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竜ヶ岳

竜ヶ岳山頂から望む、針巻きをした富士山

竜ヶ岳山頂から望む、針巻きをした富士山

竜ヶ岳は富士山の裾野、本栖湖の南岸にふっくらとした姿で立ち、元旦にダイヤモンド富士が見られる山として、よく知られています。。

竜ヶ岳には、よく整備されたハイキングコースがあります。樹木に遮られることなく、四方の山々を眺めつつ登ることができます。

駐車場 新東名高速道路:新富士IC → 本栖湖キャンプ場 登山口

駐車場 東名高速道路:御殿場IC ← 本栖湖キャンプ場 登山口

地図 地理院地図: 竜ヶ岳

天気 竜ヶ岳の天気: 富士河口湖町 , 身延町 , 本栖湖


コース & タイム 駐車場 竜ヶ岳登山者専用駐車場 8:10 --- 8:27 竜ヶ岳登山道入口 8:27---  8:59 小ピーク 9:13 --- 9:40 石仏(見晴台) 9:52 --- 10:28 北面登山道分岐 10:34 --- 10:45 竜ヶ岳山頂 11:28 --- 12:07 端足峠 12:13 --- 13:07 県道分岐 13:07 --- 13:18 本栖湖畔歩道分岐 13:18 --- 13:30 迎えの車(登山終了)== 竜ヶ岳登山者専用駐車場 駐車場
※歩行時間には小休止と写真撮影の時間が含まれています。
竜ヶ岳 りゅうがたけ:標高 1485m、グループ  2014.5.17 全5時間20分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

5月17日、山の友たちと竜ヶ岳に登りました。その日の天気予報は、劇的に好転し、絶好の五月晴れ。大きな大きな富士山はもとより、白銀の輝く南アルプス、立体感も豊かな御坂山塊など、すばらしい眺望を満喫して来ました。

段落見出し本栖湖畔から新緑の自然林へ

往路は新東名高速道路を走り、新富士ICから西富士道路を経て、午前8時ちょうどに本栖湖キャンプ場手前の駐車場に到着。さっそく湖畔に行って、丸い竜ヶ岳を眺めました。標高差はわずか575m。楽しいハイキングになりそうです。

本栖湖キャンプ場に進むと、松林の奥に、富士山の大きな頭が見えました。風雪を感じさせるバンガローの立ち並ぶキャンプ場を通り抜け、国道139号を横断すると、もう大きな人工物はありません。自然林の中をいくつもの道標に導かれて、竜ヶ岳登山道入口に至りました。熊出没注意の黄色い警告板があります。

これより、新緑の明るい、ゆるやかな登山道を登ります。さまざまな樹種の混合した自然林から、ほとばしる生命力が感じられ、足も腰も、肺も心臓も、全身が快調そのもの。パーティー唯一の女性に合わせて、極めてスローペースで登りましたが、登山道入口から30分ほどで、休憩所のある小さなピークに達しました。青い本栖湖の向こうに、くっきりと立つ南アルプスの白峰三山と甲斐駒ケ岳。一同が歓声を上げます。

段落見出し大きな富士山を振り返り見つつ

ここから先は、ずっと富士山が見えるようになりました。近いから当たり前なのですが、とても大きな富士山です。特に向かって右(南方)のラインの、スーッと駿河湾に延びて行く様が優美です。眼下には、赤紫・白・ピンクの、絵の具を塗ったような「富士芝桜まつり」の会場が、青と緑の広大な空間の中で、鮮やかなアクセントになっていました。

高い樹木がなくなると、スズタケの世界になりました。行く手の竜ヶ岳がふっくら、巨大な饅頭になっています。山体が球面なので、視線が山頂に届くには、理論上山頂付近まで行かねばなりません。明るい登山道には、ヒメハギ、ニガイチゴ、キスミレなどが咲いていました。振り返ると、富士山に加えて、御坂山塊が立体感も豊かに峰々を連ね、あとは一面の樹海。あそこに迷い込んだらどうなるのでしょうか?

小ピークから25分ほどで、東屋と石仏のある展望台に着きました。格好の休憩ポイントです。暑くなってきたので、お茶を飲んで水分補給。この道は日陰がないので、夏には暑くてたまらないでしょう。その代わり、見晴らしは申し分ないので、元旦のダイヤモンド富士は、登山道のどこからでも見られるのではないかと思います。

段落見出しジグザグ道をひたすら山頂へ

石仏から上は、ほとんど山頂までジグザグの連続です。折り返すたびに、富士山が右に見えたり、左に見えたりします。前後の人との距離が開くと、スズタケに隠されて人の姿が見えなくなるので、よくまとまって歩きましょう。時々登山道から蝶が飛び立ちます。ミヤマカラスアゲハが凄いスピードで頭上を通過して行きました。

北面の登山道を右から合わせると、その先は平坦な道になりました。下の方では赤紫色のトウゴクミツバツツジが見頃でしたが、ここ山頂手前ではまだ蕾ばかり。一部大きく膨らんだつぼみもあって、来週末には見事に咲きそろいそうでした。そして、広々とした山頂広場に到着。まず目を引くのが白銀の南アルプスです。塩見岳以南は、ここで初めて姿を現わします。加えて、八ヶ岳も、奥秩父の西部もくっきりと見え、山頂の古びた標識がそれぞれの名峰を指していました。

南東には、天子山脈の雨ヶ岳とタカデッキ。一見、竜ヶ岳に隣接していてすぐ登れそうにも思いましたが、端足峠(はしたとうげ)まで200m以上下って、500m以上登らねば、雨ヶ岳にも行けません。でもこの距離から見てしまったので、「登りたい山」になりました。いつの日になるか分かりませんが、晴れた日に毛無山と合わせて縦走したら、人生の一記念日になりそうな気がします。周囲の山々を撮影してから、ベンチに腰を下ろし、昼食にしました。

段落見出し端足峠を経て、本栖湖畔へ

さて、名残り惜しい山頂ですが、下山の途に着きます。山頂から南西の端足峠(はしたとうげ)に向かう道は、緩やかな下りで始まって、すぐに急降下になりました。幸い、つかまる樹木もほどほどにあるので、安心感があります。新緑の広葉樹に混じって咲くトウゴクミツバツツジは、ほとんどスズタケばかりの東面登山道よりも、こちらで多く見られました。樹木が切れるたびに、ずらり南アルプスの峰々が望めることは、西面を歩く人々への特典かもしれません。

端足峠から本栖湖に向かって下り始めると、富士山が見えなくなるので、この峠でもう一度しっかりと目に焼き付けます。熟年のご夫婦のご主人の方が富士山を見ながら、「ああ、いいなあ!」と静かに感嘆していました。「一期一会」という言葉が胸を過ぎります。当たり前ですが、きょう登った私たちが記憶するのは、きょうの富士山です。その記憶倉庫の引き出しには、芝桜とトウゴクミツバツツジの色をした、小さなリボンが結ばれました。

湖畔に向かって北に下って行くと、樹間に本栖湖が幾度となく望めました。湖水の青色がとてもきれいです。やがてそれも見えなくなると、山の地面に関心が行き、シダ、シコクスミレ、フタバアオイなど、日陰の似合う草が生えていました。登りが陽性の道だったので、下りに陰性の道を歩いて、心の栄養バランスも取れたと思います。

段落見出し必修科目

元気な男性二人が山を駆け下り、県道を駐車場まで走って、車で迎えに来てくれました。パーティーが健脚の男性ばかりだったら、こんなことはしません。感謝しながら車に乗り込むと、私の希望で一旦キャンプ場入口に戻り、湖畔で靴を脱いでじゃぶじゃぶをしました。溶岩の粒粒が足裏をほぐしてくれるような気もしましたが、本栖湖の水がとても冷たかったので、すぐに水から上がりました。

最後に山中湖畔の「紅富士の湯」に行きました。立ち寄り温泉は、私たちの登山の必修科目です。この温泉では、湯舟から特大の富士山が見えました。心身ともバラバラにほぐされて、ドライバーさんには毎回恐縮なのですが、帰りの道はワープのような心地がします。きょうも感謝の一日でした。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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