2020年5月24日(日) ◆待ちに待った、晴天日。窓を開けると、願ってもないほどの爽やかな空気が頬を撫でる。色濃くなった草木の香もかぐわしい。梅雨の足音が静かに聞こえ始めた今、森の呼ぶ声には抗いがたく、心もそぞろにいつもの道へと足が向く。◆日曜日なので、人の来ぬ間にと、早めに出かけた。さっそく目に入ったのが、キアシドクガの大乱舞。ひらひらと、飛んで飛んで飛びまくるのは、子孫を残すためだ。羽化したばかりのメスが、脱いだ(蛹の)殻を抱えたまま、オスと交尾している光景が普通に見られる。3頭、4頭が塊になって交尾しようとするのは、おそらく発生の密度が過剰だということなのだろう。◆ルリタテハの幼虫が寄生蜂の幼虫に寄生されるのは、珍しくないようだ。ウラゴマダラシジミの蛹にも寄生が見られる。こちらの寄生蜂は、ウラゴマダラシジミヒメバチと言うそうだ。◆大きなビークマークを持つイチモンジチョウが、ズボンにとまった。手を差し出したら、指先に乗り移ってストローを立てた。大きな天敵の攻撃をかわして生き延びる小さな生命に、愛おしさを感じる。蝶の飛行を予測しづらいのは、実は素晴らしいことなのだと教えられた。