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三ツ峠山から清八山へ

三ツ峠山より、富士山を望む

三ツ峠山より、富士山を望む。

三ツ峠山は、木無山、開運山、御巣鷹山の三山の総称です。富士山の眺望、色とりどりの山野草、ロッククライミングのゲレンデで知られています。

三ツ峠山は、アクセスのよい山です。家族登山から健脚向きまで、さまざまなコース取りができます。清八山もまた展望の山です。訪れる人はずっと少なく、静寂が楽しめるでしょう。

バス停 富士急バス: 河口湖駅 → 三つ峠登山口 登山口

地図 地理院地図: 三ツ峠山

天気 三ツ峠山の天気: 富士河口湖町 , 大月市 , 河口湖駅


コース & タイム 鉄道駅河口湖駅 バス停 9:45 == 10:12 三つ峠登山口 10:13 --- 11:58 展望地 12:05 --- 12:26 開運山 13:03 --- 13:23 御巣鷹山 13:24 --- 14:18 茶臼山 14:18 --- 14:37 大幡山 14:47 --- 14:58 送電鉄塔 14:59 --- 15:29 清八山 15:43 --- 15:48 清八峠 15:48 --- 16:17 ベンチ 16:22 --- 16:47 展望地 16:52 --- 17:06 登山ポスト 17:06 --- 17:46 リニア工事トンネル 17:46 --- 18:24 笹子駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
三ツ峠山(最高峰=開運山) みつとうげやま:標高 1785m、単独 2014.8.20 全 8時間11分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢❢

8月20日、三ツ峠山から清八山(せいはちやま)に続く山稜を歩いてきました。山はまさに百花繚乱。特にレンゲショウマはどこまでも咲いていました。富士山をはじめとする山々の眺望もすばらしく、炎天下の山行で体力を消耗しましたが、報われて余りある一日でした。

段落見出し 河口湖駅からバスで三つ峠登山口へ

大月駅から乗った富士急電車は、かなり空いていました。それも谷村町駅で高校生たちが降りると、車内はガラガラに。車窓から沿線の山々、田園風景、線路下の清流などが見えるのですが、窓ガラスが汚れで曇っているのが残念。車体にFUJIKYU COMMUTER TRAINと書かれている通り、これは観光列車ではなく、通勤・通学電車なのです。ところが、車内アナウンスで「左手に富士山が見えます」と聞き、見ると左手のガラスは全部ピカピカに磨かれていました。富士山にはかなり雲がかかっていましたが、昼まで持つでしょうか?

河口湖駅は、私の記憶の中の駅とはすっかり様変わりしていました。今は巨大テーマパーク内のお伽話の駅みたいです。バスを待つ時間が50分ほどあったので、湖畔に行ってみました。ゆっくり歩いて、片道10分程度の距離です。その船津浜からは、黒岳から十二ヶ岳までをよく望めました。三ツ峠山が少しでも見えないかと思って、溶岩の突き出た畳岩まで行って見ましたが、見えませんでした。その後、私は河口湖駅に戻ったのですが、実は「天下茶屋」行きのバスは湖岸を通るので、戻る必要はなかったのでした。

バスは5分遅れで発車しました。11人が乗っていましたが、その内7人が「三つ峠登山口」で下車し、残る方々が天下茶屋まで乗って行きました。他に乗降客はなく、完全に登山バスです。平日はこの1便しかないので、午後に下山する人は、最短でも「三つ峠入口」バス停までは歩かねばなりません。歩き始めると、駐車場や路肩にたくさんのマイカーが置かれていました。

段落見出し はじめ涼しい登山道

ありがたいことに、登山道は涼しい木陰になっていました。いろいろな山野草が見られます。種類も多いので、写真をご覧ください。期待のレンゲショウマもすぐに見つかり、夢中で撮影しました。実は、その後も清八山に至るまでずっと咲き続けていたので、撮り急ぐことは全くなかったのです。後に振り返って、こんなに広範囲にレンゲショウマが自生しているのだから、ここを私の「レンゲショウマの道」と呼ぼうと思いました。レンゲショウマの花はオートフォーカスが合いにくいので、撮影時にピントを確認できるファインダーつきのカメラがお奨めです。

四季楽園への近道を左に分けるあたりから、明るい亜高山の雰囲気になり、蝶よ花よの世界になりました。気がつくと、すでにぐっしょりと汗をかき、ポロシャツごとプールに飛び込んだみたいです。熱中症を予防するため、頻繁に水分補給をするようにしました。今回は2リットル持参していますが、決して多すぎるということはありません。

木無山手前の展望地で、一気に視界が開けました。晴天下なので大きな富士山が見えるのは当たり前としても、やはり感激します。明るい草原に咲く花もたくさん見られました。標高1700m級でこんなに山野草が豊かな山が、しかも首都圏の近くにあるとは、嬉しいことです。それなのに自分の足で登った標高差は、高尾山口駅から高尾山頂と同じ程度でしょう。人気のあるのも納得が行きます。

段落見出し 開運山へ

三ツ峠山の一峰である木無山には行かず、開運山に向かいました。3分ほど歩いて三ッ峠山荘まで来ると、屏風岩で山腹を固めた開運山が現れました。ここでいきなり見えるようになるので、ちょっとドラマチックです。三ッ峠山荘にはジープ型の四駆がありましたが、山頂にはNHKやNTTの施設があるほどの山なので、ああ、やっぱり、と言ったところ。山荘の軒下でキツリフネがしんなりと佇み、熱中症寸前に見えました。

四季楽園の前を通過し、土の露出した斜面を登ると、開運山の頂上が見えました。その手前がなかなかよい展望地になっています。富士山と御坂山系はもとより、雲の中に遠く南アルプスの峰々も望めました。感動する都度、私はその風景をカメラに収めて行きます。そして一息で山頂に達すると、「三ッ峠」と彫られた石碑が立っていました。小さな「ッ」は地理院地図にも表記されており、これが正式なのかも知れませんが、あまりこだわらないことにします。

山と花の名前に詳しそうな男性があれこれと説明されていたので、私も少し質問させていただきました。すると、あまりに影が薄くてほとんど見えていなかった天城山の万二郎岳(万三郎岳かも)、雲の中に山頂だけをわずかに覗かせていた南アルプスの塩見岳まで教えてくれたのにはびっくりしました。こんな人もいらっしゃるんですね。八ヶ岳と茅ヶ岳(にせ八ヶ岳)とが重なって見えるのは、私にも分かりました。

段落見出し 御巣鷹山へ

山頂の木陰で「花子とアン」を見ながら昼食にしました。もう午後1時です。石碑に戻って、もう一度富士山を眺めてから、北の御巣鷹山に向かいました。まだ全行程の三分の一しか来ていません 。開運山から御巣鷹山へ続く道の前半はずっと木陰になっていて、万二郎岳から万三郎岳に行く道とウソ似ている気がしました。ただし、ここはシャクナゲの代わりにレンゲショウマです。大きな熟年パーティーが撮影と鑑賞をしていました。女性たちが、「ほら、咲いていますよ」と言わんばかりの顔をして、素通りして行く私に視線を投げかけます。

やがて明るい草原に出ると、大きな水平パラボラアンテナがたくさん立つ御巣鷹山が出現しました。日航機が墜落した「御巣鷹の尾根」とは別の山です。レンゲショウマやソバナに替わり、マルバダケブキ、オオバギボウシ、ワレモコウなど、陽ざしを好む花が見られました。振り返ると、青空にくっきり開運山と富士山のシルエット。典型的な夏山の色彩と空気です。

御巣鷹山の頂上は、電波塔の施設で占有され、山頂広場のようなものはありませんでした。施設の手前を左に回ると、私製の道標でしょう、「本社ヶ丸、清八峠」と書かれた白い板が立ち木に打ち付けてありました。できれば、生きた木に釘を打つのではなく、杭を立ててほしいところです。ここから急な下りが始まりました。

段落見出し 北へ

急坂をどんどん下って行くと、若い男性と行き交いました。静かな声で、「こんにちは」「こんにちは。」御巣鷹山以降、登山道で出会ったのは、この人が最初で最後でした。露岩を過ぎてしばらく下ると、アップダウンがほとんどなくなりました。シーンとした暑い午後です。鳥やセミたちはみな黙し、風の音も水の音も、まったく聞こえませんでした。木々に葉の生い茂るこの季節、眺望もほとんどありません。でもレンゲショウマが点々と咲いているのがうれしいところ。レイジンソウやトモエシオガマなどもよく見られました。

茶臼山(1513m)の山頂は、縦走路の左わきにありました。特に何もないので、ただ通過。続いて大幡山(1531m) の山頂が、縦走路の右に数m入ったところにありました。私設の山頂標が立っています。北に本社ヶ丸を辛うじて覗けるのですが、東から二つ目のピークが山頂でしょうか?山頂西の峰にあるテラスは何とか判ります。さて、ここまで歩き詰めだったので、腰を下ろしてお茶とおやつにしました。

送電鉄塔の下は、普通そうであるように眺望が開け、東方に道志と丹沢の山々を望めました。送電線にぶら下がって、空想のゴンドラが滑って行きます。「山と高原地図(富士山)」に「見回り道」と記されているのは、送電線巡視路のことでした。三ツ峠山と清八山の間では、ここが唯一の好展望地です。このミニ草原は明るい陽射しを受け、黄色いマルバダケブキの花でウラギンヒョウモンが吸蜜していました。さらに北の小金沢連嶺によくある光景です。

段落見出し 清八山は好展望

送電線をくぐって先に進み、小ピークを越えます。左手に明るく開けた伐採・植林地を見ながら下った鞍部が大幡八丁峠。そのまま縦走路を直進して軽く登り返すと、左より八丁山からの道を合わせ、大月市の道標が立っていました。進行方向に「清八峠、本社ヶ丸」を指しています。富士箱根伊豆国立公園は、ここが北端です。これより4,5分で清八山に到着しました。

清八山に私が立つのはこれが二度目ですが、控えめで感じのよい山頂だと思います。手狭で、ベンチも標柱もありません。でも、展望に優れるばかりでなく、どこか私の感性に合うようです。リュックを下ろし、残ったおやつを食べながら、ゆっくりお茶の時間にしました。三ツ峠から時計回りに、富士山、十二ヶ岳、黒岳、釈迦ヶ岳、遠く白峰三山、仙丈、甲斐駒など、清楚な色彩のすっきりパノラマ。このルートを選んでよかったと、つくづく思いました。

段落見出し 下山

清八峠から笹子への下りで、疲れを覚えました。私の場合、真夏の低山歩きは、他の季節の2倍疲れるという経験則があります。本来私は下りに強いのですが、この下山で転倒などしないよう、慎重に下りて行きました。テンニンソウはありますが、レンゲショウマはもうありません。午後も4時を回ると、山道はかなり暗くなりました。

1時間ほどゆっくり下ると、視界が大きく開けました。真正面に笹子雁ヶ腹摺山から滝子山あたりまで、ずらり見渡せます。伐採後の植林が進められている場所のようなので、今の若木が育てば、この絶景は見えなくなるのでしょう。下の方に作業員たちと、車が3台ほど見えました。大月市の道標にしたがって下って行くと、意外なところで登山ポストに出会い、まもなく林道に下り立ちました。

ここから国道20号への林道歩きは長いのですが、東京電力東山梨変電所の前からは舗装されているので、元気ならスロージョギングで下ることもできそうです。この日の私は疲れが出てしまったので、通常の「快足」モードで下りました。今は閉じられているリニア実験線の工事トンネルの横を通り過ぎた直後、ゴーという音が地下から聞こえました。実験車両が通ったのでしょう。リニア新幹線は大部分が「地下鉄」なのだそうです。

段落見出し 笹子駅へ

追分から国道20号を30分弱ほど歩かねばなりません。これがこのルートの欠点といえば欠点です。驀進する車からなるべく離れるように歩きました。午後6時24分、薄暮の笹子駅にゴールイン。朝に乗った富士急線を全部歩き戻したような気分がします。無人の駅舎の待合室で、タオルに水を含ませて体を拭き、Tシャツを着替えました。こうすれば誰にも遠慮することなく、高尾駅まで眠って帰れます。実際、そうなりました。すばらしい景色も花も存分に見れて、夢見心地にも感謝の一日でした。

木の葉ライン

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