山はいいなあ HOME  >  第二休憩所  >  単独登山もいい?

単独登山もいい?

筆立て

単独登山は一人で山に登ることです。これはお奨めできません。でも私自身、単独行が多くあります。山に行けば、必ずと言っていいほど、単独行者に出会います。以下、私の思うところを少し記します。

単独であろうと、パーティーであろうと、登山はリスクを伴います。

しっかりしたパーティでの登山と比べ、単独行では、事故に伴うトラブルのリスクが大きくなります。

自己責任

単独行では、すべてが自己責任です。事故になった場合の山岳救助を当てこんで冒険登山をする人は、まずいないと思いますが、実際に救助隊の世話になれば、多くの人々に二次遭難のリスクを課すことになります。家族の精神的および経済的負担も大きくなるでしょう。自己責任と言っても、生命を失ったり、重度の身障者になるようなことがあれば、その後の家族のために責任を取ることすらできません。

救助費用、捜索費用などを、一定の限度額以内でカバーする山岳保険があります。防ぎようのない事故もあるわけですから、利用する価値はあります。その上で、保険に投入した何千倍ものエネルギーを、遭難の予防に当てるべきでしょう。

単独行では、単独行ならではのリスクを最小限にするために、計画も、その実行も、より慎重になる傾向はあるようです。そのような理性は、計画の時点では誰でも多かれ少なかれ持っているでしょう。でも、いざ山に入れば、人をぐんぐん引き付ける山の力が働きます。個人においても集団においても、衝動と理性の綱引きを冷静に見れる人が、責任と自由とを存分に行使できます。

冒険の要素がゼロの登山はありません。登山に限らず、人生には冒険が付き物です。では、実際に遭難したとき、あるいは目の前に遭難が感じられたとき、人は冷静な判断と行動を維持できるでしょうか?それが極めて難しいということを、多くの遭難事例が物語っています。

無知、無理、無帽には、死の影が忍び寄ります。山を知り、自分を知り、地道に心技体を鍛え、謙虚に山に入る者に、山は惜しみなくその美を表してくれます。

登山が、勝敗のつくスポーツだとすれば、無事に帰宅した人が勝者です。

責任とセットの自由

筆立て

単独行の味を一旦覚えてしまった人は、諸般のリスクを背負って、喜びを胸に抱いて、また独り山に向かってしまうのです。

名言・迷言

下の二つは、誰が言い出した言葉か、忘れました。単独行に限った話ではありませんが、そもそも何故人はわざわざ山に登るのか、説明を求められても答えられないことがあります。

ところで、自由な人の心は、山への愛情より、人への愛情の方が強いのが本来的であると、私は思います。

夫婦、親子、兄弟姉妹で山に登って、人と自然への愛を同時に深められるといいですね。

その他、改めて書くほどでもありませんが…


©2010- Oda Family  All Rights Reserved.