高水三山の中では、岩茸石山が最も眺望が開けています。
地理院地図: 高水山
高水三山の天気: 東京都青梅市 , 軍畑駅
レポ: 残雪の高水三山 , 岩茸石山
5月2日、ゴールデンウィーク登山は、大月市の高川山と奥多摩の高水山の二案を計画。当日の朝まで考え、人出の比較的に少なさそうな高水山に決めました。それでも長津田から乗った電車はすでに満員。登山口の軍畑(いくさばた)駅までずっと立ちっぱなしでした。でも車窓から見る奥多摩の新緑のまぶしさ。この電車を祝福しているようで、うれしくなります。
私たち二人を含め、軍畑駅で降りた登山客はわずかでした。駅前から、さっそく初夏の里山歩きを楽しみます。シャクヤク、タケノコ、オダマキ、ツツジなど、人の手の加わった草木も、まばゆい季節の色を放っています。急斜面を覆う石垣の上に、古い藁葺きの民家が一軒。何かこだわりを持つように立っています。高源寺という、高水山と関係ありそうな名を持つ寺で、一休みしました。
車道の終点近く、立派な風情の民家の前を過ぎると、いよいよ登山道です。丸木橋を渡り、針葉樹の林に入ります。頬を撫でる爽やかな風、足の裏に伝わるでこぼこ。うれしい山の歓迎です。伸び伸びと立ち上がったゼンマイ。春の色あいと夏の気配とを感じます。
高水山不動尊の本堂は、かなり古びた白木造りです。その背後に回ると、天まで聳えるような杉の木立が本堂を守っています。太い幹に触れながら天を見上げると、何か話しかけてきそうにも感じます。娘を撮った写真に、何か白い円いものが写りました。
不動尊のすぐ先が高水山の山頂です。近くにベンチもありますが、岩茸石山も遠くないので、通過しました。
岩茸石山の頂上は明るく開けていました。山頂の杭の穴を覗くと、棒ノ折山に照準が当たっています。気持ちのいい山頂なので、ここでお弁当をいただくことにしました。まだ生まれたてのような、美しいキアゲハがいます。この山頂が好きなのでしょう。
惣岳山も遠くありませんでした。山頂には神社がありますが、静か過ぎてどこか寂しげです。青年のような高水山、壮年のような岩茸石山、老人のような惣岳山。この日歩いた高水三山は、人の一生を象徴的に縦走するコースだったのかも知れません。
下山路は、神社の参道なので歩きやすい道です。やがて下の方から線路を走る電車の音が聞こえてきました。体力を十分に残して、御岳(みたけ)駅に下り立ちます。駅舎入口のしめ縄の奥に「御嶽驛」と書かれた看板は、「おんたけえき」と読みたい気もしました。
初夏の日は長く、奥多摩駅まで足を延ばして「もえぎの湯」に行っても、時間のおつりが来そうです。
奥多摩駅から10分ほど歩いて、もえぎの湯に到着。男湯の方は時間待ちがありましたが、呼ばれるまで足湯で待つことができます。もえぎの湯のウェブサイトから印刷したクーポンを見せて、入浴料の割引を受けました(2名以上の利用で、1名につき100円引)。後は、多摩川を見下ろす露天風呂で心身を存分にほぐすだけです。
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