山はいいなあ  >  高尾山稜  >  裏高尾から八王子城山

裏高尾から八王子城山

裏高尾のウスバシロチョウ

裏高尾のウスバシロチョウ

ウスバシロチョウは、五月の裏高尾では最もよく目にする蝶のひとつです。白いのですが、シロチョウ科ではなく、アゲハチョウ科です。

小下沢林道からの「富士見台の道」は急峻な箇所や、ザレ滑落の危険箇所があります。下りは避けるほうがよいでしょう。

バス停 西東京バス: 高尾駅北口 ← 霊園前 登山口

地図 地理院地図: 八王子城山

天気 八王子城山の天気: 八王子市 , 八王子城跡

関連記事 レポ: 北高尾山稜


コース & タイム 鉄道駅 高尾駅 10:05 --- 10:18 上椚田橋 10:19 --- (蝶や花を撮影)--- 11:45 日影沢木道橋 11:50 --- 12:00 小下沢林道2番口 12:11 --- 13:00 富士見台 13:20 --- 13:40 天守閣跡 13:40 --- 14:00 松木曲輪 14:06 --- 14:09 八王子城本丸跡 14:01 --- 14:40 八王子城跡自然公園入口 14:40 --- 15:02 宗関寺 15:07--- 15:15 霊園前バス停(ゴール)== 高尾駅 鉄道駅
※歩行時間には写真撮影の時間が多く含まれています。
富士見台、八王子城山 ふじみだい:標高552m、はちおうじしろやま:標高460m(地理院地図Webシステムによる)
単独 2015.05.08 全5時間10分
満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

大型連休が終わりました。裏高尾にウスバシロチョウが飛ぶ頃なので、蝶の撮影を兼ねて裏高尾を歩き、北高尾山稜の富士見台に登って、八王子城跡を訪ねてきました。立夏が過ぎたばかりなのに、すでに夏の空気が満ち、緑陰の道に吹くそよ風が心地よく感じました。

段落見出し ウスバシロチョウが乱舞する裏高尾

高尾駅北口から歩きました。国道20号を西に向かい、上椚田橋(かみくぬぎだばし)から小仏川沿いの遊歩道を通って、湯の花梅林を目指します。遊歩道梅林に入ると、さっそくウスバシロチョウが飛んで来ました。1,2,3,4,5…多すぎて数えきれません。ウスバシロチョウは、アゲハチョウのような力強い飛翔はせず、やさしく、のどかにテフテフと飛びます。飛んでいるところを撮影するには、高級カメラを用意するか、腕を磨かねばなりません。でも、花があれば止まってくれるので、コンパクトカメラでも簡単に撮影できます。

しばらく遊歩道を進むと、栗畑があり、ハルジオンがたくさん咲いていました。ハルジオンは、俗に貧乏花と呼ばれる花です。あたかもキャベツ畑にモンシロチョウがたくさん集まるように、そこにはウスバシロチョウがたくさん来ていました。とにかく個体数が多いので、少し待っていれば撮影のチャンスが訪れます。一般に、蝶の撮影でお邪魔虫になるのは、(1)他の蝶、(2)通行人、(3)自分自身なのですが、これだけ蝶と花が多ければ、もう関係ありません。

ウスバシロチョウ以外では、アオスジアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、コミスジ、モンキチョウ、テングチョウ、などが目立ちました。他にも、シジミチョウ類やジャノメチョウ類も見られましたが、種は未確認です。トンボで目立ったのは、ほとんどがニホンカワトンボでしたが、間違っていないか、写真をご覧ください。ところで、五月の里山は、白いウツギの仲間たちがきれいです。自生種ではヤブデマリ、植栽種ではオオデマリが、美しく咲いていました。

段落見出し 小下沢の森林公園から「富士見台の道」を登る。

蝶ファンに人気の木下沢梅林では、ウスバシロチョウをわずか2頭しか見ませんでした。北高尾山稜を見上げると、夏の空に丸い峰が二つ並んでいます。向かって右が高ドッケでしょうか。梅林を通り抜け、小下沢林道に入ると涼しくなりました。やがて右手に森林公園の「1番口」がありましたが、富士見台への道を確認するために、大きな案内板のある「2番口」まで歩きます。すると、先の「1番口」が「富士見台の道」の取り付きであったことが分かりました。

とりあえず、「2番口」から取り付きました。3分ほど登ると「いざないの道」が森林公園内の道を、横に連絡しています。青草の濃い茂みをかき分けながら登って行くと、左手に橋が見えてきました。これが「いざないの道」です。右折して橋と反対方向に進むと、すぐに「富士見台の道」と出合いました。あとは、富士見台を目指してひたすら登るばかりです。これは谷すじの道で、角張った大小の岩がいっぱい。谷ではあるのですが、あまり水が流れないのかもしれません。

やがて、道が二手に分かれました。右は荒れた谷道。左は急峻な斜面。より面白そうな左に進むと、長いロープが設置されていました。ありがたい結び目が作ってあります。おかげで楽々登れましたが、ロープがなければ難儀したでしょう。さらに上の方には鎖もありました。高尾山域にこんな面白い道があるとは知りませんでしたが、あまり人が通っているような形跡はありません。ロープ場が終ると、再び谷道になりました。

段落見出し 難路、あるいは悪路

道が谷から尾根に移りました。ジグザグ道がありますが、なかなか急峻で、しかも雨や自然崩壊で登山道が斜面化していました。足を滑らせないように緊張して歩きます。危険な場所では両手両足を駆使(四駆モード)して登りました。この道を子供や初心者を連れて歩くことはお奨めできません。下りはさらに危険です。下り始めは普通の登山道ですが、やがてロープを欲しくなるでしょう。さて、縦走路に至ると、私製の小さな標識があり、「小下沢 悪路」と書かれていました。

ちょうどそこを通りかかった男性から、小下沢林道に下りられるかと尋ねられました。「下りられるけれども危ないので、別の道から下りてください」と強く勧めたのは言うまでもありません。富士見台に着くと、真っ先に富士山を探しました。残念ながら、富士山は振り替え休日なのか、一面雲ばかり。近場の小仏城山、小仏峠、景信山の、くっきりとした稜線だけが望めました。このとき午後1時。遅くなりましたが、山頂のベンチで昼食にします。

お腹を満たすと、少しストレッチをしました。空を見上げると、瑞々しいコナラの新緑がびっしり。この柔らかそうな葉でミニ柏餅を作ったら、いくつできるでしょうか。リュックを背負うと、また通りかかった男性から道を尋ねられました。この方はガイドブックのコピーを持っていましたが、それには「富士見台の道」の状態について、書かれていないようでした。この方にも、安全な道を下りるように強く勧めました。

段落見出し 八王子城山へ

八王子城跡に向かうと、途中に「大天主跡」があります。大天主とはどんな姿をしていて、どのように使われたのでしょうか。本丸からもかなり離れています。また、「天主」と「天守」は、どう違うのでしょうか。説明板のようなものはありません。ここは、八王子城の「離れ」のような場所で、訪れる人も城跡と比べるとずっと少ないのでしょう。

本丸の手前に、ポンプ付きの井戸があります。ポンプの柄を押したら、勢いよく水が出たので、これで手を洗いました。飲めるかどうか、分かりません。松木曲輪に行くと、昼寝をしている人がいました。「兵どもが夢の跡」で、夢を見ていたかもしれません。あいにく都心方面は霞んでいましたが、南に高尾山を望めました。ところで高尾山は、どこから見ても、特徴を掴みにくい姿をしています。高尾山の人気は、その姿とは無縁だということなのでしょう。

八王子城山に登って、達成感を得るには、管理棟の前から登るのがいいと思います。富士見台から来ると、登ったというより、下りて来たという気分がするからです。城山という名のつく山は、一般に展望に優れ、城下からのアクセスがよく、防御のための峻険さを備えています。それ故、たいていの場合、今日ではハイキングの好適地になっています。八王子城山は単独でも十分に魅力的ですが、陣馬山からはるばる歴史を訪ねつつ歩いて来た人なら、万感の達成感を得られるかも知れません。

段落見出し 長い石畳の道

私は、八王子城跡前の長い石畳の参道が好きです。下山後に歩いても、何故か足が痛くなりません。往時どんな道だったのかは知りませんが、優れた道の要件の一つは、歩いても疲れにくい道だと思います。寺社、民家、庭園カフェ、石材店などはありますが、観光地にありがちな土産物店が軒を連ねていないので、普通の人里らしさがあって、安らぎを覚えます。

沿道にある宗関寺に立ち寄ると、キショウブの咲く小さな石庭がありました。キショウブの周囲に青みのある小砂利が張られています。これを水に見立てて、そっと歩いてみました。砂利が立てる「じゃりじゃり」という音が「じゃぶじゃぶ」です。それはごく短い時間でしたが、心地よい思い出になりました。

最後は霊園前から高尾駅までバスに乗りました。歩いても大した距離ではありませんが、交通量の大きな道路では、できるだけバスを利用するようにしています。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

サムネイル 00 サムネイル 01 サムネイル 02
サムネイル 03 サムネイル 04 サムネイル 05 サムネイル 06 サムネイル 07 サムネイル 08 サムネイル 09 サムネイル 10 サムネイル 11 サムネイル 12 サムネイル 13 サムネイル 14 サムネイル 15 サムネイル 16 サムネイル 17 サムネイル 18 サムネイル 19 サムネイル 20 サムネイル 21 サムネイル 22 サムネイル 23 サムネイル 24 サムネイル 25 サムネイル 26 サムネイル 27 サムネイル 28 サムネイル 29 サムネイル 30 サムネイル 31 サムネイル 32 サムネイル 33 サムネイル 34 サムネイル 35 サムネイル 36 サムネイル 37 サムネイル 38 サムネイル 39 サムネイル 40 サムネイル 41 サムネイル 42 サムネイル 43 サムネイル 44 サムネイル 45 サムネイル 46 サムネイル 47 サムネイル 48 サムネイル 49 サムネイル 50 サムネイル 51 サムネイル 52 サムネイル 53 サムネイル 54 サムネイル 55 サムネイル 56 サムネイル 57 サムネイル 58 サムネイル 59 サムネイル 60 サムネイル 61 サムネイル 62 サムネイル 63 サムネイル 64 サムネイル 65 サムネイル 66 サムネイル 67 サムネイル 68 サムネイル 69 サムネイル 70
サムネイル 71 サムネイル 72 サムネイル 73

©2015 Oda Family  All Rights Reserved.