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ユガテ・顔振峠・八徳

摩利支天より望む、風影集落方面と武甲山

摩利支天より望む、風影集落方面と武甲山

地図 地理院地図: ユガテ , 顔振峠 , 八徳

天気 ユガテの天気: 飯能市 , 毛呂山町 , 越生町 , 吾野駅 , 顔振峠

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コース & タイム 鉄道駅 東吾野駅 8:14 --- 8:24 福徳寺阿弥陀堂 8:27 --- 8:47 新田 8:47 --- 9:02 ユガテ 9:38 --- 9:51 エビガ坂 9:51 --- 10:50 阿寺諏訪神社 10:58 --- 11:20 摩利支天 11:38 --- 11:40 顔振峠 11:40 --- 12:03 林道八徳入線分岐 12:03 --- 12:24 八徳の一本桜 13:07 --- 13:21 林道八徳入線起点 13:24 --- 14:02 石地蔵の三叉路 14:02 --- 14:40 吾野駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と撮影の時間が含まれています。
ユガテ、顔振峠、八徳 ゆがて、かあぶりとうげ、やっとく 単独 2019.04.09 全 6時間26分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

4月9日(火)、奥武蔵のユガテ、顔振峠、八徳を訪ねました。言うまでもなく、春爛漫の時が来るのを待って行ったものです。物見遊山が目的なので、眺望に優れない山道はできるだけ省略し、景観の美しい場所でたっぷりと時間を取るようにしました。花咲くユガテの山里、摩利支天から望む風影(ふかげ)、そして八徳の一本桜。美しい季節の、美しい山村に遊び、郷愁願望が十分に満たされました。

段落見出し 東吾野駅から花見街道テクテク

平日の西武秩父線は空いていました。車窓から見る沿線の桜は、みな満開。これなら山上の桜も大丈夫そうです。東吾野駅で下車。高麗川に架かる広い橋を渡って左折。国道299号を300mほど歩き、右に分岐する車道に進みます。案内板や道標の類はありません。この車道は虎秀川(こしゅうがわ)沿いに北方に通じ、間野を経て阿寺で奥武蔵グリーンラインと呼ばれる林道に接続します。私はユガテに行くのですが、とりあえず途中の福徳寺までこの車道を歩きます。

さて、その虎秀川に沿う道は、今まさに花盛りでした。赤、ピンク、白、うららかな春の色が延々と続く花街道。赤やピンクは花桃でしょう。薄いピンクや白はたぶん桜。弾む足で駅から10分ほど、福徳寺の阿弥陀堂にやって来ました。ここからユガテへは、二通りの道があります。一つは「飛脚道」と呼ばれる山道。もう一つが新田まで車道を歩き、最後に少しだけ山道を登る、アップダウンの少ない道です。山歩き優先なら前者、楽チンするなら後者です。

福徳寺(扁額には「福徳禅寺」)では、トイレを利用できます。そのためではなく、私は花を見に、阿弥陀堂の裏手に上ってみました。禅寺は四季を通じてきれいですが、この時季、花が移ろいの美を添えています。そして高いところから、楽チンコースの方が圧倒的に楽しそうなことを見て取り、車道に下りて新田へと向かいました。花を愛でながら、テクテク、おお美しい、テクテク、ああ素敵だと、20分ほどの車道歩きに飽きる間もなく、新田に着いてしまいました。

段落見出し 私だけのユガテ?

新田の道標を見て右折。5分ほどで右に山道が分岐し、道標が「ユガテ・鎌北湖」を指しています。ようやく山登りになりました。山道を10分ほど登ってユガテに到着。背の高い桜に迎えられます。のどかそうな畑地に行くと、ピンクの枝垂桜が目に飛び込んできました。背後の山を白い花で飾っているのは、ソメイヨシノでしょう。早くも紅い葉桜になったのは、ヤマザクラ? 日差しを浴びて、気ままに咲いているのは、ムスカリ、水仙、スノードロップ、ハナニラ ...

濃いピンクの枝垂桜をくぐって、休憩所のベンチに腰を下ろしました。目の前は「ユガテの森のひまわり畑」です。ヒマワリが一面に咲くユガテを想像してみました。「ここは標高290m。ひまわり畑の夏は暑いだろうが、心地よい暑さじゃないかな?」なんて。ところで、人の姿が全く見えません。私だけのユガテ? 桜とツツジと菜の花と、青い空と白い雲。春爛漫のユガテ。明るい陽ざしに満ち、風はなし。ユガテにも様々な日があるでしょうが、ともかく来れて良かった!

ユガテで30分以上過ごしました。次は顔振峠。「エビガ坂・鎌北湖」方面に進みます。おとぎ話のような愛らしい小花の咲く草地に、背の低い小人目線の道標を見て、進路を再確認。民家の軒先をすり抜けるように坂の小路を上ると、林道に飛び出しました。ハイキングコースの道標が山道を指していますが、無視します。林道を右に進むと、天高くヤマザクラが咲いていました。樹木の花にせよ、草花にせよ、花を見るなら明るい陽の当たる道を歩きたいものです。

段落見出し 摩利支天で、お気に入りの展望

「奥武蔵グリーンライン」と呼ばれる林道に入りました。これより先、山道と林道の使い分けをします。自転車やランナーは林道を走りますが、ハイカーは道を自由に選べるのです。私は最短路を求めて、地図とにらめっこ。まず山道をエビガ坂まで登り、しばらくは尾根歩き。尾根道が林道に下りたら、一本杉峠近くまで林道を歩きます。越生町に入って直ぐ、再び山道に入り、諏訪神社に至ります。越上山はパス。諏訪神社から平坦な山道を歩けば、すぐに顔振峠です。

そのように歩きました。最初の尾根道では運よくイワウチワを見つけ、続く林道ではヤマザクラを楽しみました。林道の途中で、富士山と大岳山の並ぶ姿を望める場所もあります。越生町の観光案内板から諏訪神社に通じる山道も、すこぶる快適。神社のトイレの窓から、エイザンスミレを見つけました。今年初見です。諏訪神社から顔振峠へは、うれしい「すみれの道」になっていました。他に、セリバヒエンソウや、咲き残ったカタクリが少々。シャガはまだです。

顔振峠に至ると、摩利支天に直行しました。摩利支天の前は、大好きな展望台です。眼下には美しい桜や桃の咲く山里。深い谷の彼方には、奥多摩と奥武蔵の山なみの、本当に波のような稜線。はるか右手と左手に、二基の金字塔のように、武甲山と富士山。義経でも誰でも、顔を振り向けるでしょう。中でも郷愁を誘うのは、右手の山腹にある風影(ふかげ)の里。秋はヒガンバナの美しい小道を歩ける、お気に入りの山上集落。そこには、珍しく郵便ポストもあります。

段落見出し 八徳の一本桜へ

空に雲が増えてきました。顔振峠を後に、八徳に向かいます。富士見茶屋は休みでしたが、満開の桜に休みは無し。庭の枝垂桜が見頃になるのは、もう少し先のようです。赤花のミツマタはまだきれい。ヤマツツジが、ここかしこで咲き始めていました。ベラ・ヴィスタの少し先から傘杉峠まで山道がありますが、八徳に行く人は、林道を歩き続けましょう。すぐに「八徳入線林道」が左下に分岐します。この道こそ、八徳の一本桜が見られる坂道。足が勝手に走り出しました。

下り坂を10分ほど行くと、一本桜が見えてきました。期待どおり、満開です。枝ぶりの整った、ひと際大きな桜の木。見通しのよい山上農地に独りで力強く立ち、すべての枝の先端までふさふさと花を咲かせています。草に座って花を見る人、大きなカメラを構える人。上の道から眺めると、広大な山と谷のパノラマの中に、あたかも芸術家が置いたかのような一本桜。今、光をいっぱいに浴びて、その最大の美を発揮する瞬間に居合わせているような、感動を覚えました。

間近に一本桜と対面します。正面から、横から、下の斜面から、広げた枝の下から、そしてどこから見ても美しい桜! ソメイヨシノでしょうから、あまり長寿は望めないかもしれません。でも、南側に伸ばした太い根から、2本の蘖(ひこばえ)が立ち上がっていました。これらを伐ったり折ったりしないで、大切に育ててほしく思います。この一本桜をとっくりと鑑賞し、撮影した後、もう一度上の道に立ち、八徳の宝とも言える一幅の絵を楽しみました。

段落見出し 八徳は何と読むか?

大きな満足感を持って、一本桜と別れました。さて、今回事前にヤマレコを見て、多くのユーザーが「八徳(やっとこ)の一本桜」と書いていることに気づきました。私が初めて八徳を訪れた時、道で出会った婦人に読みを尋ねたら、「やっとくです」と答えられたのです。今回、お年寄りの男性に尋ねると、やはり「やっとく」との答え。全くよどみがありません。でも「『やっとこ』と言われることもあるなあ」と、ぽつり。もう一人の男性は、きっぱりと「やっとく」。

それ以上同じことを尋ねると失礼なように思ったので、ここまでとしました。地元の方々に正面切って質問したので「やっとく」と答えられたのかも知れません。地元では、これが正式な名称なのでしょう。私としては、「八徳(=八つの徳)」は、とても良い名だと思います。仮にあの一本桜がその一つとすれば、他の七つは何でしょうか?

段落見出し 吾野駅へスタコラ

「林道八徳入線」の標識の立つ三叉路から、天然の和風ロックガーデンのある小川を楽しみます。ヤマネコノメソウ、ヨゴレネコノメ、カテンソウなどが咲いていました。石地蔵の三叉路では、吾野駅方向へ進みます。ちなみに、休暇村奥武蔵の日帰り入浴は15時まで、最終受付は14:30です。瀬尾は「せび」と読むことを知りました。西川小学校は、奥武蔵小学校となりましたが、小中一貫校の小学部のようです。校庭の奥に、メタセコイアらしい高木が立っています。

電車の時刻表を調べずに行ったので、吾野駅では電車が出て行ったばかりでした。30分ほど待って、次の電車に乗ったのですが、居眠りをして、降りるべき東飯能で降りそこね、飯能駅まで行ってしまいました。飯能駅で降りて、ホームの向かい側に止まっていた電車に乗ったのですが、発車間際にそれが池袋行きだと気が付き、あやうく3連続エラーを免れました。でも、きょうは奥武蔵の美しい春を満喫でき、素晴らしい低山ハイクになったので、大満足、大感謝です。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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