シロヤシオは、西丹沢の檜洞丸が特に有名ですが、東丹沢でも見られます。 ピンクの花は、トウゴクミツバツツジです。
シロヤシオは、塔ノ岳山頂のすぐ北側から見られます。塔ノ岳まで来られた方は、あと5分だけ足を延ばしてください。
神奈中バス: 渋沢駅 ⇔ 大倉(終点)
地理院地図: 丹沢山
丹沢山の天気: 丹沢山 , 神奈川県秦野市 , 大倉
レポ: 丹沢山 , 丹沢三峰(シロヤシオ)
6月3日、大倉から丹沢山まで往復して来ました。目当ては、塔ノ岳と丹沢山の間に咲くシロヤシオ(ツツジ)。平年の花期は5月とされていますが、今年はサクラやハナショウブなどの開花が遅れ気味なので、まだ少しは見れるだろうと期待して行きました。幸い好天に恵まれ、素晴らしい眺望と爽やかな微風の中、快適な山歩きも楽しめました。
実は、シロヤシオの引力が無かったら、大倉尾根を往復することなど真っ平ごめんです。この日も登山者たちが大倉尾根のことを「バカ尾根」とか、単に「バカ」と呼んでいるのを耳にしました。大倉尾根の登山道は、多くの入山者の通行により荒れに荒れ、地面を見て歩けば何の面白みも無い尾根道です。自然を感じるよりも自然破壊の方を強く感じます。できるだけ緑の樹木を見ながら登って行きました。ちなみに、大倉と丹沢山との標高差は、約1,270mです。
堀山あたりには、淡い朱色に咲いたヤマツツジが見られました。大倉尾根の眺望は花立(はなだて 1370m)まであまりよくありません。それでも所々に視界が開け、左手の富士山、右手の三ノ塔が旧くからの親友のように、静かに励ましてくれます。
天神平を過ぎた頃、二人の婦人が下山してきました。聞くと、朝4時に起きて東京を発ち、このバカ尾根を山頂まで登って来たとのこと。でも「今年のシロヤシオは大したことがないです。」「花立から上には赤いツツジがたくさん咲いていましたよ。」とも。
そのことばの通り、花立からはトウゴクミツバツツジの透き通るような紅紫の花が次第に増え、足を軽くしてくれました。加えて、晴天下の素晴らしい眺望です。右の表尾根、背後の相模湾、左の富士、前方の蛭ケ岳など、まるで天に昇るかのような舞台設定です。
塔ノ岳山頂から北に4分ほど下ったら、1本目のシロヤシオに出会いました。純白の花容はまだ衰えていません。このあたりから、ちょっとしたツツジの群生地になります。シロヤシオの花と、トウゴクミツバツツジの花とが、紅白の美を引き立て合うアレンジメント。私は誘い込まれるように、びっしり咲いた木の下に入って、真っ白な花々を見上げます。
シロヤシオは、葉も大変に美しいツツジです。五葉躑躅(ごようつつじ)とも呼ばれるように、美しく縁取られた5枚組の葉が上向きに開き、純白の花をいっそうまぶしくしています。花弁は星形の洗練されたデザイン。花の大きな園芸種のツツジの方が、むしろ素朴に思えるほどです。
見渡すと、花の多い木と少ない木とがあります。当たり年だと、どの木も満開の桜のような賑わいになるそうです。外れ年だと、1本の木に十輪も咲くかどうかだとも聞きました。
この日は平日で登山者は少なく、撮影も思いのまま。行く手の丹沢山や、さらに向こうの蛭ケ岳をバックに、丹沢を彩る二色のツツジを撮りまくりました。その本当の美しさを写真では十分に伝えられませんが、様子だけでもご覧ください。
これより北方の、丹沢山へ向かう尾根道には、あまり咲いていませんでした。丹沢山からのピストン帰路、シロヤシオの群生地で再び足を止め、ゆっくりと幸福な時間を過ごしました。
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