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鳥ノ胸山

鳥ノ胸山(左)と雑木ノ頭

三ヶ瀬川左岸より望む、鳥ノ胸山(左)と雑木ノ頭

鳥ノ胸山は山梨百名山の一座です。「道の駅どうし」から短時間で周回することができます。

「まだ登ってない首都圏近場の山」をお探しの方にお奨めの山です。残念ながら、公共交通機関によるアクセスは大変に不便です。

駐車場 国道413号: → 道の駅どうし 登山口
駐車場 国道413号: ← 道志の湯 登山口

地図 地理院地図: 鳥ノ胸山

天気 鳥ノ胸山の天気: 道志村 , 道志の森キャンプ場


コース & タイム 駐車場 道の駅どうし 7:54 --- 9:29 北の小ピーク 9:39 --- 9:54 鳥ノ胸山 10:34 --- 11:13 雑木ノ頭 11:26 --- 12:24 道志の森キャンプ場 12:39--- 13:31 道の駅どうし 駐車場 == 道志の湯
※歩行時間には小休止と撮影の時間が含まれています。
鳥ノ胸山 とんのむねやま、とりのむねやま:標高 1207.5m グループ 2014.6.21 全 5時間37分
満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

6月21日(土)、山の友たちと、道志村の鳥ノ胸山に行ってきました。エゾハルゼミの声だけが響く静かな山、ヤマボウシやフタリシズカを目に、楽しく散策して来ました。

段落見出しさあ、登ろう!

狭く、蛇行の激しい国道413号を走って、午前7時40分頃、「道の駅どうし」に到着しました。道志川の対岸に鳥ノ胸山が見えます。パーティーは男女8名。うち4名が初心者もしくは初級者レベルです。梅雨時ですから、青空は期待していませんでしたが、午後は天候が崩れる恐れもありました。メンバーの体力も見ながら、ほどほどの時間に下山しなければなりません。まずは、青塗りの「かっぱ橋」を渡って、道志川を越えました。

野生動物除けと思われるゲートを二つ通り抜け、キャンプ場を通過する「ふれあいの森遊歩道」を進んで行くと、鳥ノ胸山登山口と書かれた道標がありました。曇り空に加えて、山の北面ということもあり、楽しい仲間がいなければきっと陰鬱な雰囲気。暗がりの森に、アカショウマやウツギの真っ白な花が目立ちました。樹木は競って高く伸びようとしています。がっちり太ることよりも、まず日照を確保することが先決なのでしょう。

道の駅どうしから25分ほどで、登山道に入りました。道はますます暗い杉林です。登り始めると、小鳥の巣箱がたくさん、立ち木に取り付けてありました。子供たちが設置したのでしょうか、高さが低いこともあり、入居者がどれほどいるか疑問です。上蓋が蝶番で開けられるようになっています。人が巣内を観察したり掃除をするのには便利ですが、猛禽類に学習されたら、雛が軒並み捕られてしまうかも知れません。

段落見出ししだいに傾斜を増す登山道

道の駅どうしから40分ほどで、林道に出ました。道標にしたがって左に少し歩くと、ザレ場があり、これを越したところから傾斜を増した登山道が付けられていました。なぜか、フタリシズカばかりが目立ちます。ウツギ、サルナシ、テイカカズラなどの白い花を地面に見ると、上を見上げては花を探しました。この山に赤や黄色の花の咲く季節もあるのでしょうか。今、とても地味な山道です。道の傾斜が強くなるにしたがい、メンバーの口数も減って行きました。

さらに傾斜が増してくると、登山道にトラロープが張られていました。下りの人はとても助かることでしょう。登りでは、ひたすら頑張る場所です。足を滑らせないよう、靴底の全面を地面にしっかり押さえつける旨を指示しました。

林道から55分ほどで、北の小ピークに到着しました。小広い空間で、格好の休憩地です。行く手に鳥ノ胸山が枝越しに見えています。ヒグラシの声を優しくしたような、エゾハルゼミの声が賑やかでした。オス蝉たちの婚活ですが、私たちを歓迎する大合唱だということにしました。土曜日だというのに、人に出会いません。閑(しづか)さや岩にしみ入る蝉の声(芭蕉)。

段落見出し静かな山頂

小ピークから山頂に向かうと、ヤマツツジが咲いていました。きょう唯一の赤い花、咲き残ってくれて、ありがとう。これより先、ヤマボウシやガマズミが見られるようになりました。いずれも白い花です。暗い森で風に揺れるヤマボウシは、目には美しいのですが、うまく撮影できませんでした。青い羽のきれいなコルリがいましたが、目にしたのは先頭でペースメーカーをしていた私だけでした。

再びトラロープの急登を乗り切り、山頂に達しました。歩き始めてから2時間もかかりましたが、故障者もなく、楽しい昼食タイムになりました。山頂の展望は、南西面だけが開け、ガスに煙った御正体山が望めました。その下に道志みちが山中湖方面へと続いています。石割山の向こうに見えるはずの富士山は、全身完全に雲の中でした。

山頂にはミズナラがたくさんありました。エゾハルゼミも相変らず活動中。アサギマダラがふわりふわりと、花の乏しい山頂から超低空飛行で下りて行きました。裏丹沢とはいえ、人気(ひとけ)のない山。白いヤマボウシと、わずかに咲き残った赤いヤマツツジが、単調な色彩を辛うじて救っていました。

段落見出し雑木ノ頭へ

山頂を後に、南面のピーク、雑木ノ頭(ぞうきのかしら:1140m)に向かいます。急降下にトラロープがあることも、フタリシズカばかりが目立つことも、北面と同じでした。鳥ノ胸山から一気に120mの標高差を下って、鞍部から50mほど登り返すところでは、「エーまた登るの?」という声が出ました。でも、目で見るほどに大した登りではありません。少しでも展望があったら、もう少し元気が出たことでしょう。

雑木ノ頭は、普通の樹木以外に見るもののないピークでした。休憩すると、いつの間にか、サッカー・ワールドカップ談義になりました。登山中、俗世間の話題に花が咲くのは、たいていの場合、きょうの登山はあらかた終わったと、皆さんが思い始めたときです。でも先はまだ長く、急傾斜もあるので、気を緩めることはできません。

ところで、雑木ノ頭は三叉路です。右は道志の森キャンプ場で、私たちの予定コース。左は道志の湯となっていますが、一般の地図に示されていない近道でもあるのでしょうか。左は浦安峠、城ヶ尾峠を経て、菰釣山(こもつるしやま)に続く道でもあります。私は今回の山行で菰釣山を北から眺めてみたかったのですが、それは叶いませんでした。いつか、今倉山か道志二十六夜山を歩く日までおあずけにします。

段落見出し道志の森キャンプ場へ

下山路もほとんど展望がありませんでした。夏場で木々が生い茂っていたということもあります。でもヤマボウシの花を、斜め上から眺められる場所がありました。白く咲いた四弁花が、いくつも風に揺られて、波の上の千鳥のようです。白秋の見た海雀(うみすずめ)もこうだったでしょうか? いえいえ、もっとはるかに雄大だったことでしょう。残念ながら、動画で撮るのを忘れました。

最後にザレ場っぽい斜面を緊張しながら下って、道志の森キャンプ場に下り立ちました。テント、車、バイク、バーベキュー、子供たちの歓声、いきなり別世界に入ったようです。キャンプ場内を流れる清流(三ヶ瀬川支流)に手を浸し、冷たい水で手と腕を洗いました。女性メンバーたちも同様にして、皆さん緊張の後で、ほっとしていたことでしょう。

キャンプ場には池があり、子供たちが水遊びをしていました。近くに行って見ると、それは浅いコンクリート池で、小学生でも背が立つように造られているようです。池の向こうには、菜畑山(なばたけうら)、朝日山などの、道志の山並みが望めました。池にさざ波がなければ、逆さに映るかもしれません。ここでトイレを使わせてもらいましたが、大変にきれいでした。

段落見出し道志の湯へ

キャンプ場を通り抜けると、イノシシ3頭と犬数匹が飼われていました。イノシシの檻には、危険と書かれています。その先の三叉路では間違えて左に進んで、遠回りをしてしまいました。右に下って行くのが正解です。25000図を持って行くか、三ヶ瀬川に沿って歩き続ければ、大丈夫です。

正しい道に合流し、道の駅どうしに至るまで、雰囲気の好い小路でした。民家の庭先の鮮やかなサツキやキショウブなど、私の住んでいる地域から1ヶ月過去にタイムスリップしたような感覚です。清流を利用して鯉を飼っている家もありました。下山直後に歩く里の風景は、いつもどこか懐かしさがあり、山登りの楽しみの一つです。

道の駅どうしに着くと、雷鳴が聞こえました。お土産を買うのは中止。早々に車に乗り込み、道志の湯に行きました。道の駅から約5kmです。受付で「横浜市民ですか?」と尋ねられました。道志村と横浜市は、深い結びつきがあります。「友だちも優待を受けられますか?」と尋ねたら、「ご本人様だけです」との返事。ロッカー番号の付いた鍵を受け取って奥に入ると、お風呂も休憩室もまだ新しく、きれいでした。

段落見出し同好の友

鳥ノ胸山には、モミジやカエデの木がたくさんありました。いつか紅葉の季節に再訪し、また異なった趣を味わってみるのもよさそうです。独りではなかなか行きにくい山域なので、同好の友たちにも感謝の一日でした。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

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