草戸山の周辺には、カタクリの名所がいくつかあります。相模原市の「城山かたくりの里」、「片倉城跡公園」、八王子市の梅ノ木平の民家裏などです。
神奈川中央交通バス: 橋本駅北口 ← 城山高校前
地理院地図: 草戸山
草戸山の天気: 八王子市 , 相模原市緑区 , 津久井湖
3月29日、カタクリの花を見に行きました。八王子市の片倉城跡公園と、梅ノ木平です。大きな自然災害のあったばかりの日本に、今年も同じように咲いてくれる春の花たちが、自然のやさしい一面が全く変わっていないことを確かに表していました。
まずは、片倉城跡公園。片倉の名が「カタクリ」を連想させます。JR片倉駅から徒歩5分ほどで到着。入口から彫刻広場を抜け、散策路に沿って、城跡の丘に向かいます。その斜面に、ぽつり、ぽつりとカタクリの花が、かなりつつましく咲いています。来るのが少し早すぎたかも知れません。数が多いとは言えませんがアズマイチゲも見られます。とても見やすい一角に、シュンランが一株。だれかが植えてくれたものでしょうか。
丘の上の二の丸広場は、明るく開放感に満ちていました。しかも素晴らしい眺めです。壁のように立った残雪の丹沢は、アルプスのような迫力。そのはずれに大室山が、富士山の露払いのように控えています。高尾山、大岳山なども、ここから見ると思いのほか大きく見えます。いずれもほんのり春霞に覆われた田園の背景として申し分ありません。
次は、梅ノ木平に向かいます。片倉城跡公園を出て、国道16号沿いに北へ8分ほど歩くと、京王片倉駅。タイミングよくやって来た電車に乗り、終点の高尾山口で下車します。
高尾山口からは、国道20号をテクテク歩きます。南八王子インターの工事現場と梅ノ木平バス停を通り過ぎ、案内川に架かる梅ノ木橋を越す手前で、左手から合流する榎窪川沿いの小道に入ります。分岐点に、石仏と「関東ふれあいの道」の石柱が立っています。♪ さらさら行く ♪ 『春の小川』沿いに歩くと、左に峯ノ薬師への分岐。ここへは後に草戸山に向かうときに戻ってきます。この分岐で左折せずに真っ直ぐ100mほど進みます。「カタクリの花入口」と書かれた家にやって来ました。
協力金200円を箱の中に入れ、農家の裏山に回ると、カタクリの保護地です。片倉城跡公園と同様、昼どきだけ日の当たる斜面に咲いています。先客はたった一人だけ。ひっそりしています。見ごろはむしろアズマイチゲとフキの花。カタクリは、咲き終わった花がほとんど見られないので、これから見頃を迎え、もっとたくさん咲くのでしょう。ベンチもあるので、カタクリを “おかず” に、お昼にしました。
腹ごしらえと撮影が済んだので、先ほどの分岐まで戻り、峯ノ薬師に向かいます。「うかい竹亭」の前を通り過ぎ、石仏のある分岐に来ました。ここから左手に草戸山への登山道です。かなり急登ですが、標高差は大したことがありません。10分ほどで尾根道に至り、さらに4分ほどで草戸峠です。ここで高尾山を眺められましたが、全然疲れていないので、そのまま草戸山まで行ってしまいます。
草戸山頂の古びた標柱に、「町田市最高峰、365m」と書かれています。標高の正確さはともかく、町田市がこんなところまで延びているとは意外。山頂には冬越ししたヒオドシチョウがいました。人が近づいても逃げません。
山頂の「松見平休憩所」の道標に、次の「ふれあい休憩所」まで、[700m、徒歩30分] とあることから予想されるように、この先の榎窪山(標高 420m)まで急なアップダウンの続く区間です。短いコースなので、このような変化も楽しみの一つになります。しっかりした階段が整備されています。
榎窪山から、南高尾山稜を少し歩いてみました。イノシシが掘ったと見られる跡がたくさんあります。通りかかった中年のご夫婦の話では、シュンランがだいぶ盗られてしまったとのこと。もちろん、イノシシにではありません。
峯ノ薬師からは、すぐ下の県道に降りました。城山と津久井湖を撮影するためです。右手から午後の光線を浴び、柔らかな湖面と山肌が望めます。ここから城山高校前バス停まで30分ほどの道のりも、津久井湖を眺めながら歩けば長くありませんでした。
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