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弓立山と越生梅林

弓立山山頂

弓立山に登頂するサイクリストたち

弓立山は、低山ながら、展望に優れた山です。山頂の無線アンテナまで舗装道路があり、自転車で登頂する人々が多くいます。

越生梅林は著名な梅林であるだけに、土休日はとても混雑します。また、他の梅林と同様、開花情報をよく調べて行きましょう。

地図 地理院地図: 弓立山

天気 弓立山の天気: ときがわ町
天気 越生梅林の天気: 越生町 , 越生梅林


コース & タイム 鉄道駅 明覚駅 7:50 ---(道間違い)--- 8:33 田中交差点 8:34 --- 8:50 四季彩館 9:05 ---(道間違い)--- 9:30 弓立山登山口 9:30 --- 10:02 男鹿岩 10:06 --- 10:11 弓立山 10:35 --- 11:16 三叉路(大附・瀬戸・越生梅林)11:16 --- 11:50 越生梅林 13:30 --- 14:14 越生駅 鉄道駅
※歩行時間には道迷いと写真撮影の時間が含まれています。
弓立山 ゆみたてやま:標高 426.8m 単独 2019.2.24 全 6時間24分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:

2月24日(日)、埼玉県ときがわ町の弓立山と、越生町の越生梅林を訪ねました。はじめに明覚駅から弓立山を目指したのですが、2度も道を間違えて、登山口に至るまで大幅のタイムロス。弓立山頂には広大な展望と青空とがありましたが、春霞になったのか、他県の山々まではよく見えませんでした。越生梅林では、紅梅の大部分が見頃をかなり過ぎていましたが、白梅は今が美しさの盛り。また遅咲きの枝垂れ梅には、つぼみがたくさんあり、3月に楽しめそうでした。

段落見出し 最寄り駅でつまづく

越生梅林が見頃になったといういう記事を目にするようになりました。以前より、一見する価値はあるのだろうと思ってはいましたが、家から越生町へは、気軽に散歩気分で出かけられるような距離ではありません。はるばる埼玉県にまで行かなくても、高尾梅郷や吉野梅郷の方がずっと自宅から近いのです。それでも行くのなら、山歩きと合わせた充実プランにしようと、私にとって未知の山域である、北武蔵の鐘撞堂山に登り、その後、越生梅林に立ち寄ることにしました。

秩父鉄道も、JR八高線も、あまり運行本数が多くありません。乗換え時間を最小限にするため、時刻表を綿密に調べ、最適プランを作成した、つもりでした。実行日は、休日お出かけパスが使え、晴天が見込まれる24日の日曜日。楽しく計画し、楽しく実行すれば、とても楽しい思い出ができる、そう思いました。いつもの近場の山歩きと同じです。寄居まで気動車に乗って行けることも加点材料。季節はすでに春の入口、セツブンソウやフクジュソウが見られるでしょうか?

早朝、いそいそと自宅の最寄り駅に行きました。券売機で休日お出かけパスを買おうとしたのですが...そのボタンが表示されません。あれ、変だな? ボタン操作を色々と試したのですが、買えません。乗るべき電車の時刻が迫っています。駅員を呼び出す赤ボタンを押しましたが...反応がありません。もしや、ここは無人駅? 今までそんなことを意識したことはありませんでした。おそらく隣接駅からでしょうが、ようやく駅員の反応があった時、電車が来てしまいました。

段落見出し 明覚駅でもつまづく

後に分ったことですが、休日お出かけパスは、指定席券売機で買うこと、その指定席券売機は、午前6時15分から稼働すること、早朝から使うためには、前もって買っておかねばならないこと等々。綿密に立てた計画も、この落とし穴を見逃したために、そして推理小説のような乗り換え計画だったが故に、最初から実行できなくなってしまいました。きょうの私は変に自信過剰なところがあり、Bプランを持っていません。次の電車に乗り、車内で立案することにしました。

地図は、あいにく山と高原地図「奥武蔵・秩父」しか持っていません。空いていた車内で、これを新聞のように広げます。あれこれ思案した結果、明覚駅から弓立山に登り、越生梅林へと南下することにしました。これは悪くありません。話は飛んで、八高線、高麗川駅で気動車(110系)に乗り換え、運転席の横に立ちました。進行方向が真正面に見える特等席です。ここは単線で、架線もなく、スッキリした線路。東京や神奈川では味わえない、郷愁の線路をひた走ります。

ログハウス風の明覚駅が見えてきました。高麗川行き列車が待機しています。ホームに下り立って列車を見送り、簡易改札機にPASMOをタッチ。すると、わずかに残高不足で、チャージを求められました。しまった!きょうはPASMOを使うことはないと思い、入金して来なかったのです。辺りを見回しても、券売機や精算機などありません。コンビニでチャージしようと、駅を出たのですが、駅前にお店の類は見当たりません。しかたなく、未精算のままで山に向かいました。

段落見出し アプローチでもつまづく

明覚駅から弓立山登山口へは、どのように行けばいいのでしょうか? 山と高原地図を見ると、駅前から登山口の桃木まで、埼玉県道172号を行くのが最短路のようです。でも、できるだけ県道歩きは避け、のどかな農地や宅地を抜けて行きたいと思い、まずは線路沿いの道を越生方面に歩いてみることにしました。この辺りは平野で、視界を妨げる高層ビルなどないので、周辺の山々をよく見渡せます。山頂が広く伐採されている山が見えますが、あれが弓立山でしょう。

地図を持って、知らない町の知らない道を歩くのは、楽しいものです。沿道には、ぽんぽこタヌキたちの浮かれた絵、ミニチュア三重塔、「ロウバイの道」、「あたご山花の会」の素朴な花壇、リアル感満点のマムシの絵など、面白いものがいっぱい。道標の類は何もありませんが、弓立山の見える方へと進めば間違いないでしょう。と思っていたら、前沢というバス停がありました。地図にその地名はありません。変なところに来てしまいました。登山口はどこでしょうか?

当り前ですが、弓立山に行こうとすれば、弓立山の登山口を目指さねばなりません。登山口の桃木は、弓立山の北東方向、明覚駅からはほぼ真西に当たります。ならば、ここからは北に進むことにしましょうと、3分ほど行くと、イチョウの大木がありました。「村指定天然記念物」の説明板に「807年に植えられたと伝えられている」と書いてあります。そして田中の交差点で県道712号と出合いました。案内板に「←1km 都幾の湯...」大回りになりましたが、もうすぐです。

段落見出し ボーッと歩いて道間違い

弓立山を左前方に見るようになりました。そしてついに桃木(もものき)バス停! でも、登山口はもう少し先のようです。すると「三波渓谷日帰り温泉、都幾川四季彩館」と書かれた大きな看板がありました。トイレを借りたかったので、矢印に従って右折。まだ2月なのに、氷旗が立っています。(実は、人気のかき氷店だった。)別所橋を渡って都幾川を越えます。バーベキュー場のきれいな公衆トイレで用を済ませ、川原に下りてみると、すてきな清流がありました。

都幾川の緩やかな流れが、大小の岩を浸し、いくつもの天然プールを成しています。案内図によると、ここは「かまぶち岩」、なるほど、円形の釜や深緑色の淵がいくつもあります。後で考えると、この「かまぶち岩」に見とれて、頭がボーッとなったのかも知れません。登山口を探して、その反対方向に行ってしまいました。道で出会ったご婦人に登山口を尋ねると、「弓立山ですか。この先、左に入る道があるけど、違っていたらごめんなさい!」と言われました。

その道を探して進んで行くと、きょう初めての道標がありました。直進は雷電山、左は都幾川四季彩館です。町道1172号を県道172号と取り違えたのでした。左折して再び四季彩館、そして別所橋を渡り戻した地点から近道を登って、県道172号に復帰。瀧山橋で県道がS字カーブになると、正面に弓立山が見えました。県道の左には、旧道らしい道もあります。県道からその道を見やると、何やら登山口っぽいものが見えました。行って見ると、正解! ようやく見つけました!

段落見出し あっという間に弓立山

帰宅後に地理院地図を見ると、県道172号が瀧山橋に差しかかる直前に、迂回路のような道が左に分岐します。この道がおそらく旧道で、その途中から弓立山への登山路が破線で示されています。初めての山では、正しい取り付き点を知ることが重要です。普通は地理院地図を印刷して携行する私ですが、きょうは山と高原地図のみ。スマホで地理院地図を見ればよかったのですが、その時は考え着きませんでした。明覚駅を出て1時間40分。普通なら30分程度の道でしょう。

登山道はいきなりすごい急登で始まりましたが、5分ほど登ると緩やかになり、明るい落葉樹林に入りました。その後、若い檜の林を通過。分かれ道では、よく踏まれた右を選択。北側に木の枝を透かして見えるのが雷電山でしょう。まもなく分れ道を合わせ、ルンルンなだらかな道は、常緑照葉樹と針葉樹の混交林。やがて木の根や岩石の露出が増えて来て、男鹿岩に到着しました。登山口から正味30分。東方に見晴らしが利きます。ここから5分登ると、早くも山頂でした。

山頂は北面を除き、伐採による広大な展望がありました。緑の丘陵とゴルフ場が幾つも見えます。残念ながら私には土地勘がないので、「○○が見える!」と言った感動はありません。でも先ほど歩いた県道172号と都幾川は判りました。上州や日光の山が薄い影を見せていますが、春霞なのか、山の姿が判然としません。奥武蔵、外武蔵の山々は間近に望めます。でも、山座同定ができるほどには、私はこの山域を知りません。山頂には1組の親子と自転車の男性がいました。

段落見出し 越生梅林へ長い車道歩き

晴れた空の下、気持ちのいい山頂で熱いココアを飲み、ゆっくりと休憩しました。そしておもむろに下山の途に着くと、何と、山頂直下から舗装道路になっていました。カッコいい自転車野郎たちが、次々に登って来ます。山頂に携帯電話各社の共同アンテナが立っていますが、保守作業は楽チンでしょう。いろは坂のようにくねくねと蛇行した車道は、赤テープを頼りに、真っ直ぐ串刺し状に歩きました。そのためか、「みかんの里休憩所」や「そば道場」は見ませんでした。

大附・瀬戸・越生梅林方面の三叉路で、鋭角に右折すると、ほぼ平坦な車道歩きになりました。でも車の通行は少ないようです。幸いこの長い道には、さまざまな魅力スポットがありました。みずみずしいハコベ、笑顔のまぶしいフクジュソウ、ほのかに香るロウバイ畑、傍らに名標の立つ数々の石仏、そして、ここかしこに美しく咲く梅林。上谷(かみやつ)の大クスは、片道2kmとあったので、往復1時間。今回は割愛しましたが、やはり見ておけば良かったと後悔しました。

以後は話を端折ります。梅まつりは入場料300円。晴天の日曜日とあって、大賑わい。紅梅のほとんどは賞味期限切れ。白梅はこれから最大美を発揮しそう。あまり大きいとは言えない越生梅林ですが、貴重な古木の梅もあり、広大な面積を誇る高尾梅郷や吉野梅郷と単純に比較できません。お花見とも似て、梅まつりの訪問者たちは、花を鑑賞する以上に、花の下で一足早い春を楽しんでいました。ピクニック、おみやげ物色、ミニSL乗車、散歩、川原での遊びなど。

段落見出し 家路

越生梅林では、越辺川(おっぺがわ)のほとりに腰を下ろし、まだ熱いココアをすすりながら、2時間近くものんびりしました。帰路の越生駅へはバスもあるのですが、全然疲れていなかったので、駅まで歩きました。歩くと、珍しいもの、面白いもの、美しいものなどに出くわします。途中から越辺川右岸の堤を歩きました。開放感があって気持ちがよい上に、より安全です。ゴールの越生駅で、PASMOを精算。八高線の列車では最後尾に立ち、弓立山を目で探しました。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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