高尾山は、日本で最もよく歩かれ、研究された山の代表格です。都心からそう遠くなく、豊かな動植物に出会うことができます。それだけに、ランなどの盗掘に悩まされるのはとても残念なこと。本当に山と花を愛する人なら、山の花は山に置いておきましょう。
地理院地図: 高尾山
高尾山の天気: 東京都八王子市 , 高尾山
6月13日(金)、台風通過後の晴れ間を狙って、高尾山に行って来ました。目的は、花を探すことだけです。ゆっくり、ゆっくり、花を訪ねて、いくつもの小路に足を運びました。残念ながら、見頃といえるような花はほとんど見つからず、花探しの難しさを痛感するばかり。その代わりという訳でもありませんが、三種類のイチゴをたくさん食べて来ました。
朝からすばらしい晴天になりました。高尾山だから、どうせ大した時間はかからないだろうと、のんびり出かけ、高尾山口駅に到着したのが午前10時。すぐに清滝駅に向かいます。思ったほどに人出はありませんでしたが、教師に引率された小学生のグループが来ていました。
ケーブル駅構内を覗くと、セッコクはほとんど終わっていました。10日くらい前が、見頃だったのではと思います。幸先はあまり良くなさそうですが、われらが高尾山、宝探しはこれからです。勢いのある水の流れ。ひんやりとした空気。響き渡るホトトギスの声。都会の疲れがどんどん癒されて行きそうです。
6号路の入口では、小学生たちが一旦立ち止まって、4人ずつの小グループを作って順次出発しているところでした。どうやらこの子たちと同時に登ることになりそうです。私は鵜の目鷹の目で花を探しながらゆっくりと歩くので、勢いのいい子供たちに次々と追い抜かれて行きました。そのたびに「こんにちは!」「こんにちは!」の波状攻撃。私も高尾山でこんなに「こんにちは!」を言ったのは初めてです。
ある小グループが私を追い抜いたときのこと。「ねえ、ダジャレを思いついた!」「なに、なに?」「オッサンが登るタカオッサン」「それ、い〜い。」前後にオッサンはだれもいませんでした。
琵琶滝の先、右手の谷間に聳える杉の巨樹のいくつかには、セッコクがみられました。こちらも花は終盤で、寂しそうでした。大型の望遠レンズを持った人たちも、「ないねえ」とあきらめ顔。天の下のすべてのものに時があるのはしかたがありません。でも他の花とは、今ならではの出会いがあるかも知れないと、希望的観測で宝探しを続けました。
登山道をヘビがにょろにょろと這っていました。マムシではありませんでしたが、何ヘビだろうかと、しばらく眺めていました。すると後から来た男性が、「何かいいものがありますか?」と声を掛けてきました。「ヘビです。」「この前見たのは、すごく大きかったですよ。」この方は高尾山によく来られるようでした。10日前に来た時は、花がたくさん見られたそうです。「ここのところの大雨で、一変しました。」とも。そして「今は花の端境期ですね。」と言ってくれました!
こうして6号路を登り切るのに、2時間以上を費やしました。その後、5号路を時計回りに半周歩いて、もみじ台手前より南面の明るい道へ入りました。そして富士見台園地 → 奥高尾縦走路 → 大垂水峠分岐 → ミツバツツジ群生地を経て、一丁平北面に向かいました。途中のわき道では、ニガイチゴとモミジイチゴとクサイチゴを摘まんでエネルギーを補充。一丁平展望台で重厚感のある丹沢山塊を眺め、ベンチで昼食にしました。次回は、摘んだイチゴをコップに入れて行き、お昼のデザートにしたらいいかもしれません。
昼食を終えると、早くも午後1時半でした。まだまだ探索したい道がたくさんあります。詳細は省略して歩いたルートだけ記すと、一丁平から学習の歩道に下り、奥高尾縦走路に戻って、シモバシラの群生地 → 5号路の残り半周 → 3号路 → 2号路の一部を経て、いよいよ暗くなった山道を琵琶滝方面へと下りました。最後は東京高尾病院の裏手からケーブル清滝駅を経て、高尾山口駅に午後6時ちょうどに到着。もはや、ハイカーの姿はほとんど見られませんでした。
高尾山はあまり大きな山ではありませんが、とても豊かな、不思議な山です。この山がこんな身近にあるということは、私たちにとって大きな幸いだと、つくづく思わざるを得ません。また近々訪れたいと思います。いつまでも健康な山でいてくれますように。
帰宅後、高尾山の花情報を調べたら、ヤマケイ オンラインの「高尾ビジターセンタ の山岳情報」(2014年6月11日)に、こう書かれていました。
6号路のセッコクも終わり近く、お花は端境期です。登山道に支障はありませんが雨で足元注意です。
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