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武山・砲台山・三浦富士

三浦富士から望む武山と相模湾

三浦富士から望む武山と相模湾

武山・砲台山・三浦富士は、三浦半島の先端に位置し、西に相模湾、東に東京湾を望めます。

天気次第ですが、海を隔てて、房総半島を間近に眺めることができるほか、伊豆半島、箱根連山、富士山なども遠望することができます。

千葉、東京、横浜、横須賀と連なるメガロポリスを俯瞰し、過去や未来の人々に思いを馳せることができるかも知れません。

地図 地理院地図: 武山

天気 武山の天気: 横須賀市 , 津久井浜駅


コース & タイム 鉄道駅津久井浜駅 10:46 --- 11:05 高田橋 11:05 --- 11:24 圓乗院 11:27 --- 11:34 武山ハイキングコース入口 11:34 --- 11:55 武山山頂展望台 12:13 --- 12:15 武山不動院 12:21 --- 12:36 砲台山(砲台跡) 12:40 --- 12:48 オレンジルート分岐 12:50 --- 13:10 三浦富士 13:22 --- 13:33 丘陵の展望地 13:40 --- 14:03 津久井小学校正門 14:03 --- 14:09 平和母子の像 14:09 --- 14:21 京急長沢駅鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
武山・砲台山・三浦富士 たけやま:標高 200m、ほうだいやま:標高204m、みうらふじ:標高183m 単独 2013.2.25 全3時間35分  満足度:❀❀❀  ホネオレ度:

2月の25日、三浦半島方面に所用で出かけた際、武山とその南東に続く丘陵地帯を歩いて来ました。三方向に海のよく見える位置にあり、いつか歩きたいと思い続けてきたコースです。まだ寒々とした日々が続く季節ですが、幸いあまり風の強くない日でした。のどかに春の前触れを感じながら、適度な運動もできて心身ともにリフレッシュしました。

段落見出し いざ出発、まず川へ!

京浜急行で、出発点の津久井浜駅に向かいます。京急久里浜から南には単線区間がある、とは知りませんでした。対向列車が来るので、停車駅で何度か待たされます。

津久井浜駅を出ると、左に行き、線路下をくぐって、右にカーブする道を進みました。特に道標などはないのですが、付近に1本しかない川沿いに、北上すれば武山に至れるはずなので、気軽に歩きます。いくらも歩かないうちに、市民菜園が左手にあり、その先に細い川が見えました。この川の名称(津久井川)は、あまり地図に示されていません。橋を渡ったところに横須賀津久井郵便局があり、その手前から、川沿いの遊歩道に入ります。歩けるのは左岸(上流に向かって右側)です。

コンクリートの護岸上に青い鳥がいました。腹だけ赤茶色です。帰宅後に調べたら、イソヒヨドリという名でした。このあたりは、広々とした田園風景で、キャベツ畑が多く見られます。まもなく軟らかでおいしい春キャベツが安く出回るのではないかと、期待したいところです。

段落見出し どの山が富士山?

高田橋で道路を横断して、川沿いの遊歩道をそのまま進みます。行く手に武山と砲台山が見えています。この2座は山頂に鉄塔が立っているので、見分けが容易です。富士山のような形の山を探しましたが、見当たりません。砲台山の南にあるはずですが、そのあたりの山は、日本一の富士山とは似ていません。

出発前にインターネットの画像検索で見た「三浦富士」の美しい写真は、実は愛媛県の山でした。「権現山」とも呼ぶそうです。これは、帰宅後に調べなおして分かりました。残念ながら、あはは、と笑ってお終いです。

段落見出し 武山登山口へ

津久井浜観光農園にはイチゴ栽培のハウスがたくさんあり、イチゴ狩りの親子連れが来ていました。1500円で30分間イチゴが食べ放題ですが、持ち帰りはできません。ただ食べるだけなら、青物店で1000円ほど買えば十分ですが、真っ赤なイチゴを自分の手で摘んで、そのまま口に入れられるのは格別の楽しみです。

さて、津久井浜観光農園案内図が立っているところに来ました。これを見ると、右手に延びる道が武山不動に続いているようです。左の車道よりも気分よく歩けそうなので、右に行くことにしました。しかし、10歩ほど歩いたところで、「考え直せ!」と私のカンが命じました。

もう一度案内図を見ます。左の道沿いに円乗院というお寺が示されています。確か、そのお寺の近くを通って武山に行く記事を読んだような記憶があります。そこで左の車道を進むと、圓乗院がありました。ちょっとだけ覗いて、来た道をそのまま進むと、道は左に大きくカーブした後、右にぐるっとスプーンのような急カーブを描いて、視界の広々と開けた丘の上に出ました。あたりは畑ばかりで、眺望抜群です。海越しに房総の山々が、すぐそこにあるかのように見えるほどです。見回せば、伊豆半島や箱根も見えます。富士山は雲に覆われていました。

段落見出し 武山展望台

武山はいつしか真北の方向、目前に来ていました。これ以後、迷わず真っ直ぐ山頂を目指します。少し歩いたら、津久井浜駅への分岐を示す道標がありました。その道を通ってくれば近道だったのです。圓乗院の裏の道です。

登山道は土止めの階段道がほとんどでした。15分ほど登ると平坦地になり、どこが山頂なのかなと思いつつ進んで行くと、右に三浦富士への道を分け、少しだけ登ると、もう山頂でした。そこに、昇ってくださいと言わんばかりの展望台があるので、さっそく昇ってみます。

武山展望台からの眺望はすばらしいものでした。東京湾がその入口から奥まで、首を振るだけで一望できます。向かって左奥が昔の江戸です。目を凝らすと、横浜ランドマークタワーや東京スカイツリーがすぐに判ります。正面には千葉の工業地帯が意外な近さ。その右に館山方面があって、房総半島が太平洋に落ちています。さらに右には大島、伊豆半島、箱根の山々、相模湾。すぐ手前に三崎が海に突き出ています。三浦海岸の砂浜は絵本のようにきれい。浦賀はあのあたりかな。猿島も手が届きそう!と感嘆の連続。

段落見出し 花園と、不動尊と

熟年のご夫婦が展望台に登って来られました。夜になると、自動車のライトの流れで、道路がよく分かると話していました。きょうは風がなくてよかったとも。確かに、強風が吹いていたら、さっさと展望台を降りたくなるかもしれません。きょうは日も穏かな上に、空気もきれいに澄んでいて、本当によかったと思いました。

展望台の下につつじ園があります。もちろん、この季節に花は咲いていません。代わりにスイセンが咲いていました。テーブルや椅子が何箇所かに配置されて、いい雰囲気です。ここでお茶にしました。お昼時なので、熟年の方々のグループがいくつか、お弁当を広げていました。

この後、山頂のトイレを使わせていただきました。中も外もきれいです。そしてもう一つの本命、武山不動を見学しました。武山の最高点はこちらだそうです。まず子安地蔵尊の優しい眼差しを拝み、次いで石段の横のスロープを昇ると、左手に滝不動尊と書かれた手水所がありました。気温が低いらしく、竹口から流れ出るべき水が凍っています。山頂の建物の陰には雪も残っています。鐘楼には、「祈りをこめて、軽く粛かに撞いてください」と書かれていました。このとき、もし正午丁度だったら撞いたかも知れません。

段落見出し 砲台山へ

さて、雰囲気の良い武山ですが、いつまでもゆっくりとはできないので、次の砲台山に向かいます。東南東の方向に見える鉄塔の立っている山です。武山から下って行くと、にゃあ、にゃあ、と猫の声が聞こえました。声のする方を見ると、ところどころの陽だまりに丸くなった猫がいます。人が通ると、その顔を見ながら鳴くようです。何かせがむ様子でもないので、腹がすいているのではなさそうです。

猫から10分ほど歩いたら、砲台山の頂上へ行く道が左に分岐していました。もちろん、行って見ます。山頂に着くと、大きな砲台の台座の跡がありました。蒸気機関車のターンテーブルのような円形です。ここにどんな大きさの大砲があったのでしょうか?また、実際に艦船を砲撃したことがあったのでしょうか?ウォッちずにはこの204m峰に標高以外何も記されていませんが、旧2万5千分1地形図には今ある電波塔が示されています。

山頂の南側が開け、三浦半島の先端部と、その向こうの大島や、先ほど通った武山がよく見えました。ベンチやテーブルはありませんが、ここにもお昼を食べているグループがいました。砲台山から三浦富士に行くには、先ほどの分岐まで戻ります。

段落見出し 三浦富士へ

その分岐からハイキングコースをほんの少し南へ進むと、展望台がありました。ステンレスの手すりが付き、レンガ風に仕上げた立派なもの。眺望は、砲台山の上から見たのとほぼ同じです。さらに4分ほど歩いたところに、「武山オレンジルート観光案内図」という看板が立っていました。ここから右に分岐する道を下って行くと、その先で今朝通過した津久井観光農園に至るようになっています。冬のいちご狩りから始まって、じゃがいも、メロン、落花生、さつまいも、みかん、と、年間を通じて地元の農産物を収穫でき、お金はかかるでしょうが楽しそうです。

三浦富士が近づくと、タイワンリスが目立つようになりました。茂みの中でガサガサと音がしたと思うと、枝や幹を素早く走り抜けて行きます。耳にはココココココと、キツツキの木をつつく響き。見上げると、かすり模様の小柄なキツツキが一瞬だけ見えました。たぶんコゲラでしょう。タイワンリスとコゲラは、うまく共存できるのでしょうか?

砲台山から30分ほどで、三浦富士に到着。山頂には祠と石碑がいくつも並んでいます。ベンチが一つだけありますが、思いのほか狭い山頂なので、大勢で休憩するには不適かも。ここは静寂を保つべき信仰の峰と考える方が良さそうです。歩いて来た方を振り返ると、相模湾を背景に、平野からゆったりと武山に向かって延び上がる丘陵のライン。何故かこの部分に心を惹かれました。

段落見出し 下山

三浦富士からは、南に続く尾根を長沢に降りる予定でしたが、その丘陵のラインをもっとよく見たいと思って、右手の津久井浜方面に下りました。階段の道を3分ほど下ると、目と口のはっきりした、ややリアルな石仏が黄色い帽子とスカーフをまとって合掌していました。さらに少し下ると、警察犬の訓練所があり、道が二手に分かれています。ここを右に進むと、すぐに視界が大きく開けました。砲台山と武山から続く丘陵が、左に斜線を描いて平野に落ち、海と畑地と里山がそれを取り囲んでいます。

このあたりにミカン畑が多いことにも気づきました。あの心惹かれるラインは、「みかんの花咲く丘」のラインだったのです。ここに私はしばらく佇んで、この初めて見るけれども懐かしい風景を見つめていました。

段落見出し 京急長沢駅へ

さて、風景に満足したので、警察犬訓練所まで戻り、長沢駅方面に進みました。津久井小学校の生徒(六年生)たちが自然を観察して描いたポスターが所どころに見られます。マムシグサの記事とか、「トイレなどがある場所」という表記とか、ほほえましいポスターです。この生徒たちの小学校は、海にも山にも恵まれた、理想的な場所にある学校ですね。登山路を下り切ったところに立つ浅間神社の鳥居から、その津久井小学校をぐるっと半周して、京急長沢駅に向かいます。

途中、長沢殿前公園(とのまえこうえん)という、名前のちょっと気になる公園の前を過ぎ、京急長沢駅にゴールインしました。昼下がりのせいか、駅前は人通りも少なく、カワラバトの方がたくさんいたようです。ホームに立つとすぐに快特電車がやって来ました。ガラガラに空いています。前向き座席ばかりの車両にゆったりと座り、私は心も足もほどよく満足しています。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

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