山はいいなあ  >  高尾山稜  >  城山かたくりの里から草戸山

城山かたくりの里から草戸山

草戸峠より望む高尾山

草戸峠より望む高尾山

城山かたくりの里では、今もカタクリの群落が繁殖・拡大しているそうです。また数多くの山野草が植えられ、深山の花が手軽に見れてしまいます。

草戸山を含む南北に伸びる稜線は、自生する山野草を訪ねながら、家族連れで歩くのにも適したハイキングコースです。高尾山のようには混雑していません。

バス停 神奈中バス: 橋本駅北口 → かたくりの里(臨時運行)登山口

地図 地理院地図: 草戸山

天気 城山湖の天気: 相模原市緑区 , 津久井湖 , 八王子市

関連記事 レポ: 城山湖と草戸山

開花情報 花: かたくりの里


コース & タイム 鉄道駅 橋本駅北口 バス停 9:30 == 9:45 城山かたくりの里 12:17 --- 12:47 評議原 12:47 --- 12:58 城山湖堰堤 13:05 --- 13:22 草戸山(松見平休憩所)13:40 --- 13:49 草戸峠 13:49 --- 14:52 四辻 14:53 --- 15:39 金刀比羅宮 15:42 --- 15:56 大光寺 16:01 --- 16:04 高尾駅南口 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
草戸山 くさどやま(くさとやま):標高364m 単独 2015.3.31 全3時間47分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:

3月31日、「城山かたくりの里」に初めて行ってみました。カタクリの花は満開から7日目。まだきれいに咲いていました。他にも、ユキワリソウ、アカヤシオ、ヒカゲツツジなど、山の花がみごとに開花。あっけないほど何の汗も流さずに見れてしまいました。その後は、草戸山に行ってシュンランを探訪。東高尾山稜とも呼ばれる尾根を北端まで歩いて、高尾駅のすぐ近くに下り立ちました。

段落見出し 城山かたくりの里を訪ねる

橋本駅のバス乗り場に行くと、「かたくりの里」行き直行便には、長い人の列ができていました。春休みですが、小中学生の姿はごくわずか。ほとんどが熟年男女の乗客ばかりで、全員乗ると、バスはほぼ満員になりました。このバスはカタクリの咲く季節限定で、諸々の花の咲く最盛期には午前8時30分から30分毎に運行されます。私が乗ったバスは、15分で「かたくりの里」に到着しました。

入園する前に、まず入口手前の溝に下り、アズマシロカネソウを見ました。かたくりの里の開花情報はWEB上で容易に見つけることができます。受付窓口の手前にも「現在園内で咲いている花」が書き出されていたので、ざっと目を通しました。関心を引いたのは、「白花かたくり」「大岩うちわ」「黄花セツブン草」「雪割いちげ」など。他に、普通は山の花とされている花の名がいろいろと並んでいます。へえ、すごいなあ、と思いながら、受付で入場券(大人500円)を買って入りました。

入場したら、「かたくりの里花マップ」と「城山湖への山歩きコース」の案内をもらいます。「花マップ」で目当ての花の場所が分かります。もちろん、中には今が開花期ではない植物も。園は半日向の斜面にあり、見学路に沿って色とりどりのユキワリソウほかの山野草が、見るにも撮るにも好適な位置に植えてあります。上の方には、ほうき桃やミツマタなどの花木が多く、そして残り全部がカタクリの群生でびっしり埋まっていました。なんと30万株の日本カタクリがあるそうです。

段落見出し 小松ハイキングコースを歩いて城山湖へ

かたくりの里には、2時間半もいてしまいました。出入口の「おみやげ広場」で、味噌汁用にと菜の花を一袋買って出発。「城山湖への山歩きコース」を見ながら、まず寶泉寺を目指します。歩き始めると、道沿いの小川にアオサギがいて、私と目が合いました。野鳥です。私は、動物園や植物園の持つ意義を、改めて考えていました。動物園でライオンやジャガーを見れても、アフリカや南米に行ってまで、野性の姿を見たい人がいます。きょうは、アカヤシオとヒカゲツツジを1枚の写真に収めるなど、山では考え難いこともできました。でもやはり、私は山に、その山の花を見に行くでしょう。

寶泉寺の脇から、長い斜め階段を登りきって、低い尾根の向こう側に少し下りると、「小松城跡」の案内板が立っていました。これより城山湖まで、小松ハイキングコースです。きょうは気温が平年の5月中旬なみに上昇し、針葉樹の木陰がさわやかで心地よく感じました。途中で50名以上の大パーティーに追いつきましたが、皆さんが次々に「急行ーッ!」と叫んで道を空けてくれました。実はその先の「評議原」で休憩しようと思っていたのですが、急行らしく通過することにしました。

緩い丘を越えると、ヤマザクラの花が咲き始めていました。ここは、5月に燃えるようなヤマツツジの花が咲きます。ハイキングコース突き当りでは、金刀比羅宮の石段を上らず、脇のジグザグ道を通って、城山湖のゲートに行きました。このゲートは、閉門時刻に注意しなければなりません。城山発電所は揚水式で、夜間に津久井湖の水を城山湖に汲み揚げるからです。堰堤で聞こえた放送によると、一日最大28mも水位が変動するとのこと。これにはちょっと驚きました。でも日中に訪れるのには、のどかな湖畔です。堰堤の上から東方を望むと、山々に咲く桜が春の色を添えていました。

段落見出し 「一年山」の展望台は標高365m

城山湖の北東コーナー付近では、湖の中に佇む大きな鯉が見えました。城山発電所の「ポンプ水車」がポンプになるとき、下池である津久井湖から魚の卵を揚げるのでしょうか。もしそうなら、上池(城山湖)と下池には、同じ魚が棲んでいることでしょう。そしてめったにないことらしいですが、北東のコーナーにある余水吐から水が溢れ出ると、境川を流れて江ノ島で相模湾に流入します。小学生グループを引率して、城山湖で理科と社会科の野外授業をしたらどうでしょうか。面白い質問が飛び出して来そうに思います。

クイズを出しましょう。城山湖に流れ込む川はどこにありますか?(周囲をぐるりと見渡しましょう)では、城山湖の水源はどこでしょうか?(天然の水源はありません。強いて言えば、城山湖よりも下にある津久井湖が水源です)こういう水力発電は、「純揚水発電」と言います。相模湖のように、ボートを浮かべて遊ぶことができませんね。何故でしょうか?(水際には鉄柵も設けられていますね)生活排水による汚染がありますが、付近に人家がたくさんありますか?(全然ありません)

さて、「はなさき休憩所」に行くと、桜が咲いていました。「花咲」です。そして段差の大きな階段道を頑張って登り、左に少し下りてまた登ると山頂に至りました。ここは松見平と呼ばれるように、長い尾根上の小さな平地という感じがします。ただ、町田市最高峰という栄えを担っていることと、標高が365mだと思われて、一名「一年山」とも呼ばれたことで、ささやかながらネームバリューがあります。山頂の小高い展望台に上がれば、忘年山行にぴったりの標高になるかもしれません。

段落見出し 東高尾山稜の北端まで

下山は、北に続く尾根をひたすら歩いて、高尾駅に向かいます。下り始めると、小学生と幼児たちが、保護者と共に登って来ました。山頂が見える地点まで来ると、「わあーっ」と歓声を上げて走り出すほど元気いっぱい。ご存知でしょうが、子供は「つまらない」ときに、しばしば「疲れた」と言います。この子らの中には、何も荷を持たない子や、脛に絆創膏を張った子もいました。草戸山は家族登山向きの山ですが、山は山です。小さなリュックと長ズボンは用意してあげましょう。

草戸峠では、北西に高尾山を望めます。高尾山は日本でも有数の人気を誇る山の一つですが、その山容を想い描ける人は、あまりいないと思います。私が最も思い出しやすいのは、ここ草戸峠から眺めた高尾山の姿です。その後、梅ノ木平への道を左に分け、高尾山口駅または四辻(よつじ)を指す道標に従って進みます。途中の枝尾根には、かつて多くの立ち木に「⇒高尾方面」と、人を惑わすような落書きがたくさんありましたが、すべて消されていました。

四辻では直進して、明るい展望地に出ました。山林が大きく伐採されて、眼下の高尾霊園と、宅地化の波の押し寄せる丘陵地帯を、広々と眺めることができます。四辻からわずか2〜3分なので、高尾山口駅を利用する方にもお奨めの場所です。私はさらに尾根を北進しました。最後に登山口に至ると、駅への近道である三和団地内を通らず、より楽しい金刀比羅宮経由の山道を歩き、尾根の北端から車道に下りました。高尾駅はすぐそこですが、駅南の大光寺に立ち寄り、枝垂れ桜を見ながら、お腹いっぱいに道草を食いました。

「かたくりの里」の花

木の葉ライン

↓ 紙芝居

サムネイル 00 サムネイル 01 サムネイル 02
サムネイル 03 サムネイル 04 サムネイル 05 サムネイル 06 サムネイル 07 サムネイル 08 サムネイル 09 サムネイル 10 サムネイル 11 サムネイル 12 サムネイル 13 サムネイル 14 サムネイル 15 サムネイル 16 サムネイル 17 サムネイル 18 サムネイル 18 サムネイル 20 サムネイル 21 サムネイル 22 サムネイル 23 サムネイル 24 サムネイル 25 サムネイル 26 サムネイル 27 サムネイル 28 サムネイル 29 サムネイル 30 サムネイル 31 サムネイル 32 サムネイル 33 サムネイル 34 サムネイル 35 サムネイル 36 サムネイル 37 サムネイル 38 サムネイル 39 サムネイル 40
サムネイル 41 サムネイル 42 サムネイル 43

©2015 Oda Family  All Rights Reserved.