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高取山・南山

高取山のシモバシラ

高取山より望む、丹沢主脈と宮ヶ瀬湖

ここでいう高取山は、半原高取山です。山頂北面にシモバシラの群生地があります。

バス停 神奈中バス: 本厚木駅 → 野外センター前 登山口
船 宮ヶ瀬湖遊覧船:宮ヶ瀬 ← 鳥居原 登山口
バス停 神奈中バス: 本厚木駅 ← 宮ヶ瀬

地図 地理院地図: 半原高取山 , 南山

天気 半原高取山の天気: 愛川町 , あいかわ公園

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コース & タイム 鉄道駅 本厚木駅 バス停 7:05 == 7:43 野外センター前 7:43 ---(愛川ふれあいの村散策)--- 8:21 高取山登山口 8:21 --- 8:45 林道との交差点 8:48 --- 9:18 高取山0.3km道標 9:19 ---(氷華発生地で撮影三昧)--- 9:52 高取山 10:13 --- 10:42 送電線下の展望地 10:44 --- 11:08 ダムを見下ろす休憩所 11:09 --- 11:22 宮ヶ瀬ダムサイト 11:57 --- 12:00 南山遊歩道入口 12:00 --- 12:22 東屋 12:33 --- 12:38 展望地 12:40 --- 12:56 南山 13:03 --- 13:27 権現平 13:55 --- 14:11 鉄塔383号 14:15 --- 14:59 鳥居原 15:33 ~(遊覧船)~ 15:43 宮ヶ瀬桟橋15:45 --- 15:49 宮ヶ瀬 バス停 15:50 == 16:45 本厚木駅 鉄道駅
※歩行時間には写真撮影と道草の時間が含まれています。
高取山 たかとりやま:標高 705m 単独  2018.12.15 全 7時間16分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

12月15日(土)、今季東丹沢ヒル休み山行第2弾は、シモバシラの氷華を訪ねて高取山へ。氷華が融けないうちにと、愛川ふれあいの村より、最短距離で氷華の発生地に直行しました。ねらいは当たり、ざっと見て数百~数千の氷華が花盛り。足の踏み場に困るほどでした。一方、冬の到来と共に去り行く紅葉は、お日様マジックで、最後の輝きを演出。下山後は車道歩きを嫌って、鳥居原から遊覧船に乗りました。でも最後、ちょっと大変なことに...

段落見出し 愛川ふれあいの村から、氷華の花園へ

昨年12月22日に、同じ高取山にシモバシラを見に来ましたが、日にちも時刻も少し遅すぎたように思いました。そこで今年は1週間早めた上に、朝イチのバスに乗り、まっしぐらに氷華の発生地を目指す計画です。ルートは愛川ふれあいの村のど真ん中を貫くので、最寄バス停は「野外センター前」。私が半原高取山を目指すのは4回目ですが、このルートは今回が初。この山の北面に氷華の大量発生地があることは、昨年シモバシラの氷華を探索に来て、初めて知りました。

さて、バス停からバスの進行方向に歩き、初めに出合う道を左折します。すると、行く手に仏果山や高取山の前衛の峰々が望めました。心が高揚してきます。突き当りの運動場を左から回り込んで行くと、右手に背の高いメタセコイアの並木が見えました。迷わずその鮮やかな、樺色の並木道に直行! ところが、この並木道で大道草を食ってしまいました。快晴の青空に向かって、すらりと立ち並ぶメタセコイア。折しも今、朝日の魔法が掛かり、美しく燃えていたのです。

シモバシラのことを忘れかけていました。「村」の奥へと進みます。小鳥や花などの名のついた建物を左右に見ながら、野外炊事場の奥のバーベキュー場まで行くと、その先に山道がありました。標識らしいものは見当たりません。様子を見ながら登って行くと、「高取山・仏果山・ダムサイト」を指す道標がありました。これでもう大丈夫。その先に擬木の階段道が延々と続いています。林道を横断し、広葉樹林と針葉樹林を順次通り抜け、すんなりと目的地に到着しました。

段落見出し 無数の氷華、花盛り!

氷華はたくさんありました。最初の1個こそ「あった、あった!」と喜びましたが、視線を移せば続々と見つかります。それどころか、あたり一面が氷華だらけの場所もあって、もうびっくり、足の踏み場もないほど。その数、何百あるいは何千でしょうか。地上部は茎も葉も枯れていて、これがシモバシラなのか、他の植物なのか、私にはよく判りません。一度、夏の姿を見ておきたいと思います。そして皆様、どうか、この冬の花園を大切にして行きましょう!

氷華三昧に一区切りつけ、高取山頂の展望台に上りました。毎度のことながら、360度の美しいパノラマに感動します。丹沢主脈の数ある峰々を一気に望むのなら、高取山は文句なし、隣の仏果山と並んでイチ推しの展望台です。大空と湖水が青くなる、空気の澄んだ良き日に、良い人と足を運んでみてください。登頂時刻も考える価値があります。どの山についても言えることですが、太陽の位置によって、山々の陰影が変化し、立体感に大きく影響するからです。

展望を満喫したところで、ダムサイトに下ります。この区間の最大の楽しみは、送電線の下の展望地。単に展望に優れるだけではありません。宮ヶ瀬湖を越えて走る送電線を見渡すと、体が吸い込まれて行きそうです。この動的な遠近感! リフトでもいい、猫バスでもいい、せめて心だけでも乗って、向うの尾根へと滑って行きたい。そんな風に想像力をかき立てる送電線です。展望を思い切り楽しんだら、氷華を探しましょう。この付近には、長い氷華がたくさんありました。

段落見出し 宮ヶ瀬ダムサイトから、南山遊歩道へ

いつしか雲が広がり、太陽光が遮られてしまいました。高取山の北尾根にも紅葉が残っていましたが、すでにほとんどの葉が色褪せて、強い光を浴びないと輝きません。でも雲の小窓から日が差す瞬間、生命の色彩が復活します。♪手のひらを太陽に♪の歌は、人の手のひらではなく、モミジの葉にこそよく当てはまるでしょう。本当に自分の「真っ赤な血潮」を見たい方は、暗い部屋で「手のひらを懐中電灯の光に」かざしてください。ボクは生きている!と思えるはずです。

最後の急階段を降って湖畔に立つと、ダムの堤頂に行きました。ここは観光と学習教材の名所。直下の中津川に視線を落とし、大きなS字を描く下流域を目で辿ります。沿岸の紅葉は盛りを過ぎていたのですが、太陽光を浴びて、美しい「裾模様」となっていました。他方、宮ヶ瀬湖の奥には、丹沢最高峰の蛭ヶ岳を望めます。そのようにダムを設計したのでしょうか? いえ、この配置は素晴らしい偶然の賜物でしょう。湖の北岸には、これから歩く南山や権現平を望めます。

南山遊歩道には、あいかわ公園口より取り付きます。この時、ちょうど正午になりました。短い階段を登るとすぐに山道になりますが、「遊歩道」というだけあって、とてもよく整備された、歩きやすい道です。道の各分岐点には、道標がしっかりと立っているので、道迷いの心配もありません。しかもこの遊歩道には、すばらしい展望地が5ヶ所もあります。(1) 宮ヶ瀬線3号鉄塔付近、(2) 477m峰、(3) 南山、(4) 権現平展望台、(5) 佐久間東幹線383号下です。

段落見出し 鳥居原から、遊覧船で宮ヶ瀬へ

5ヶ所すべてで、丹沢と宮ヶ瀬湖の美を堪能し、鳥居原園地にゴールインしました。残念なことに、バイクの爆音がひっきりなしに響き渡っています。私は少年時代にUコンをやっていたので、バイクを変造してまで爆音を立てて走りたい気持ちも、少しは分かります。でもそれは一般道路ではなく、専用のサーキットで楽しんでいただきたいと思います。私は早々に「岬の展望台」へと逃げました。きょうは車道歩きを避けるため、遊覧船の時刻表を調べてあります。

遊覧船は、15時30分発です。15時25分頃には船が来るだろうと思ったのですが、なかなか現れず、心配になりました。船が遅れると、宮ヶ瀬15時50分発のバスに間に合わなくなるかもしれないからです。気を揉んでいると、15時29分、微妙な時刻に遊覧船が現れました。船のスピーカーで、私が乗るのか尋ねられたので、大声で「はい」と答えると、「それでは接岸します」と返事が来ました。接岸 ⇒ 乗組員が階段を昇る ⇒ 鍵でゲートを開く ⇒ 私が階段を駆け下りて桟橋から乗船 ⇒ 乗組員がゲートをロックして船まで駆け下りる ...

船は15時33分に出港しました。とりあえず、乗れて痛快です。景色のよく見える後部デッキに座ったのですが、水上から眺める山々も味わいがあります。宮ヶ瀬への所要時間は10分。上陸すると、切符売り場へと急ぎ、船賃360円(400円の1割引き)を支払いました。この時、15時45分。バス停へと猛ダッシュします。広場の長い石段を駆け上り、息を切らせつつイルミネーションの会場を走り抜け、バス停に到着。15時49分。間に合いました。涼しい顔をして乗車します。

段落見出し 夢路の家路

終わり良ければ総て良し。いい気分です。バス座席で気持ちよく眠り、気が付いたら本厚木駅でした。駅前のイルミネーションがすでに点灯しています。この青は、きれいな青だなあ、と思いました。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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