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ヨモギ平・三ノ塔

ヨモギ平のヨモギ餅

ヨモギ平でヨモギ餅を食べる

ヨモギ平は、その名が地図に示されていない、隠れた楽園です。

誰もいないヨモギ尾根、人通りの多い表尾根、ひっそりした烏尾山の尾根とを組み合わせて見ました。この辺りは、いろいろなコース取りが可能です。

バス停 神奈中バス: 秦野駅 → ヤビツ峠(終点)登山口
バス停 神奈中バス: 渋沢駅 ← 大倉 登山口

地図 地理院地図: ヨモギ平

天気 ヨモギ平の天気: 丹沢山 , 神奈川県秦野市 , ヤビツ峠 , 大倉

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コース & タイム 鉄道駅 秦野駅 バス停 7:30 == 8:05 ヤビツ峠 8:10 --- 8:35 門戸口 8:38 ---(県道70号)--- 8:50 BOSCOオートキャンプ場 8:55 --- 8:56 三ノ塔登山口 8:56 --- 9:57 ヨモギ平 10:20 --- 11:00 林道出合 11:00 --- 11:32 表尾根のお地蔵様 11:36 --- 11:39 三ノ塔 12:00 --- 12:28 烏尾山 12:57 --- 13:49 尾根右折点 13:49 --- 14:40 新茅荘 14:42 ---(戸川林道)--- 15:17 竜神の泉 15:20 --- 15:49 風の吊橋 15:52 --- 16:00 大倉バス停 バス停 16:10 == 16:23 渋沢駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
ヨモギ平・三ノ塔 よもぎだいら:標高 970m、さんのとう:標高 1205m  単独 2010.9.18 全7時間50分
 満足度:❀❀❀  ホネオレ度:❢❢❢

9月18日、シルバーウィークの初日、丹沢のヨモギ平を経由して三ノ塔に行ってきました。なるべく人通りの少ないコースを選び、鳥や虫たちと出会いたかったからです。下山ルートも烏尾山頂から戸川林道の新茅荘への静かな尾根を選びました。

ヨモギ平から三ノ塔に向かう道で、コース判断を誤り、表丹沢林道へ至る脇道に入りました。その途上でマムシに遭遇し、逃げるときに右膝の腱を損傷(?)。後になって、下山が辛いものになりました。

段落見出しヤビツ峠からオートキャンプ場へ

土休日の秦野駅発ヤビツ峠行きバスは、7時35分が始発ですが、7時30分に峠直行の臨時便が増発されました。あと5分待てば、定期便が出るのですが、一刻も早く山上に行きたい思いは私だけでないようです。満員のバスはノンストップで市街地を抜け、県道70号をぐんぐん上へ。車窓からくっきりと富士山と秦野市街地が見え、わくわくします。8時5分に早くもヤビツ峠に到着しました。

峠で軽くストレッチをし、駐車場の奥から門戸口に向かって下ります。道は人があまり歩いてない様子で、やや荒れていますが、道標はしっかり立っています。小さな白い花をつつましく着けているのはマツカゼソウ。いくつもの群落が見られました。

やがて道幅が広くなり、8時35分、明るく開けた門戸口に到着。ここから県道70号を北に向かって緩やかな下りです。下から自転車の4人組が楽しそうにおしゃべりしながらスイスイと上ってきました。「おはようございまあす」とすごく元気な声。

10分ほどで左にオートキャンプ場が現れます。案内板を見ると、三ノ塔登山口が分かりやすく示されています。家族連れのキャンパーたちも「お早うございます」と明るい声。楽しい休日になるといいですね。

段落見出しヨモギ平へ

三ノ塔登山口の道標はやや古び、字も薄くなっていますが、はっきり読み取れます。きょうはここからが登り本番。まず明るい針葉樹林帯をじっくりと登ります。道は歩きやすく、キャンプ場が見る見る下に遠ざかって行きます。やがて広葉樹が増えてきて、9時37分、壊れかけた鹿柵ゲートを通過。ここからマルバダケブキやトリカブトなどの花が増えてきました。

この先、ヨモギ平まで、緑のお花畑です。残念ながら花期は終わっていて、目立つのはテンニンソウやマツカゼソウなど。わずかに残ったマルバダケブキの黄色い花に、ボロボロになったミヤマカラスアゲハが来ていて、静かに夏の終わりを感じさせてくれます。

その先すぐに二つ目の鹿柵ゲートがあります。これも壊れていて、閉じるのに少し工夫が必要です。ここを通過すると、あたりが平坦になってきます。9時57分、ヨモギ平と書かれた地点に到着。花と虫とで道草を食いました。(970mピークにも鹿柵があります。札掛に通じるゲートはしっかり閉じていました。)

区切りアイコンヨモギもち

ヨモギ平は970mピークの手前にある、のどかな草地です。目を引くオレンジ色の蝶は、近年増殖中というツマグロヒョウモン。私は少し朽ちかけたベンチに腰を下ろし、昨日買ったヨモギもちを食べます。これがとても美味くて、一気に3個をぺロリ。ところで、どこかにヨモギが生えているのかな? 探してみましたが、見つかりませんでした。

赤ワイン色のオオセンチコガネが落ち葉の下に潜ろうとしていました。手のひらに乗せたら、もぞもぞと這いながら、指と指の隙間に潜り込もうとします。

段落見出しマムシを踏みそうに

急に空が曇ってきたので、腰を上げます。もう富士山は雲に隠れたかもしれません。ベンチの近くに道標があり、 至三ノ塔1205M1時間、とあります。足取りも軽く、なだらかな草地を鞍部へと下って行きます。

鞍部から三ノ塔へは、尾根上をひたすら登って行けばよさそうですが、途中から、道が左に逸れています。尾根を直進する方はどうも道らしく見えません。左に行くのが新しく作られた道かと思い、この脇道に踏み込んでみました。その後も踏み跡は明瞭で、テープも要所要所についています。

しばらく進むと、小さな谷を横切るところで道が崩落し、その後も次第に歩き難くなります。やはりこの道は間違いでした。このあたりできっぱり引き返せばよかったのですが、「どこを登っても、いずれ山頂に至るのだろう」と、気楽に構えていました。やがて踏み跡は完全に消え、テープだけを目印に進んで行きます。前方でガサガサガサと大きな生き物が動きました。鳥がけたたましく鳴きだします。

再び踏み跡が現れました。ところで足元のようすが何か変です。よく見ると、マムシが体を縮めて、私の方を見ています。尾の先が細かく震えています。「マムシだ!」「逃げなきゃ!」その瞬間、私は前方に思いっきり遠くまでジャンプしました。さらに、その勢いが余って岩から岩へと飛び移るはめに。不安定な岩もありますが、少々怪我をしても、マムシに咬まれるよりマシです。想えば私の左足のつま先からマムシの頭まで40cmほどしかなく、あと一歩で踏みつけるところでした。

段落見出し三ノ塔へ

ああ、危なかった。もう引き返す気は全くありません。さらに登り続けると、ゴミの山があり、林道の曲がり角に飛び出しました。地図で確認すると、表丹沢林道が菩提峠を経て三ノ塔に向かって延びる道です。この林道のすぐ右側の尾根を登れば、お地蔵様の待つ場所に行けると分かりました。

この尾根は明るくて、とても良い気分で登れました。振り返ると、どっしりとした大山が望めます。赤い実をいっぱい着けたヤマボウシ。あちらこちらに咲いているノアザミの花には、丸々としたスズメガたちがホバリングしています。ほどなく前方からリンリンと熊鈴の音が聞こえ、10時32分、表尾根のお地蔵様に到着。予定より約30分余計にかかりました。

連休初日とあって、次々と登山者たちが通過して行きます。表尾根を歩く人々を、いつも見守ってくれているお地蔵様。付近には大きな頭を垂れたフジアザミの花。富士山はまったく見えませんが、丹沢山、丹沢三峰などいつもの姿でその位置を守っています。

三ノ塔山頂に着くと、中高年グループとキアゲハがいました。私もそうですが、どうも山頂が好きな虫というものがいるようです。何ヤンマかも、行ったり来たりしています。ここで昼食。はるか上空をパラグライダーがゆっくりと飛んでいます。

段落見出し烏尾尾根へ

烏尾山への下りで、右膝の腱に異常を覚えました。どうもマムシ越しの連続ジャンプのとき、無理をして傷めたようです。急ぐ必要もないので、烏尾山頂では30分休憩することにしました。地図を広げ、檜岳やシダンゴ山の位置を確認します。広いテーブル兼ベンチの上では、小学生の女の子ふたりが一塊になって寝ています。

烏尾山からは、戸川林道に急降下する尾根を下りました。檜が間伐され、丸太がごろごろ転がっています。右膝が少し痛みますが、ここは檜の心地よい香りに包まれて、気分よく下って行きます。途中で尾根を逸れて右に曲がる箇所では、右向き矢印が、立ち木に白ペンキで太く描かれています。尾根の先への直進を禁ずるように、ロープも張ってあります。

段落見出し右足が故障

ここから先の道は少し荒れています。通常なら何と言うこともなく、ひらりひらりと足を下ろして行ける道ですが、右膝の痛みが強くなってきました。曲げたり伸ばしたりすることがひどく苦痛です。そこで右膝はできるだけ伸ばしたままで、左膝を使って下って行くのですが…痛みは増すばかり。ペースは極端に落ち、下を流れる水無川が果てしなく遠く感じられます。山でこんな経験をするのは初めてです。

地図上のコースタイム60分のところを、100分かけて、ようやく戸川林道に降り立ちました。ほっと安堵。この先は、平坦な林道です。ほとんど膝を使わなくて済むので、歩いても全然痛くありません。でも膝が健常なら、戸川林道はスロージョギングで通過したかったところです。

段落見出し大倉へ

楽しみにしていた竜神の泉で、冷たくおいしい水をゴクゴク飲みました。塩辛くなっていた顔と手を洗って、スッキリ気力も充実。脇に咲くミズヒキも生き生きとしています。ここまでゆっくりとしか歩けなかったので、スタミナをほとんど消耗していません。

風の吊橋のたもとの草原には、すでにヒガンバナが咲いていました。懐かしい秋の色です。水無川の河原で水遊びをする人々。白いふわふわドームの上では、子供たちがぴょんぴょん飛び跳ねています。吊橋の途中で振り返って、三ノ塔と二ノ塔をもう一度じっくりと見つめました。

渋沢駅から乗った電車内で居眠りをし、表尾根の斜面いっぱいに真っ赤なつつじが咲いている夢を見ました。

段落見出しまた行くぞ

その晩、膝の裏に湿布を貼ったのが効いたのか、翌朝には痛みはすっかり消えていました。いつか、新緑か紅葉の季節にもう一度行きたいと思います。

反省:人通りの少ない道は、山でも都市でも慎重に。

木の葉ライン

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