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鶴島御前山・高柄山

鶴島御前山にて、高柄山とホウジ丸を望む

鶴島御前山のハサミ岩にて、高柄山とホウジ丸を望む

高柄山は、山梨百名山の一座です。四方からよくその姿が望まれ、この山域の盟主的な存在感があります。

高柄山は、「山と高原地図--高尾山」の、ど真ん中にあります。大地峠、千足、鶴島、金山などから登山道が通じています。

バス停 温泉の送迎バス: 上野原駅 ← 秋山温泉 登山口

地図 地理院地図: 高柄山

天気 高柄山の天気: 上野原市 , 上野原駅 , 秋山


コース & タイム 鉄道駅 上野原駅 8:48 --- 9:57 鶴島御前山 9:58 --- 10:16 ハサミ岩 10:33 --- 10:40 御前山分岐 10:41 --- 11:41 新矢野根峠 11:48 --- 12:37 高柄山 12:57 --- 13:28 ホウジ丸 13:45 --- 13:58 展望のある小峰 14:01 --- 14:19 金山登山口 14:19 --- 14:50 桜井隧道 14:53 --- 15:10 秋山温泉 バス停 16:30 == 16:44 上野原駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
鶴島御前山、高柄山 つるしまごぜんやま:標高484.2m、たかつかやま:標高 733m
単独 2016年10月20日 全6時間22分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

10月20日(木)、東京の最高気温が28℃と予想された夏日、鶴島御前山と高柄山を歩いてきました。登りも下りも初めてのルート。トラロープがたくさん設置された滑りやすい道を、汗だくで登り、緊張して下山しました。

段落見出し 上野原駅から歩く

中央線電車が上野原駅付近を通るとき、桂川の対岸にあって、ひと際目を引くのが二つ並んだ御前山です。地名を冠して、大きい方は鶴島御前山、やや小ぶりな方は栃穴御前山と呼ばれます。地元では「おまえやま」と呼ばれるらしいのですが、確認はしていません。私は静岡県の御前崎村(現御前崎市)で生まれたので「おまえやま」に親しみを感じます。それはともかく、上野原駅付近を通るたびに「いつか登ろう」と思うようになってから、長い年月が流れました。

15日に山に行ったばかりですが、来週から海外出張のため、今週中にどこかの山に行こうと思いました。さてどこに?と考えたら「今でしょ、鶴島御前山!」と思い立ち、高柄山と併せて登ることにしたものです。高柄山は三度目になりますが、まだ歩いたことのない金山に下れば、新鮮味も加わるでしょう。秋山温泉のウェブサイトを見ると、上野原駅への送迎バスがあり、しかも0の付く日なら、男性は格安で入浴できるとのこと。もうここに行くしかありません。

初めて上野原駅南口からの出発になりました。桂川に架かる桂川橋に進むと、大きな空間に二つの御前山がデーン! と鎮座。窓越しではありません。折から無風で、川面は鏡のように滑らか。逆さ富士ならぬ、逆さ御前がきれいに映って、絵のような美しさです。よく見ると、高柄山の肩もわずかに望めました。空は完璧な快晴。最高の気分で鶴島御前山に向かって行きます。途中、権現山稜、笹尾根、陣馬山などを望み、民家の塀の上を歩く野生の雄キジと出遭いました。

段落見出し トラロープだらけの山

登山道の取り付き点に来ました。「御前山」と書かれた古い道標と、「高柄山登山道入り口」と書かれた新しい道標とが立っています。登山道は、なかなかの急登。一定の間隔で結び目のあるロープがたくさん設置されていますが、これのありがた味は、下る場合によく分かるでしょう。手足を掛けられる岩の多いところでは、四駆モード(両手両足)で安全に登りました。余談ですが、四駆車は、常に3つ以上の駆動輪が地面と接していて、力強く悪路を突破します。

赤い花の咲いた木がありました。近づくと、それはヤマツツジ。秋にツツジの花を見ても驚きはしませんが、うれしいものです。地面には、コウヤボウキ以外に目につく花がありませんでした。石の祠を見る頃は歩きやすい道になり、駅から1時間10分ほどで鶴島御前山頂に到着。北面にわずかな展望があり、市街地と笹尾根の一部とを覗けました。山頂の道標では、登って来た道が「墓地経由上野原駅50分」、反対方向が「鉱泉経由上野原駅1時間20分」となっています。

どこにも「高柄山」の文字はありませんが、他に道はないので「鉱泉経由」の方向に進みます。花の撮影などで道草を食いながら、のんびりと下って行くと、ハサミ岩と呼ばれる岩がありました。カニのはさみのように、チョキの形です。この岩から西方の展望は素晴らしく、行く手の高柄山をはじめ、南の黍殻山から北の権現山まで、180度の大パノラマ! 少人数で休憩するなら、御前山頂より、ここが断然お奨めです。腹が空いたので、お茶とおやつの時間にしました。

段落見出し 新矢野根峠へ

栃穴御前山への道を右に分け、左の急峻な尾根を下って行きます。7分ほどで、「御前山分岐」と書かれた分岐点がありました。「鉱泉経由上野原駅」へはここで左折、高柄山へは直進です。ゴルフ場に接近するように下って行くと、キチョウがたくさんいる場所がありました。狭い範囲に同じ種がたくさんいるというのは、何か食草があり、皆ここで生まれたのかも知れません。キチョウはテフテフと飛び回り、なかなか止まらないので、撮影に時間がかかります。

フワリ、フワリと、アサギマダラが飛んできました。アサギマダラは遠距離移動することがよく知られていますが、比較的に人懐こい個体の多い蝶です。コウヤボウキの花に止まったところへ容易に接近し、撮影することができました。さて、ゴルフ場の人声が遠ざかると、深山幽谷の趣になりました。谷を流れる沢まで下ると、道標がありましたが、新矢野根峠を指す方向に道が見当たりません。道がないはずはない、と思ってよく見ると、左手に薄い踏み跡がありました。

廃道に近いような踏み跡を登って行くと、再びはっきりした道になり、ゴルフ場のフェンス沿いを歩くようになりました。今歩いている道は、ゴルフ場を造った時に付け替えられた道だそうです。その先、やや急な直登の尾根をがんばって登り切ると、新矢野根峠に立ちました。今はあまり美しいとは言えない、東屋風の休憩所が立っています。お馴染みのリスが纏(まとい)を持った「山火事注意!」の看板がありましたが、「消さないで」の文字に、脳が一瞬戸惑いました。

段落見出し さり気なく、高柄山

新矢野根峠で立ったまま紅茶を飲んで、高柄山に向かうと、足が軽くなっていました。コウヤボウキの白い花、また咲いていた紅いヤマツツジ、しっかりした登山道、コナラ林の美しい尾根道など、ようやくハイキングコースらしくなりました。もしかしたら、ゴルフ場のできる前は、鶴島から高柄山頂までずっとこんな道があったのでしょうか。昔のことは知りませんが、ネット上には、ゴルフ場への憎悪感のこもった表現が散見されます。

深い谷の上をトラバースする部分があり、注意を喚起するテープと、万一の滑落時に掴める(?)かもしれないトラロープが谷側に張ってありました。崩落しているわけでもなく、普通の道のようにも思えますが、過去に事故でもあったのでしょうか。高柄山には、もっと危険な箇所がいくらでもあります。ともかく、気を引き締めて歩くことは、いつでも大切です。山頂が近づいたころ、初めて人と出合いました。私と同じ、単独男性です。

新矢野根峠からおよそ50分で高柄山頂に到着。北面に奥多摩や笹尾根の素晴らしい眺望があります。市街地や中央道なども、見ていて飽きません。南面の丹沢は、逆光の上に雲が立ち込め、ちょっと残念。私は高柄山の、さりげなく好展望である山頂が好きです。ところで、山梨百名山の山頂標に、壊れた木製の道標が危うげに括り付けてありました。その「大地峠・川合」および「矢野根・鶴島」と書かれた腕木に、特別な思い入れがあったのでしょうか。

段落見出し 緊張の下山

名残を惜しみつつ山頂を辞し、下山の途に就きました。東南東尾根(中尾根)経由で、金山を目指します。この道は思った以上に急峻で、一部ザレていたので、躊躇なく既存のトラロープを使いました。山と高原地図では赤の実線ルートですが、下りに限って、難路を示す破線でもいいかと思います。10分ほど下ると道標があり、「秋山村金山」を指す腕木が地面に落ちていたので、右折する方向に置き直しました。誤って直進しないように、誰かが折り取ったのかも知れません。

山頂から30分ほどで、ホウジ丸(640m+)に到着。南面に丹沢が望め、ベンチがあります。袖平山の肩越しに、蛭ヶ岳の丸い頭がわずかに認められました。大きな大室山が見えますが、富士山の見える日もきっとあるのでしょう。ここでしばらく足と脚を休め、そこに陣取っていたアカタテハを眺めていました。この蝶は、はじめ私をひどく警戒して、高く飛び回っていましたが、10分ほど経つと、馴れたように近寄って来ました。

引き続き東南東尾根を真っ直ぐ下ります。ホウジ丸から10分余り下ったところの小峰の少し先まで行ったら、峰山や石老山を望めました。10mほど戻って、南面に分かれる尾根道を7~8分ほど下ると、高柄山を指す道標がありました。ここで尾根と別れ、右にジグザグ道を下ります。約10分ほど下ると、畑地を左から回り込んで、林道とも農道とも言えそうな、コンクリート舗装の道に下り立ちました。

段落見出し 秋山温泉へ

このコンクリート道は長いのですが、山村の風情があって、興味深く歩けました。目を引かれたのは、小さな郵便ポスト。こんな山奥にも、毎朝定時に郵便物を取集めに来るのです。真っ赤な、小さなポストが輝いて見えました。このポストから20分ほどで桜井隧道に到着。長さ300メートルほどの、照明のないトンネルです。幸いトンネルは真っ直ぐで、出口が明るく見えていました。トンネルを抜けてほっと一息。そこに大きな「やすらぎ観音像」が立っていました。

桜井から県道35号を東に歩きます。秋山橋で秋山川を越えて左折、秋山温泉にゴールインしました。メンズデイで、男性客は入浴料400円。きょうも無事に下山でき、感謝です。満たされた心で、源泉のままのぬるい温泉に、ゆるりと浸かりました。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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