標高2000mの広々とした草原に、色とりどりに咲く山野草の花。ここは蜜を求めてやってくる蝶や蜂たちの楽園でもあります。
頂上に電波塔が林立し、大きなホテルも立つ美ヶ原ですが、日本百名山に選ばれています。
信州ビーナスライン → 山本小屋
地理院地図: 美ヶ原
美ヶ原の天気: 美ヶ原 , 王ヶ頭
7月28日、山仲間と共に北アルプスの常念岳を目指し、一の沢から入山しました。しかし、故障者が出たため、烏帽子沢まで進んだところで、撤退を決断。慎重に下山し、その晩は蓼科の温泉に宿泊することに。翌日はあまり無理なく歩けるようにと、美ヶ原に目的地を変更しました。
翌朝、信州ビーナスラインをぐんぐんと走行し、午前9時少し前、山本小屋駐車場に到着。天気も良さそうなので、リュックを車において、各自飲み物だけ持って出発です。私は、応急薬品、登山用小物、水など、最低限の携行品を持ちました。
歩き始めるとすぐに、ハクサンフウロやウツボグサなどの山野草が目に付きます。一度にこんなにたくさんのハクサンフウロを見れるのは、さすが、美ヶ原だと感嘆します。蝶類も目立ちます。フワフワと優雅に飛ぶアサギマダラ、ピューっとツバメのように飛ぶイチモンジセセリ、テフテフとのどかに飛ぶモンキチョウなど、平地でも見られる蝶たちですが、標高2000mの高原の蜜園を満喫しているようです。
牛の放牧用の柵に沿って、山頂の王ヶ頭(おうがとう)に向かったのですが、坂道で後から来た自家用バスに追い抜かれるとき、真っ黒な排煙を吸い込んでしまいました。山頂に向かうのなら、「塩くれ場」から「アルプス展望コース」を歩くのがお奨めです。私たちは帰路にこのコースを歩きました。アルプスは残念ながら雲に隠れて全く見えなかったのですが、コウリンカ、ウスユキソウ、エゾカワラナデシコ、キバナノヤマオダマキなどの山野草を十分に楽しめました。
塩くれ場の近くに、遭難者の石碑が立っています。晴れ渡った日には、とても遭難など考えにくい、のどかな美ヶ原です。でも、広大な野原で濃霧に包まれたり、吹雪に見舞われたときは、方向を見失うことも十分にあり得そう。美しの塔の鐘は、むやみに打ち鳴らすべきものではないと、私は思います。
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