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鐘ヶ嶽北尾根・白山

291m三角点峰より望む、相州アルプスの山なみ

291m三角点峰より望む、半原高取山から煤ヶ谷高取山への山なみ

鐘ヶ嶽北尾根は、一般登山道ではありません。コンパスと地図と地形とをよく見比べながら歩きましょう。

順礼峠・白山を巡る、関東ふれあいの道は、登山道、道標ともによく整備されています。ただし、かなりの起伏があります。

バス停 神奈中バス: 本厚木駅 → 清川村役場前 登山口
バス停 神奈中バス: 本厚木駅 ← 飯山観音前 登山口

地図 地理院地図: 鐘ヶ嶽 , 白山

天気 鐘ヶ嶽の天気: 鐘ヶ嶽 , 厚木市七沢

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コース & タイム 鉄道駅 本厚木駅 バス停 6:50 == 7:23 清川村役場前 7:25 --- 7:42 鐘ヶ嶽北尾根最北端峰 7:42 --- 8:19 三角点291.4m峰 8:24 --- 9:20 福神山 9:30 --- 10:11 鐘ヶ嶽 10:19 --- 11:23 鐘ヶ嶽登山口 11:23 --- 11:52 七沢温泉入口バス停 11:52 --- 11:58 森のかけはし 12:08 --- 12:44 ながめの丘 12:56 --- 13:00 順礼峠 13:06 --- 13:34 井出山 13:39 --- 13:59 物見峠 14:05 --- 14:10 貉坂峠 14:10 --- 14:30 白山展望台 14:41 --- 15:11 長谷寺(登山終了) 15:35 --- 15:42 飯山観音前バス停 バス停 15:48 == 16:12 本厚木駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
鐘ヶ嶽、白山 かねがたけ:標高 561m、はくさん:標高283.8m 単独 2018.3.28 全 7時間46分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢❢

3月28日(水)、かねてより計画していた鐘ヶ嶽北尾根へ。その北端から取り付き、ひたすら尾根伝いに南進するルートです。山頂からは正規の参道を歩いて上谷戸に一旦下山。その後、七沢森林公園の「森のかけはし」まで移動し、順礼峠、貉坂峠、白山を経て、ゴールの飯山観音に至りました。この日は関東地方の各地で、今年初の夏日になり、山でも久しぶりの暑さでバテ気味に。でも、ちょうどこの日に満開となった飯山観音の桜を、ドンピシャで愛でることができました。

段落見出し まず取り付きを見つけよう

初めて清川村役場前でバスを降りました。レンガ造り風の立派な庁舎を階段下から見上げます。その向かいに聳える尾根は、昨年秋に歩いた、華厳山南尾根。その稜線の、どこがどこなのか、今は判るようになりました。手前を流れる川(小鮎川?)のほとりには、きれいな桜か桃の木が立ち並んでいます。ちょっとだけ道草を食って、明るいピンク色の花を見に行きました。今や、春たけなわ。きょうは行く先々でどんな花が見られるかも楽しみです。

さて、きょうは、鐘ヶ嶽北尾根を、その最北端の峰から歩く計画です。まず、村役場入口のすぐ先の十字路から、南西方向に坂道を上って行きました。行く手に草地状の小山が見えてきたので、展望の利きそうなこの峰にまず取り付いてみることにします。坂道の突き当りはカール地形になっていて、野生動物除けの柵が張り巡らされていました。カールの右側に回り込みながら、柵の扉を見つけ、開けて、通過し、閉じます。入ったところは伐採地で、作業道がありました。

明るい伐採地を、小学校の遠足気分で登って行きました。日当たりがよいせいか、タチツボスミレや、ミミガタテンナンショウがいくつも見られます。私は子供のころから、マムシグサの類が苦手でしたが、ミミガタテンナンショウだけは趣が陽的で、仏炎苞をめくるのにも抵抗がありません。振り返ると、ひと際存在感のある村役場庁舎。目の前の煤ヶ谷高取山に続く稜線には、華厳山から半原高取山まで、相州アルプスとも呼ばれる峰々を、春霞の中に望めました。

段落見出し 鐘ヶ嶽北尾根を南進

標高240m+の裸地峰に立つと、四方の山々を見渡せました。ここが確かに鐘ヶ嶽北尾根最北端の峰で、これから歩く尾根が南方に続いています。西面には、屋根のような三峰山北尾根と、谷太郎川に落ちる3本の太い尾根と谷。谷太郎川そのものは近過ぎて見えませんが、せせらぎがよく聞こえます。きょうは、この瀬音を聞きながら歩くことになりそう。この情景は小学校の卒業式で歌った、♪四方の山々霞みつつ、花咲く春の帰り来ぬ ... ♪ 今、懐かしく想い起こされます。

南に向かって尾根を歩き始めて3分、最初の鹿柵(植生保護柵)扉を通過しました。開けたら閉じる、これは鉄則です。このルートではいくつもの鹿柵扉を通過しますが、動物が押した程度では開かないよう、毎回几帳面に閉じなければなりません。この後直ぐに大きな樹が立っていました。太い幹が人の背ほどの位置でいくつもの大枝に分かれ、さらに中枝、小枝と繁り、見事な枝ぶりです。スダジイでしょうか。里に生えていたら、子供たちが登って遊ぶのに最適でしょう。

さらに5分ほど行くと、清川村の立派な木製道標がありました。直進は福神山、左は「原植栽地」となっていますが、原植栽地とはどんな意味でしょうか? さらに軽い起伏を楽しみながら進んで行くと、比較的新しい鹿柵扉がありました。ここを通ると、鹿柵を左に見ながら歩くようになります。ところが、右側にも古い鹿柵が残っていました。これが生きた木の幹を貫通しています。年月をかけて針金を飲み込んでいった痕跡が、何本もの横じまになって、幹に残っています。

段落見出し 三角点峰に好展望

いつしか道が消え、ハイキング気分も消えました。でも1本道の尾根なので、迷いそうなところはありません。UHF地上波の共同受信アンテナ、咲き始めたマメザクラ、丸い頭の露岩群などを通過して行くと、再び清川村の道標がありました。直進は福神山、左は三角点となっています。三角点に行って見ましょう。地形図ではここから100m余りの距離、標高291.4mです。行くと、東方に展望があり、半原高取山から煤ヶ谷高取山までを、春霞の中に望めました。(上の写真)

清川村の道標まで戻ります。後に分かったのですが、この先は山頂まで道標がありません。引き続き、鐘ヶ嶽北尾根を南進します。かなり古びた鹿柵を右に見ながら3分ほど進むと小峰があり、尾根がY字に分岐していました。地形図を見てしばらく思案。ここは右折が正解です。右に下って行くと、鞍部に開きっぱなしの鹿柵扉がありました。ここでまた思案。直進して目の前の峰に登るか、扉を抜けて巻き道かもしれない踏み跡を試すか。ここは安全策で、直進しました。

直進は急登でしたが、登りきると「煤ヶ谷造林組合」と手書きされた赤帽白杭がありました。その後も尾根上で、同様の赤帽白杭を何度も目にすることになります。この峰を下りきった鞍部で、左から仕事道らしい踏み跡を合わせました。あの巻き道だったかも知れません。さて、目の前に大きな露岩がありますが、これは右側を巻きました。どんどん登って行くと、株立ちの手前にNo.10と書かれた赤帽白杭があり、付近には赤、白、青、ピンクなどのテープがありました。

段落見出し 福神山ルンルン、鐘ヶ嶽バリバリ

この先、俄然歩きやすくなりました。再びハイキング気分になります。左から上がって来た尾根を合わせて、軽く右折しました。そして杉林の鞍部から、福神山への登りに入ります。春の芽吹きの始まった木々。山中に発散する生命力を感じながら、足どり軽く登って行きました。そして明るい雰囲気の好ましい福神山に到着。山頂標の類はありませんが、白いゼッケンのような手書きの名札が、立ち木に結ばれています。切り株に腰を掛け、ここでお茶とケーキにしました。

福神山頂で福を受けたような気分になったところで、鐘ヶ嶽に向かいます。木々の枝越しにその姿が見えますが、ちょっと裏山に登るくらいの距離感でしょうか。ここでも古い鹿柵に沿って歩いて行きます。鹿柵の左側は杉檜などの植林、右は自然林。歩くのは自然林の側なので、初々しい緑を間近に見れて、気分は上々。鞍部で倒れた鹿柵を跨ぐと、いよいよ鐘ヶ嶽へ最後の登りが始まりました。鐘ヶ嶽北尾根で最も等高線が密な区間です。ここが唯一の頑張りどころです。

急斜面の踏み跡は不明瞭でした。どこを登ってもかまわないのですが、鹿柵を右手で掴みながら登るのが、最も簡単で近道。鹿柵下部の金網を吊るすワイヤには棘がないので、ここを掴むのです。10分も登らないうちにその鹿柵も終わり、以後、木々を縫うように、上へ、上へと登って行きました。右手には、大山三峰山が相変らず高く聳え、振り返ると、先ほどいた福神山が、丸くモサっとして見えます。そして地面に積もった杉枝をバリバリと踏んで、山頂に立ちました。

段落見出し 七沢浅間神社参道を下る

清川村役場から山頂まで、正味2時間強の歩行でした。ここまで誰とも出会わず、山頂も私だけです。3年前に来た時と何も変わっていないようでしたが、道標の文字が一部修正されていました。「獄」の上に「山」が追加されています。固有名詞で使う文字は、尊重したいもの。ところで、「嶽」は山が上にあり、「岳」は山が下にあります。それぞれの漢字は、どのように成り立ったのでしょうか? また、山頂に古風な石像が2体ありますが、どなたとどなたの像でしょうか?

一休みして、七沢森林公園に向かいます。最短路になるので、参道の石段を下りましたが、好んで歩きたい石段ではありません。急なのに踏み面が狭く、まともに足を置けません。中央に張り渡されたロープを軽く握りながら、足もとをよく見て降りて行きました。私の故郷の山にも、このような神社があります。昔の日本人は、今よりも体格が小さく、あの山頂の石像くらいだったのでしょうか。ともかく、石段が終わると、ほっとしました。山道に咲き始めた桜が可憐です。

鐘ヶ嶽の登山道には、タマネギ石がたくさん見られます。セラドン石、枕状溶岩、神縄断層、温泉など、丹沢の諸名物と合わせて、地球史探訪をブラタモリでやったらどうでしょうか? 参道には、丁目石が立っていて、登る人にも下る人にも励みになります。さらに十五丁目と九丁目以下では、丁目石の上に石仏が鎮座していて、魅力が倍増。五丁目の普賢菩薩像は、象さんに乗せてあげたら、もっと素敵かも、とか考えているうちに、あっさりと登山口に下り立ちました。

段落見出し 七沢森林公園から白山へ

七沢森林公園に向かいます。「鐘ヶ獄」バス停の文字は以前のまま。広沢寺温泉入口からは「関東ふれあいの道」があり、順礼峠への近道です。しかしこれを見送り、七沢温泉入口まで歩きました。七沢森林公園を入口から歩いてみたかったからです。途中の民家の庭にあった、巨大ステレオスピーカーのオブジェにはびっくり。「森のかけはし」は、古代ローマの水道橋みたいで、テーマパークっぽい造り。公園入口では植栽のシャクナゲが、早くもきれいに咲いていました。

よくできた七沢森林公園ですが、平日とあって、人はほとんどいませんでした。他方、山野草は各種それなりにあり、園地の桜やコブシなども全力で美しく咲いていました。野外ステージの上の階段ではヤマルリソウ、「尾根のさんぽ道」ではウグイスカグラ、ヤマブキなどが花の盛り。「ながめの丘」(183m)の眺望は春霞で残念。でも空気の澄んだ日なら、きっとすばらしい展望があるのでしょう。この丘で咲いていたサンシュユの下で、再びお茶とおやつにしました。

その後は話を端折りますが、順礼峠、物見峠、貉坂峠を経て、白山(はくさん!)にやって来ました。展望台に上ると、桜に彩られた今ならではの、美しい春の展望。ふと大山に目をやると、大山、鐘ヶ嶽、白山の山頂が一直線上にあることを発見しました! 姿は見えませんでしたが、キツツキと思われる鳥が桜パーカッションの最中。最後に女坂を下り、飯山観音で満開の桜を眺めて時間調整をし、飯山観音前からバスに乗りました。今回も楽しい山歩きができて感謝です。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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