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周助山から竹寺

奥多摩の眺望

46号鉄塔下より望む奥多摩の峰々(クリックで拡大)

前半、周助山入口から嶺(仁田山)まで、展望がほとんどありません。

後半、47号鉄塔下から42号鉄塔下まで、次々と好展望地を通過します。

バス停 国際興業バス: 東飯能駅 → 原市場中学校 登山口
バス停 国際興業バス: 東飯能駅 ← 小殿(こどの) 登山口

地図 地理院地図: 竹寺 , ヤマレコ

天気 竹寺の天気: 飯能市南


コース & タイム 鉄道駅 東飯能駅 バス停 6:58 == 7:21 原市場中学校 --- 牧水歌碑(登山開始)7:28 --- 7:35 周助山入口 7:35 --- 8:04 周助山 8:11 --- 8:33 登戸(ノボット)8:38 --- 8:53 藤根 8:57 --- 9:11 林道出合 9:18 --- 9:57 嶺(仁田山)10:20 --- 10:37 奥秩父線46号鉄塔 10:48 --- 10:57 滝ノ入山 10:58 --- 11:04 奥秩父線44号鉄塔 11:10 --- 11:14 八幡坂峠 11:20 --- 11:30 八幡坂ノ頭 11:30 --- 11:36 竹寺鐘楼への近道分岐 11:37 --- 11:44 竹寺の本殿 11:51 --- 11:53 竹寺 12:37 --- 12:39 竹寺の本殿 12:45 --- 12:53 竹寺の鐘楼 12:57 --- 13:16 奥秩父線42号鉄塔 13:23 --- 13:36 竹寺入口(県道53号)13:36 --- 13:39 小殿バス停 バス停 13:46? == 14:30 東飯能駅 鉄道駅
※歩行時間は道草と写真撮影の時間を含みます。
みね:標高 548m 単独 2025.3.21 全 6時間11分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

2025年3月21日(金)、奥武蔵の竹寺を訪ねました。原市場の「周助山入口」から山道を歩いて行くプランです。歩いてみると、その道は整備された「奥武蔵ロングトレイル」の一部で、とても分りやすい道。危険個所もありません。それどころか、すばらしい展望地が6か所もありました。そのたびに立ち止まって、まだ雪が少し残る美しい峰々を一望。登山路自体にも春の「名残り雪」が見られ、足取り軽く低山歩きを楽しんできました。

段落見出し牧水の歌碑から歩く

4時10分、携帯のアラームで起床! 猛烈に眠くて、きょうの山行をやめたくなりました。学生時代から今日まで、単独行の場合にはよくあることです。電車内でも爆睡。目を覚ますと、電車が東飯能駅にすべり込むところでした。駅を出て、西口のバス乗り場に並びます。バスは時刻表通りに来ました。まだ多少眠いけど、起動し始めた体で乗り込みます。車内は空いていました。

バスが発車すると、脳がどんどん覚醒していきました。5分も経たずに「よーし」と意欲満々に。これもよくあることです。分かっているので、起床時の怠惰モードに負けません。乗る予定のバスに乗ったので、バスの旅を楽しみます。原市場中学校の手前で「若山牧水歌碑入口」の文字が見えました。バスを降り、行ってみると、歌碑の少し奥にこぢんまりとした公衆トイレがありました。付近にはきれいな白梅が満開。行く手の周助山あたりは花粉で色づいていました。

牧水歌碑の前でヤマレコを起動し、「登山を開始」しました。周助山入口に向かいます。前方から、犬を連れて散歩する男性がやって来ました。「お早うございます!」 するとまた犬を連れた男性が来ました。「お早うございます!」 とても気分のいい朝です。こうしている間に、周助山入口を見逃し、行き過ぎてしまいました。戻って「周助山」を指す道標を確認します。ここからが本番。

段落見出し前半は展望なし

道は、民家の裏をすれすれに通り抜けて、コンクリートの墓参道に入ります。道標に導かれ、迷うところはありません。やや急勾配の山道に入ってマスクを外し、ヒョイ、ヒョイ、ヨッコラショと登っていくと、ほどなく周助山(383m)山頂でした。展望は利きません。新し目の標柱は「奥武蔵ロングトレイル」のために設置されたものでしょう。他に、根本の朽ちた古い標柱と、枯れ木に括り付けられた私製の札とがありました。山名の由来を示すものはありません。

次の峰、ノボットを目指していくと、次第に残り雪が見られるようになりました。一昨日の降雪によるものです。ちょっと嬉しくて、雪に手を触れたり、踏んで歩いたりしていたら、早くもノボット(436m)に着きました。展望はありません。ノボットは漢字で書くと、川崎市の登戸(のぼりと)と同じです。地理院地図では「ノポット」とカタカナ表記。山麓から眺めると、背の高い山(ノッポ)でしょうか?

次の目標地は根藤です。少し下ると緩やかな尾根道となり、樹間から差し込む太陽光で、いい雰囲気になっていました。柔らかな腐葉土が、足裏を優しく受け止めてくれます。歩調はすこぶる軽快。他方、斜面の針葉樹林は、幹が超スリムで背ばかり高く、いわゆる「線香林」のようになっていました。難なく、根藤に到着。ここも展望はありません。山頂標もなく、赤テープに「根藤404M」と書いてあるだけ。侘しい雰囲気の中、ヤブツバキが一輪だけ咲いていました。

段落見出し変化は「嶺」から

根藤の先に進むと、明るい広場のような空間に出ました。モミジイチゴかニガイチゴか、小さなトゲがチクチクと衣服に引っかかります。「キイチゴの広場」と勝手に命名しました。正面に烏帽子と思われる峰が見えます。キイチゴの広場を過ぎると、林道が見えてきました。舗装されています。山道が林道に合流する地点でロープを跨いで林道入ると、「トレイル」から少し逸れました。でも登るべき尾根は明瞭です。その取りつき点にトレイルの標識がありました。

烏帽子(501m)はうっかり通過してしまいました。その先の無名の峰(540m台)は東電の黄色標柱を見ながら通過。すると、道が二手に分かれていました。右は小高いピークへ、左はその巻き道です。右の道を登ると、頂上の立ち木に「嶺 548m」と書かれた札が、ねじ釘で固定されていました。(痛!) でもきょう初めて、狭い樹間にですが、遠方の峰々を覗けます。カメラのズームを最大に利かせ、大持山・小持山、蕎麦粒山などを撮りました。

「嶺」の肩に、送電鉄塔(奥秩父線47号)が立っています。尾根上の鉄塔だけに、絶好の展望地です。南面が大きく開けていますが、あいにくの春霞。西武ドーム以外のランドマークは判別できませんでした。でも気持ちのいい場所です。鉄塔の台座の一つに腰を下ろし、軽食とお茶にしました。実はこの後も好展望地が続々と控えているのですが、この時は知りませんでした。腰を上げ、きょうの行程の後半に入ります。

段落見出し展望地オンパレード

送電線下の空間は、保安上の必要から樹木を伐採し、しばしば好展望地になります。きょうは47号、46号、44号、42号鉄塔下で、奥多摩北部や秩父方面に、目を奪うパノラマがありました。好展望地としては、八幡坂峠と竹寺鐘楼も加えられます。(もちろん、天候次第ですが)加えてきょうは、足元にもきれいな雪がほどほどに残っていました。特に滝ノ入山(560m)北西尾根は、新雪のように真っ白。ツボ足で、足首の上まで雪に潜りながら、短くも楽しいひと時を得ました。

最も胸を躍らせたのは、44号鉄塔下での眺望でした。鉄塔の手前からすでに感動の予感があり、近づくほどに心が高揚していきました。そして鉄塔に至ると、武甲山を中央に置き、大持山から武川岳へと、躍動の山並みが展開。妻坂峠の美しい弛みは、武甲山を良く見せるためでしょうか。何か音楽が聞こえてきそうです。縦方向にも視角が広がり、谷間を流れる名栗川(入間川上流部)に沿う集落と県道、幾つもの尾根を横断して行列をなす鉄塔などを俯瞰できました。

44号鉄塔からは、ゆっくりと下りながら、何度も名栗方面を眺めました。八幡坂峠(530m台)で、再び奥多摩方面と救世大観音を望みます。そして八幡坂ノ頭(580m台)を越えると、関東ふれあいの道との交差点に来ました。正面の小峰の左を巻けば鐘楼ですが、右折して先に竹寺に行くことにします。これより標高差にして60m余り、なだらかな下り道です。

段落見出し竹寺で「平和の鐘」を鳴らす

竹寺本殿に到着。神仏習合の寺で、本尊は牛頭天王、本地仏は薬師如来だそうです。手水場で手を洗い、本殿を見学しました。次に石段を下り、10基並ぶ竹の鳥居を通過。ひっそりとした境内を一巡して昼食。そして平和を願って「平和の鐘」の紐をそっと引きました。すると「思いっ切り引いて!」の声。そこで力を込めて引くと、びっくり、大音響で鳴りました。最後は「竹林順路」です。その竹林では、光と竹の織り成すショーの真っ最中。疲れた目をしばし潤しました。

帰路、鐘楼のある峰(581m)に登りました。見たところ、普通の鐘楼のようです。関東平野方面と名栗方面が開けていますが、きっとこの鐘の音が四方八方へ、そして遠くまで聞こえるように、この場所を選んだのでしょう。どこか遠く離れた場所で、この鐘の音を聞いてみたいと思いました。ここもまた素晴らしい展望地なので、車で竹寺に来られた方も、ちょと頑張って鐘楼にまで登って見られることをお奨めします。

段落見出し下山、家路に

鐘楼から小殿バス停に下ります。はじめ山道に少量ながら雪が残っていました。スリップしないよう、慎重に足を運びます。でも少し下ると雪はなくなりました。途中の鉄塔42号は、きょう最後の展望地。山々、家々、川や橋など、箱庭のように望めます。快晴でぽかぽか陽気。あたりはすっかり春めいた空気が満ちています。ルリタテハが猛スピードで飛びながら、縄張り争いをしていました。ここで何と、デジカメがシャリバテ。これ以降はスマホで撮影しました。

順調に下り切って、小殿バス停に到着。バスの時刻表は調べてありませんでしたが、7分待ちで乗れました。先客はたった一人。好きな席に座り、再びバスの旅を楽しみます。郊外から飯能市街地に近づくほど、乗客が増えていきました。東飯能駅からは八高線。幸い座れたので、眠気に身を任せました。八王子からは横浜線でうたた寝の続き。こうしてきょうもまた、無事に帰宅できました。感謝です。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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