サラサドウダン見に、七ツ石山 山はいいなあ  >  奥多摩  >  七ツ石山

サラサドウダン見に 七ツ石山

七ツ石山のサラサドウダン

七ツ石山のサラサドウダン

奥多摩の石尾根には、七ツ石山を中心に、サラサドウダンの小さな群生地がいくつかあります。

丹波山村が、「平将門迷走ルート」の説明板を立てていました。全部で10箇所、12枚のようです。

バス停 西東京バス: 奥多摩駅 → 留浦 登山口
バス停 西東京バス: 奥多摩駅 ← 峰谷 登山口

地図 地理院地図: 七ツ石山

天気 七ツ石山の天気: 奥多摩町 , 雲取山


コース & タイム 鉄道駅 奥多摩駅 バス停 7:38 == 8:12 留浦 8:16 --- 8:26 鴨沢 8:26 --- 8:51 小袖乗越(村営駐車場)8:53 --- 9:00 小袖緑道あがり(雲取山2017年の山看板)9:00 --- 10:00 風呂石 10:03 --- 10:18 堂所 10:23 --- 10:55 七ツ石小屋下分岐 10:58 --- 11:06 七ッ石小屋 11:14 --- 11:20 七ツ石小屋上分岐(水場)11:22 --- 11:50 ドウダン小群生 12:00 --- 12:02 ブナ坂 12:15 --- 12:31 七ツ石山 12:38 --- 13:09 ツツジ群生地 13:30 --- 14:02 高丸山 14:03 --- 14:28 日蔭名栗山 14:29 --- 14:52 鷹ノ巣山避難小屋 15:01 --- 16:24 奥(峰谷への近道分岐)16:24 --- 17:00 峰谷バス停 バス停 17:05 == 17:40 奥多摩駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
七ツ石山 ななついしやま:標高 1757.3m 単独 2017.6.20 全8時間44分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢❢

6月20日(火)、梅雨の晴れ間に、奥多摩の七ツ石山に行ってきました。ねらいはサラサドウダンの花。暑い日で、木陰のない縦走路の一部では疲れましたが、可愛らしいサラサドウダン(漢字では更紗満天星)をたくさん見ることができました。千本ツツジの方は、トウゴクミツバツツジが完全に終了。ヤマツツジもほぼ終わりかけていました。草木の花や蝶・トンボは少なかったのですが、エゾハルゼミはすこぶる賑やか。ツツドリの声も遠く、静かに響いていました。

段落見出し 奥多摩駅から雲取山登山口へ

自宅の最寄り駅で初電に乗り、八王子駅で八高線に乗り換えます。乗り換え時間は1分。電車のドアが開くと同時に、階段を駆け上がる客の群れ。集団駆け込み乗車とでも呼びましょうか。おそらく毎朝ここで見られる風景なのでしょう。私は出遅れました。でも先頭集団について行けば、八高線の電車は待っていてくれるはず....ダダダダ、滑り込み! 白杖を持った女性も無事に乗り換えました。ふう、電車がちょっと遅れれば計画が狂うアクロバット。わが家から奥多摩は遠い!

奥多摩駅前で、小菅の湯行きバスを待っていると、小学生たちを乗せたバスが2路線から到着しました。まだ午前7時半。私が卒業した小学校も、学校の統廃合ですぐ閉校になり、小学生たちは運行本数の少ない路線バスで通学することになりました。あれからおよそ半世紀。人口過疎地の公共交通機関の多くは、自治体から赤字の補てんを受けなければ採算が取れません。平日の登山者が、ガラガラに空いたバスに乗って登山口に行けるのも、その恩恵と言えます。まずは感謝!

留浦(とずら)で8名ほどを降ろすと、バスはUターンして走り去りました。登山者たちは、それぞれトイレに行ったり、身支度をしたりして、三々五々、鴨沢に向かって歩き始めます。奥多摩湖は、空の青と山の緑を映して、平和な色。鴨澤橋を渡って山梨県丹波山村に入ると、すぐに鴨沢バス停で、その向いの狭い階段を上ります。奥多摩湖と鴨沢集落とを見下ろせる生活道路を登って行くと、やがて山道に変わり、汗をかく間もなく、小袖乗越の村営駐車場に至りました。

段落見出し 歩きやすい登山道

駐車場から車道を正味5分ほど北上すると、雲取山YEARと書かれた大きな看板が立っていました。標高2017mの雲取山は、例年よりも賑わいを見せているそうです。ちなみに、2014年は小金沢山YEARでしたが、どうだったでしょうか。そして雲取山の次は? さて、私が生きているうちに祝年を迎える山が、あとどれほどあるかな? ともかく、この大きな看板と、エゾハルゼミの大合唱とに歓迎されながら、登山道に進みました。目指すは、サラサドウダン咲く七ツ石山!

杉林の涼しい道を、黙々と歩きます。先頭の1カップルを除き、単独さんたちが私の前後を歩いていますが、あまり抜いたり抜かれたりはしません。むしろ前の人を抜けば、自分のペースが狂います。ここは力を温存しながら、省エネモードで登るのが得策。眺望はまるでないので、何か面白いものはないかとキョロキョロ探しながら歩きました。地味だけどきれいな花のヤマゴボウ、どんな人が住んでいたのか二階建ての廃屋、人馴れしたニホンジカ、等々。

一般に奥多摩の登山道は、丹沢に多い岩石ゴロゴロの荒れ道ではないので、足に優しく感じます。ここ「登り尾根」も、土や落ち葉で覆われた地面をリズムよく踏みしめ、軽快に登れます。欲を言えば、途中にもっと目標物があれば、励みになるのに、と思っていたら、前方からカンカンカンと、金属音が聞こえてきました。行くと、作業員が数名で「平将門 迷走ルート 風呂岩」(すいほろいわ)の説明板を立てる作業をしていました。これは新しい目標物になり得ます。

段落見出し サラサドウダン見ごろ

「風呂岩」の次は、「堂所」(どうどころ、約1250m)です。将門に倣ったわけではありませんが、私も小休止。水分補給のためリュックを下ろすと、すさまじい汗をかいていました。肩掛けに白い塩が浮かんでいます。見上げればみずみずしいミズナラの若葉。目が潤うような思いがするので、カメラにも見せてやります。再び黙々と歩き、そろそろ巻き道かなと思ったころ、左手の梢の隙間に、きれいな富士山を望めました。でも残念ながら、それはこのとき限りでした。

さらに5分ほど登ると、ブナ坂への下段まき道を左に分けました。ここは「七ツ石小屋下分岐」と呼ばれます。地図に示されているように、七ツ石山頂への最短路には4箇所に分岐点があり、ここがその一つ目です。大きな目標地点を通過したことで元気を得て、一登りすると、七ツ石小屋に到着しました。同じバスで来た人たちも続々と到着。水を汲んだり、トイレに行ったり、富士山を眺めたりしています。小屋の管理人の方は不在でしたが、鍵は掛けられていませんでした。

小屋から5分ほど登ると、水場に突き当たります。ここは「七ツ石小屋上分岐」と呼ばれ、右が山頂、左がブナ坂です。私はサラサドウダンを求めて左へ行きます。するとさっそくありました! 樹は小ぶりですが、花が目の高さで咲いているので、鑑賞と撮影に最適です。鈴生りに咲いた可愛らしい風鈴のような花。風が吹くと枝ごと揺れて、みんな仲よさそう。ここは標高1580m。同程度の標高にある各地でも、今頃サラサドウダンを見ている人がいることでしょう。

段落見出し ブナ坂から七ツ石山頂へ

ブナ坂に至る2分手前に、サラサドウダンの小群落がありました。花が高い枝にあるので、首をそらせて見上げます。漢字で「満天星」と書くのは当て字ですが、中々気の利いた当て字だと思います。ここには、普通にある赤い花の他に、白花と、その中間色の花もありました。木ごとの個体差なのか、1本の木に咲く花は皆同じ色です。生垣のドウダンツツジも、放っておけばこんな高木になるのでしょうか。通りかかった人から、これは何の実ですか、と尋ねられました。

ブナ坂は、適度に広くて、落ち着く場所です。ここで昼食にしました。すでに正午過ぎ、花も団子もあってこそ本当の幸せ! ここには「平将門 迷走ルート 10/10 」と「エピローグ」がすでに立てられていました。「10/10」だけを読むと、後味が悪くなりかねないので、必ず「エピローグ」も読みましょう。順を追って説明板を全部読めば、登り尾根、石尾根、七ツ石山などの名と将門伝説が、きれいにつながって行くのでしょう。将門馬場と六ツ石山も加えてほしいですね。

さて、七ツ石山頂に向かいます。ここは登るほどに、背後の雲取山と飛龍山をよく望めるようになります。延々と続く石尾根縦走路は、緑の防火帯草原を貫き、遠近感も豊かに、そのまま一幅の絵画になりそう。強い日差しがありましたが、心地よい風が吹いていて、足取りも軽く山頂に至りました。2輪だけ咲き残ったトウゴクミツバツツジがあります。雲取山を望む、この最高の場所で、若い女性が独り食事をしていました。石造りの山頂標は、左右非対称の台形です。

段落見出し 千本ツツジとは?

石尾根縦走路を東へ下ります。マルバダケブキが目立ってきました。これは、シカが食べないのだそうです。途中に七ツ石神社がありますが、朽ち果てた姿。こんなボロ社に住みたい神様がいるとは思えません。ここに「平将門 迷走ルート 9/10 七ツ石神社と七ツ石山」が立てられました。七体の藁人形が、七つの岩に化身したという民話が書かれています。岩になったのなら、二度と敵の弓矢に射られることはないでしょう。それらしい岩が、石尾根の各所に見られます。

この辺りにもサラサドウダンの群生がありました。逆光になり、風にも揺れるので、撮影は思うようになりませんが、美しさ、可愛らしさは、見るに十分です。やがて南面が開けると、赤指尾根、登り尾根、七ツ石尾根などを見下ろせるようになりました。ヤマツツジの赤い花が、あちらこちらに見えます。下の巻き道に花が多そうなので下りてみると、花はすでに終盤でしたが、離れて見ればまだきれいでした。トウゴクミツバツツジは、落ちた花だけが見られました。

巻き道から赤指尾根に乗り換え、千本ツツジという名の小峰(1704m)に登りました。尾根筋のツツジも見ておこうと、少し西に行って見ましたが、咲き具合は巻き道と同程度。私が初めて千本ツツジの名を知ったとき、真っ赤なツツジのトンネルを想像したものです。昔のことは知りませんが、今「千本ツツジ」を画像検索しても、ツツジの花トンネルは出て来ません。でも、ヤマツツジ、ミツバツツジ、ドウダンツツジなど全部合わせたら、1000本位はあるかも知れません。

段落見出し 高丸山と日蔭名栗山で、ヒーコラ

千本ツツジに戻り、行く手の東方を望むと、そこは何とも素敵な空間。緑の草原の向こうに、高丸山と日蔭名栗山、その後ろにちょこんと頭の出ているのは鷹ノ巣山。この草原で山菜採りをしている人々がいますが、ワラビを摘んでいるのでしょう。草原は足の踏み場もないほどワラビでいっぱい。ビニル袋片手に、何かを土ごと根こそぎ採取している人もいましたが、これはちょっと怪しい。国立公園では「持ち込まない、持ち去らない、動かさない」が決まりのはず。

高丸山手前の鞍部から巻き道に入ることもできましたが、私にとって未踏峰の高丸山に登っておきたいと思いました。ところが急な登りに差しかかると、何故か足が重いし、力が出ない。暑さに負けたのでしょうか。ここは、大した標高差はありません。あせらず、ゆっくり行くことにします。すると、マイヅルソウを見つけました。見落としそうなほど、とても小さな花です。これは頑張って登頂したことへのご褒美かな。そして山頂を越えると、激下降が待っていました。

激下降を終え、ようやく普通の道に戻ると、右から巻き道を合わせました。次は、日蔭名栗山への登りです。再び頑張って登頂すると、菫色のすみれを見つけました。すみれの同定は苦手なのですが、たぶん「スミレ」だと思います。そして山頂を越えると、再び南面が大きく開けました。足下の草原が南に深く落ち、鳥になったように奥多摩湖方面を望めます。鷹ノ巣山頂から勇壮な稜線を描くのは榧ノ木尾根。この美しい草原には、シロスミレが咲いていました。

段落見出し 鷹ノ巣山避難小屋から、峰谷に下山

巳ノ戸ノ大クビレに来ました。鷹ノ巣山がもう目の前です。でもきょうは時間切れ。千本ツツジからここまで予想外に時間を費やしました。鷹ノ巣山避難小屋に到着し、いつものように小屋内を見分。そして外のベンチで休憩しながら地図を見ます。うるさい小虫が顔や腕にまとわりつくので、虫よけ剤を塗布しました。蒸し暑くて不快なので、早々に下山の途に就きます。山と高原地図によれば、峰谷までは2時間ちょうど。現在午後3時。17時5分のバスに乗れるでしょう。

浅間尾根を下ります。水場で冷たそうな水が出ていたので、顔を洗おうと思いましたが、そうすると虫の忌避剤が落ちてしまいます。仕方なく、下山するまで顔の塩と汗を我慢することにしました。幸い浅間尾根はほとんど緑陰の道で、涼しく歩けます。登山道も荒れていません。スタコラ30分ほど下ると、道の両側に長いベンチがありました。座ってお茶休憩にします。近くで椎茸が栽培されていたので、ちょっと見学。見上げたカエデの葉が、美しく重なり合っていました。

その後、明るいカラマツ林や、妖怪ムードの浅間神社などを、どんどん通過。ようやく奥集落が見えた時は、バスまで残り時間50分しかなく、少し焦りました。道標に従って、バス停への近道を下りて行きます。途中、人家の屋敷内を通るところもありました。暗くて面白みのない道は小走りに通過し、車道に下り立った時点で残り19分。走れメロス! とまでは行きませんが、スロージョギングで飛ばします。午後5時ちょうど、峰谷バス停にゴールインしました。やれやれ。

段落見出し 終わり良ければ、すべて良し

バス停の洗面所で思い切り顔を洗いました。これでさっぱりし、気分も爽快。残っていた水とお茶を、全部のどに流し込みました。こうして何食わぬ顔をして、悠々とバスに乗り込むときの気分は、毎度のことながら格別です。乗ったのは、私の他に単独男性が一人だけ。車内はエアコンが利いていたし、運転士さんはとても丁寧な仕事ぶりで、最後はちょっぴり大名旅行のようになりました。今回も無事に帰宅することができ、本当に感謝です。

七ッ石山?

地理院地図では、「七ッ石山」「六ッ石山」「三ッ峠山」など、小さい「ッ」です。これは一種の数助詞らしいのですが、キーボードで入力するときは面倒ですね。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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