渋沢丘陵は、表丹沢の雄大なパノラマを望めるトレッキングコース。東の弘法山から西の第六天まで一望できて壮観。
左の写真にはその一部、岳ノ台から雨山までが収まっている。中央、雪の着いた峰が塔ノ岳。
地理院地図: 渋沢丘陵
渋沢丘陵の天気: 神奈川県秦野市
3月4日、渋沢丘陵と頭高山に行ってきました。以前に行ったときは丹沢が雲に隠れて見えませんでしたが、今回は透明な空気に恵まれて、表丹沢の雄大なパノラマを堪能することができました。
明るい秦野駅南口を11時ちょうどに出発。今泉湧水池、白笹稲荷(しらささいなり)をスタスタと通過して、丘陵に取り付きます。低い丘なので難なく上れます。駅から30分も歩かぬうちに、展望の極めて優れた丘陵に達します。
山は少し離れた位置からの方が良く見えるものです。渋沢丘陵は、表丹沢の山並みをたっぷりと眺められる、絶好のトレッキングコースと言えるでしょう。向かって右より、弘法山、権現山、高取山、浅間山、大山、岳ノ台、二ノ塔、三ノ塔、烏尾山、行者ヶ岳、新大日、木ノ又大日、塔ノ岳、大丸、小丸、鍋割山…と、一つずつ目で「縦走」して行きます。
鍋割山の左にはやや遠く同角ノ頭が見えますが、檜洞丸は鍋割山に隠されて見えません。さらに左は雨山、檜岳(ひのきだっか)、伊勢沢ノ頭、シダンゴ山…と、きれいに勢ぞろいしています。いくら見ていても飽きません。きょうは来てよかったなあ…。
富士山は、ほぼ真西に見えます。その左手に金時山、神山、駒ヶ岳、など箱根の山々。秦野市に住んでいる人がうらやましいほどです。
十分に展望を楽しんでから、震生湖(しんせいこ)に下ります。さびしそうな湖に挨拶だけして、すぐに尾根に戻ります。なだらかな丘の尾根道を上って行くと、左手が大きく開けて、畑地越しに相模湾が見えます。その先、軽く下って牛舎を左に見て、また軽く上って行きます。渋沢丘陵の最高地点である浅間台(せんげんだい)で小休止し、お茶にしました。
再び尾根道を歩き、下り坂にさしかかると北側が開け、すばらしい丹沢のビューポイントです。ここからは西丹沢が手に取るようにはっきり見えます。同角ノ頭の右手に、これまで隠れていた檜洞丸も見えています。
坂を下って、小原分岐よりしばらく車道を歩きます。見ごろになった白梅の下を気持ちよく歩いて行くと、栃窪分岐です。ここで右折して渋沢駅に向かうこともできますが、私は「頭高山近道」の標識に従って直進します。
まもなく、この近くにある犬の繁殖・飼育場から賑やかに犬たちの吠え声が響いてきます。すぐに栃窪神社への道を左に分けると、U字溝のような薄暗い道を登って行きます。この区間はあまり気持ちが良くありません。女性が単独で歩く場合は、少しだけ遠回りですが栃窪分岐で右折するのがいいでしょう。
薄気味の悪い道を登り切って車道に出ると、右に渋沢方面への道を分けます。そのまま道なりにしばらく進むと南側が大きく開けてきます。先ほどの暗い坂道とは別世界のように、ゆっくり大きなカーブを描きながら歩く、この明るくのどかな里山は、私のお気に入りの道です。この季節、黄色い菜の花畑が春のうららかさを増し加えています。
この道はベンチと梅林のある三叉路に至ります。ここからもひと際雄大な丹沢を眺められます。この先、これほどの好展望地はありません。ベンチに腰を下ろして、昼食を取りながら、梅の花をあしらった大山や塔ノ岳を鑑賞します。
頭高山からは、木の枝越しに南西方向が望めます。鍋割山から下って来た四十八瀬川(しじゅうはっせがわ)が川音川(かわおとがわ)となり、さらに下って酒匂川(さかわがわ)に向かって流れて行きます。逆光で川面が輝き、特に根拠もないのに誇らしい気持ちになったりします。
下山は、祈りの丘の北側を巻く道を取り、渋沢駅に向かいます。若竹の泉の冷たくおいしい水を、備え付けのコップで三杯も飲んでしまいました。夏の日だったら、五杯くらい飲めるかもしれません。もちろん、消毒はしてないので、飲むのは自己責任です。
午後3時17分、無事に渋沢駅南口に到着。ウォーキングでは足ばかりが疲れるようです。次はあの山々に登って、足をねぎらってやらねばなりません。
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