一路、御春山に向かって進んで行きます。展望はありませんが、日差しがあるせいか、いろいろな山野草が見られました。花の終わったシュンランがあったので、咲き残りはないかと探しながら歩きましたが、見つかりませんでした。もう春は終わろうとしているのです。杉林を通り、小薮を抜け、赤い祠が二つある南米沢(なめざわ)峠にやって来ました。「大野貯水池周辺登山道」と書かれた道標が二方向にありますが、御春山へは直進します。

道が極端に歩きやすくなりました。土止め階段もしっかり整備されています。綱之上御前山を厳格な父とすれば、御春山は優しい母。昔から仲良く、あのヤマザクラの鞍部で手をつないでいるのでしょう。階段道を登って行くと、風化しかけた馬頭観音の石仏と、小さな祠がありました。昔の峠道はここを通っていたのでしょうか。その先、アカマツの立つコブを越えると、御春山の山頂が見えてきました。特徴ある四角い屋根を支える一本柱。御春山に到着しました。

御春山もまた、すばらしい展望台でした。藤野の「」のように「景観伐採」をしたということです。自然な姿の御春山を愛してきた人々は、どんな思いを抱いているでしょうか。ふりがな付きの古い山名板が、一本柱に括り付けてあります。山頂には四等三角点があり、綱之上御前山から見たのと同じ山々が、ここでも見えます。ただ、どの山も少しずつ高くなりました。お茶を飲もうと腰を下ろすと、どこからか正午のメロディーが、風に乗って流れて来ました。

段落見出し 大野貯水池へ

休憩していると、大野ダム側から単独男性が登って来ました。この方は、私とは逆のコースで綱之上御前山に登ったことがあるそうです。山と花に詳しい方で、イカリソウに白や黄色の花があり、それぞれ名があること、聖武連山が登りやすくなったことなどを教わりました。冬の聖武連山から、富士山がきれいに見えたそうです。この方を見送って、私も下山の途に就きました。東の下り口に、スルメイカを横にしたような、矢印形の道標があり、「東屋 615m」とあります。

御春山のとなりに、もう一つ峰がありました。御春山とほぼ同じくらいの高さがあり、同じような展望があります。下山後に、大野ダムのわきに立てられていた案内板で、ここは郷司山(ごうしやま)と呼ばれることを知りました。ここからが下山の本番で、落ち葉の道をスリップに注意しながらどんどん下って行きます。綱之上御前山への登りで見たチゴユリやイカリソウが、この山にもたくさん見られました。

大きな東屋の立つ丘が、貯水池に最も近い展望台です。まだ桜の花がわずかに残っていました。ソメイヨシノの開花時に来れば、山と水と花とを同時に楽しめるでしょう。花はほとんど散ってしまったのに、メジロやシジュウカラの群れが鳴きながら、桜の木から木へと移動して行きました。大野貯水池は、八ツ沢発電所の調整池で、水位の変動が大きいため、城山湖のように、水辺への立ち入りを防ぐ柵が設けられています。野鳥たちにとっては好都合かも知れません。

段落見出し 四方津駅へ

時間があったので、四方津御前山の麓まで行って見ることにしました。台地状に造成された「コモアしおつ」というニュータウンを経由します。曲がりくねった車道を登り、長いコンクリート階段を上ると、市民菜園がありました。住宅街には、垣のない家が多くあり、道路に接した庭と家屋が丸見えです。庭では、きれいに咲いたチューリップやパンジーなどが、町の春を謳歌しているように思えました。歩道が無いことと、野暮な電線と電柱の目立つことが惜しまれます。

四方津御前山は標高461mですが、台地の標高が340m前後あるので、あまり高くは見えません。住宅街を抜けると「にじいろかだん」があり, 「花子とアン」を思い出します。小学校プールの先で右折。道標を見て「スポーツのこうえん」に行きます。公園からは、眺望のよい小道を国道20号に下りました。四方津駅へは、さらに10分ほど西に歩きます。駅に近づくと、私が勝手に名づけた、犬嶋神社の『トトロ杉』が見えました。駅のアナウンスが聞こえたので、足を速めます。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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