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釈迦ヶ岳

釈迦ヶ岳より奥秩父山地を望む

釈迦ヶ岳より奥秩父山地を望む

釈迦ヶ岳と名のつく山は全国各地にあります。これは、山梨県笛吹市の御坂山地にある釈迦ヶ岳の登山記です。

釈迦ヶ岳は端正な姿が遠方からもよく目立ち、山頂に立てば360度の展望に優れています。南面の絶壁、ブナ、ミズナラ、カラマツなどの自然林、緩急の変化のある登山道など、いくつもの魅力がコンパクトに凝集されています。

駐車場 東名御殿場IC → 若彦トンネル → すずらん群生地 登山口

地図 地理院地図: 釈迦ヶ岳

天気 釈迦ヶ岳の天気: 笛吹市 , 富士河口湖町 , 河口湖駅


コース & タイム 駐車場 すずらん群生地駐車場 8:53 --- 9:13 稜線 9:20 --- 9:39 府駒山 9:40 --- 10:31 釈迦ヶ岳 11:49 --- 12:26 府駒山 12:26 --- 12:51 どんべえ峠 12:53 --- 13:19 すずらん群生地駐車場 駐車場
※歩行時間には小休止の時間が含まれています。
釈迦ヶ岳 しゃかがたけ:標高 1641m、グループ 2014.10.7 全 4時間26分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:

10月7日、大型の台風18号が通過した翌日、友人2名とともに、御坂山地の釈迦ヶ岳に行って来ました。晴天には恵まれましたが、残念ながら富士山は分厚い雲に身を隠し、一瞬もその姿を見せることはありませんでした。

段落見出し すずらん群生地より登る

河口湖畔から長い若彦トンネルを抜け、笛吹市に入ったのですが、どんべえ峠に通じる道が分りませんでした。付近に分かりやすい案内標識がなく、カーナビも当てにならなかったので、若彦トンネルを出てすぐ右の細い道に入ったのですが、やがて間違いだと気づきました。途中の観覧橋から正しい道に入れたからよかったのですが、地理院の2万5千図を持って行けば、道を間違えることはありませんでした。正しい道は、すずらんの里入口バス停から一旦北西に上り、次の三叉路で右折します。

すずらん群生地の広い駐車場に車を置き、新道峠の方向に林道を少し進むとすぐに左手に道標が立っていました。「釈迦ヶ岳70分」と書かれています。ブナやミズナラの瑞々しい登山道は、台風の雨が降ったのでしょうか、木々も地面もほどよく湿り、ほんのりキノコの香りが漂っていました。緑のイガグリも地面に散らばっています。割ってみると、とても小さな栗の実がはいっていました。

駐車場から20分ほどで、稜線に立ちました。少々あっけない感じもしますが、釈迦ヶ岳はコンパクトに魅力が凝集された山。ゆっくり味わって登らないと、もったいないような気がします。実際、稜線の尾根道は一目見ただけでとても気持ちよさそうでした。

段落見出し 錦絵はこれから

稜線は、空から十分な光が降り注ぎ、落葉の道に樹木の影がくっきりと描かれていました。カラマツがあったり、ツツジやカエデがあったり、ミズナラがあったりと、葉の色もいろいろ。あと半月もすれば、黄、赤、緑が青空に映えて、錦絵のようになるのでしょうか。足の筋肉をほぐしてくれる、程よいアップダウンをいくつか過ぎて、府駒山に着きました。展望はありませんが、安らげる山頂です。ポトリとヤマボウシの実が落ちてきました。見ると、ハナミズキに似た木の下に、その紅い実がたくさんありました。

おもむろに釈迦ヶ岳に向かいます。相変らず小さなアップダウンがあります。下る部分では、行く手の釈迦ヶ岳が枝越しに見えるようになりました。その美しい稜線美を直接眺められるといいのですが、なかなかそんな場所がありません。府駒山から25分ほど行ったところで、北面が開け、甲府盆地の向こうに奥秩父の山並みを望めました。甲武信ヶ岳はほぼ真北です。国師ヶ岳や金峰山には雲が掛かっていました。

釈迦ヶ岳まであと10分程度にまで近づいたところで、ようやく釈迦ヶ岳の半身をきれいに望むことができました。欲を言えば、もっと離れた位置から全身を眺めたいところです。それは別の山からのお楽しみにしておきましょう。その後、ロープのついた短い急登が2箇所あって、釈迦ヶ岳山頂に到着しました。石の夫婦地蔵が迎えてくれます。360度の展望は申し分ありません。ただ富士山は、分厚い雲を被って隠れていました。

段落見出し 山頂の長い休憩

山頂の南面は、深く切れ落ちています。樹木があるので、荒船山のような恐怖感はありませんが、足を滑らせればそれこそオシャカになりかねません。三体ある石仏の目の届く範囲にいる限りは安全です。私たちは、仏様に見守られながらゆっくりと昼食を取りました。太陽もゆっくり右に動きます。東の黒岳に秋の色がわずかに浮かび上がりました。三ツ峠から北に続く山並みは、お坊山までが見えて、その先は雲の中。八ヶ岳は赤岳の頭だけが雲の上。その手前の茅ヶ岳はほぼ丸見え。南アルプスは稜線を同定できませんでした。

山頂には1時間以上もいましたが、富士山の雲が動く気配はありませんでした。私たちよりも先に山頂に来ていた単独男性は、9時半から見ていたけれども、富士山は全く見えなかったそうです。その方は私たちが山頂を辞した後も、双眼鏡を使って何かを見ていました。大気の澄んだ冬場なら、きっと素晴しい富士山や南アルプスが見られることでしょう。次は富士が冠雪している季節に来たいと思いながら、私たちは来た道を戻りました。

段落見出し 下山

下りは、どんべえ峠まで行って見ました。完全なピストンは、あまり好まないのです。すずらん群生地への道を右に分け、少し進むと南面の展望が開けていました。黒岳が堂々とした姿です。どんべえ峠のゲートは大きな南京錠でロックされていました。ここは黒岳の登山口の一つにもなっています。峠から西の山中に踏み跡がありましたが、安全のため林道を歩きました。西に奥ゆかしい姿で釈迦ヶ岳が見え隠れします。空には暗い雲が広がり始めていました。

林道を25分ほど歩いて駐車場に戻ると、相変らず私たちの車だけがありました。河口湖畔に下って、和風の佇まいの「天水」に行き、ガラガラに空いた露天風呂で思い切り体を伸ばして、家路に就きました。

木の葉ライン

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