山はいいなあ  >  中央沿線  >  栃谷尾根から陣馬山

栃谷尾根から陣馬山

陣馬山頂で天を仰ぐ白馬像

陣馬山頂で天を仰ぐ白馬像

陣馬山頂は、丹沢、富士山、南アルプス、奥多摩、関東平野、相模湾と、ぐるり360度の好展望により、「かながわの景勝50選」に選ばれています。

陣馬山南面の栃谷尾根には明るい雰囲気があり、富士山や丹沢山塊の雄大な展望も背中を押してくれます。

バス停 神奈中バス: 藤野駅 → 陣馬登山口(和田行き) 登山口

地図 地理院地図: 陣馬山

天気 陣馬山の天気: 相模原市緑区 , 相模湖駅

関連記事 レポ: 景信山・陣馬山 , 陣馬山・大名行列


コース & タイム 鉄道駅 藤野駅 バス停 8:10 == 8:19 陣馬山登山口 8:25 --- 8:45 栃谷尾根・奈良子尾根分岐 8:45 --- 9:07 栃谷(登山道入口)9:07 --- 10:25 陣馬山 11:10 --- 11:52 明王峠 12:04 --- 12:18 林道横断 12:18 --- 13:32 与瀬神社 13:41 --- 13:54 相模湖駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
陣馬山 じんばやま、じんばさん:標高 857m 単独 2013.1.29 全5時間29分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

晴天の1月29日、陣馬山に行って来ました。前日に関東地方南部で雪が降ったので、山にはきれいな新雪が積もっているかも、と期待したのです。ただ、1ヶ月ぶりの山行なので、足腰が万全ではありません。簡単に登れて、しかも眺望の好い山を地図上で物色し、栃谷(とちや)尾根から陣馬山に登ることに決めました。

段落見出しバスで陣馬登山口へ

藤野駅から陣馬登山口へは、「山と高原地図」によれば徒歩で30分ほどです。バスの便が少ないので、歩いてもいいのですが、狭くて長い沢井トンネルを歩くのは敬遠したいところ。そこで、時間的に利用しやすい、藤野駅8時10分発の和田行きバスに乗りました。バスはトンネルの手前で対向車2台の通過待ちをしました。少し遅延です。トンネルを抜けると、黄色い帽子の通学児童たちが、次々と乗り込んできました。定期券をランドセルにぶら下げている子もいますが、運転手に見せている子はいません。実質上のスクールバスです。

陣馬登山口バス停は藤野駅から四つ目で、運賃は170円でした。下車した橋の標柱に置かれたヤマセミのオブジェが目を引きます。近くの駐車場の看板には大きなヤマセミの木像がありました。この鳥は頭でっかちで、急降下するのに有利な体形なのでしょうか。魚を捕るところを見たいものです。それはさておき、陣馬山登山口は、バスの進行方向に少し歩いた右側にあり、石碑が立っています。ここから、傾斜のやや急な林道を上って行きます。歩いているのは私だけ。道の両脇には、わずかな残雪があります。

登山口から約20分、温泉の案内板近くの石垣に道標があり、右は奈良子尾根経由陣馬山(1時間55分)、左は栃谷尾根経由陣馬山(1時間20分)となっています。どちらが楽しい道なのかは分かりませんが、私は所要時間がより短い栃谷尾根に決めてきています。道はスイッチバックのように分岐し、栃谷集落に向かって上って行きます。林道のすぐ近くまでニホンザルたちが出て来ていました。人の姿を見ると、サッと逃げてしまいます。ザワザワ、ガサガサと、かなりの数がいるようでした。

段落見出し富士山と丹沢がくっきりと

視界が広々と開けたところに来ると、富士山と丹沢山塊が鮮やかに姿を顕しました。これより先、登るほどによく見えるようになるので、急いで撮影する必要はないのですが、最初の感動をメモリーに収めておきたくて、カメラを構えます。それに、あまりぼやぼやしていると、南に見える山は、逆光になってしまうのです。半逆光で見る山が、私は好きです。朝の出発が遅れると、眺める山々の陰影が薄くなってしまいます。

集落にさしかかったところ、ある民家(納屋?)の軒に陣馬山と書かれた小さな標識が左を指しています。林道歩きはここまで。左折して狭い路地を登って行きます。梅干の無人販売所と、白いベビー服を着たお地蔵様の前を通り過ぎると、野良道の様相になりました。斜面を切って造られた道は、眺望が好い上に日当たりもよく、ここでリュックを下ろしてマフラーを外し、ベストを脱ぎました。斜面右手は茶畑、左手は柚子(ゆず)畑。のどかで気持ちのよい道です。

さらに少し登ると、道は畑の中を貫いて、上の森林に向かってほぼ真っ直ぐ通じていました。左右は何か背の低い果樹の畑のようです。葉はありません。枝を低く水平に誘引しているから、桑畑ではなさそう。キウイ畑? 尋ねようにも、人は誰もいませんでした。このあたりからの眺望はさらに素晴しく、丹沢山塊をほぼ西から東まで見渡すことができます。美しい眺望は足を元気にしてくれるのですが、それもここまで。これより登山道に入り、山頂直下まで、展望の利くところはほとんどありませんでした。

段落見出し雪を踏んで山頂へ

森林に入っても、はじめ雪は全くありませんでした。しかし標高が上がるに連れ、あまり日の当たらない部分に雪が見られるようになり、山頂が間近になると、まずまずの雪山らしくなってきました。試しに横道に逸れて作業道を歩いてみると、足が20〜30cmほど雪に潜りました。登山道はしっかり踏み固められ、道の中央部は黒い泥と雪が混じって固まっているか、地面が露出しています。一部に固く凍った箇所もあるので、下りではアイゼンがあると助かる場面があるかもしれません。やがて、行く手に、白馬のモニュメントが見えてきました。

景信山方面から通じる「関東ふれあいの道」に至って、初めて人の姿を見ました。エネルギッシュな男性が、何と上半身裸で走って行きます。山頂の茶店が見えますが、このあたりから道がぬかるんで、歩きにくくなりました。道にござを敷いてあるところもあります。何とか泥濘を通過して、山頂広場に至ると、雪は全くありませんでした。

陣馬山頂の素晴しい展望は、期待どおりでした。中でも太平洋、相模湾の美しい輝きは、最高のご褒美に思えました。私は山から海を眺めるのが好きです。モニュメントの馬のように天を見上げると、快晴無風の真っ青な空。登頂を祝福してくれています。この素晴しい空間に、人は私を含めてわずか5人ほど。すごい贅沢だなあ...私は一番北のテーブルに着いて、温かいミルクティーを飲みました。いつものように、おにぎりと豆大福で昼食にします。

段落見出し明王峠へ

さて、山頂の北面にはきれいな雪がたくさんありました。和田峠方面へ行き来する人はあまりいないのか、大きな踏み跡が見られません。西には生藤山が、すぐそこに見え、ちょっと足を延ばしたい衝動に駆られます。しかしきょうは足慣らしのつもりで来たのだと自分に言い聞かせ、地図をたたみました。明王峠(みょうおうとうげ)から相模湖駅に下りる予定です。

45分ほど展望を満喫して、午前11時10分、山頂を後にしました。「関東ふれあいの道」を東に向かいます。この奥高尾縦走路は、栃谷尾根よりもたくさんの雪が残っていました。この時間帯で、陣馬山に向かって来る人々にしばしば出合うようになりました。女性の姿が多く、たいていの方がアイゼンを着けています。他方、男性は半数くらいがアイゼンなしで歩いています。私も念のため軽アイゼンをリュックに入れてあります。

明王峠で小休止。これより与瀬神社に下る道は眺望が利かないので、もう一度しっかり丹沢と富士山を見ておこうと思いました。小路の陽だまりベンチに腰を下ろし、まだ温かい紅茶を飲みます。

一羽のキジバトがやって来ました。その様子から見て、完全におねだりモードです。ここでご飯粒やパンくずをよくもらうのでしょう。ポッポッと歩いて来て、足下から50cmで立ち止まりました。小首を傾げて、丸い目でじっと見つめられると、思わず何かあげたくなってしまいます。何もやらずにいたら、ラジオ体操第一のように左右の翼を思いっきり後に展ばし、尾羽を扇のように広げ、また閉じてしゃがみこみました。

段落見出し与瀬神社へ

12分ほど休憩したところで、筋肉の冷えないうちにと思って、腰を上げました。明王峠から与瀬神社を経て相模湖駅に下るのが、鉄道駅への最短ルートです。このルートは、始めと終わりに急傾斜がありますが、途中は平坦地に近い、なだらかな山道です。峠の茶屋の近辺はぬかるみがありましたが、そこを通り抜けると、雪がほどよく締まっていて、凍結なども無いのでサクサク、スイスイと下れました。

石投げ地蔵嬢ヶ塚を左に見ると、ほどなく林道に下り立ちました。そのまま林道を横断します。ここからかなり長い区間、登山路はなだらかです。ほとんど人工の針葉樹林ですが、春から初夏にはフィトンチッドに満たされて、気分よく歩けそうです。廃屋のような大平小屋を過ぎ、なおも軽いアップダウンを経て行くと、樹間に相模湖が見え隠れするようになりました。湖水に光が反射して、なかなかきれいです。

最後に再び急傾斜を下ります。もう雪は全くありません。左に石老山を望める展望台があり、そこを過ぎてわずかに下ると、与瀬神社の境内でした。ご祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)とあります。ここでトイレを借りました。左の狛犬が連れている仔犬の鼻を撫で、中央の石段を下ります。歩幅が狭くて急峻なので、慎重に降りなければなりませんが、すぐ隣に安全なスロープもあります。石段を降り切って参道を行くと、正面に与瀬神社の鳥居と、慈眼寺の鐘楼と、相模湖の湖水とが、絵のように現れました。

段落見出し相模湖駅にて

相模湖駅では、電車が来るまで少し時間があったので、またトイレに入りました。跨線橋階段の下にあります。これがとてもきれいなトイレで、一気に現代文明社会に戻って来た気分になりました。跨線橋を渡ってホームの椅子に腰を下ろし、まだたくさん残っていた紅茶をたっぷりと飲みます。きょうは楽チンコースでしたが、これから足腰をしっかり整え、今年も素晴しい山々に登りたいと思います。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

サムネイル 00 サムネイル 01 サムネイル 02
サムネイル 03 サムネイル 04 サムネイル 05 サムネイル 06 サムネイル 07 サムネイル 08 サムネイル 09 サムネイル 10 サムネイル 11 サムネイル 12 サムネイル 13 サムネイル 14 サムネイル 15 サムネイル 16 サムネイル 17 サムネイル 18 サムネイル 19 サムネイル 20 サムネイル 21 サムネイル 22 サムネイル 23 サムネイル 24 サムネイル 25 サムネイル 26 サムネイル 27 サムネイル 28 サムネイル 29 サムネイル 30 サムネイル 31 サムネイル 32 サムネイル 33 サムネイル 34 サムネイル 35 サムネイル 36 サムネイル 37 サムネイル 38 サムネイル 39 サムネイル 40
サムネイル 41 サムネイル 42 サムネイル 43


©2013 Oda Family  All Rights Reserved.