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三浦アルプス

三浦アルプス、乳頭山より東京湾を望む

乳頭山より東京湾を望む

三浦半島の中央に位置する低山の連なりは、三浦アルプスと呼ばれています。相模湾越しに富士山を眺め、東京湾越しに房総の山々を望める、爽快なハイキングルートがいくつも開かれています。

三浦アルプスは交通アクセスが便利であるのに、驚くほど豊かな自然が残されています。道標が少ないので、読図力も求められます。

地図 地理院地図: 乳頭山

天気 三浦アルプスの天気: 逗子市 , 葉山町 , 横須賀市


コース & タイム 鉄道駅新逗子駅 8:05 --- 9:00 森戸林道起点 9:00 --- 10:05 森戸林道終点 10:15 --- 10:34 南尾根出合 10:34 --- 11:48 送電鉄塔34号 12:20 --- 12:46 乳頭山 12:58 --- 13:43 畠山への分岐 13:43 --- 14:21 塚山公園 14:53 --- 15:11安針塚駅鉄道駅
※歩行時間には小休止と写真撮影の時間が含まれています。
三浦アルプス: 乳頭山 にゅうとうさん:標高 200m(?) グループ 2013年4月13日 全7時間6分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

段落見出し道標の乏しいコース

4月13日、三浦アルプスを歩いて来ました。小学二年生を含む10人のパーティです。新緑のみずみずしい森戸川源流、起伏の多い南尾根、東京湾を望める乳頭山、三浦按針夫妻の墓のある塚山公園と、バラエティに富んだコース楽しめました。

午前8時、参加者たちが新逗子駅南口に集合。同5分、徒歩で出発しました。長柄(ながえ)交差点バス停まで交通量の多い道路を歩くので心配したのですが、歩道がしっかりと整備されていて、長い桜山トンネルも安心して歩くことができました。歩道の照明はLEDです。トンネルの中ほどに、逗子市と葉山町の境界が示されています。

葉山町長柄の御霊神社の参道脇に、砲弾の形をした「忠烈碑」がありました。各地にある忠魂碑のようなものかと思います。銘板や碑文が取外されているので、由緒は分かりません。その先で、川久保橋を渡り、川久保交差点を直進し、道なりに左折。右前方に阿部倉山を見ながら、T字路で右折して南に向かいます。道標はありませんが、林道に続きそうな道は他にないので、間違えることはないでしょう。

段落見出しみずみずしい森戸林道

大山橋で森戸川左岸に渡り、次の黄金橋で右岸に渡ります。そのすぐ先に道幅いっぱいのゲートがありますが、歩行者は身をよじるようにして通過できるようになっています。自転車は通れません。ここから先は、「歩行者天国」です。

森戸川は所どころに淵があり、透明な水を湛えていました。水が流れているのかいないのか判らないほど、水面が鏡のように滑らかです。川を遡行するのは難しそうなので林道を歩きますが、ところどころで川に下りられるようになっています。あたりはすでに萌え出でた新緑がいっぱいで、せせらぎの石に立つと川面に映る緑が目に沁みこんできました。

誰かが、「あっ、カワセミだ!」と言いました。私は見逃しましたが、仲間の何人かは青い羽を持つカワセミを見たそうです。魚を捕っているのかな、と清流を見回しましたが、魚影は全く見られませんでした。タイワンリスは全員が見ましたが、見れてよかったとは誰も言いませんでした。植物では、ウラシマソウ、ネコノメ(たぶんイワボタン)、ニリンソウ、ムラサキケマン、ほかお馴染みの春の花がたくさん見つかりました。

段落見出し林道終点から南尾根へ

森戸林道の終点では、森戸川が一跨ぎで越えられるほど細くなっていました。もちろん、雨が降れば増水するのでしょう。この終点の手前に二子山方面と中尾根への分岐があります。私たちは、終点で小休止して、南尾根に向かいました。いきなり急な山道を登ります。私は先頭でペースメーカーをしていたのですが、後ろの方から「やっと登山らしくなったね。」なんて声が聞こえました。振り返ると、皆さん息を切らせているようです。両手両足を使って登って来る人もいます。19分ほど喘いで、南尾根に達しました。

南尾根には、西に海を望める場所がありました。相模湾と江ノ島。白い点々のようなヨット。空中に白い頭だけが浮かんでいる富士山。こんな景色を鳥のように眺められるのも、三浦半島の山の魅力です。これ以降、乳頭山に向かって、いくつもの小さなピークを越えて行きます。これでもか、これでもか、と現れるアップダウンの連続。ひたすら頑張るのみです。三浦アルプス、侮るべからず。

送電鉄塔の立つピークに至ると、明るく四方が開けていました。ちょうど昼時なので、ここで大休止。次々に到着した他のパーティも、みんなここで昼食です。高圧線が頭上のかなり低い位置にあり、これが周辺の樹木を伐採してある理由かと思います。目指す乳頭山はもう目の前。その右手に茅塚(212m=三浦アルプス最高峰)も見えています。反対側には大楠山(241m)。観測所の塔や無線塔などが立つ三浦半島最高峰です。

段落見出し乳頭山から塚山公園へ

送電鉄塔の立つピークから先は、やや急な下りになりますが、スチールネット階段が設置されていて、子供も安全に歩くことができました。これより先も急傾斜の道には何箇所かスチールネット階段が設置されていました。送電線巡視路なのかもしれません。7分ほどで、T字路に至りました。右は上山口小学校、左が乳頭山です。道端にホウチャクソウやクサイチゴの花が咲いていました。さらに乳頭山直下の分岐あたりにはホタルカズラの小群落があり、青紫色の鮮やかな花がパーティーの歓声を誘いました。

乳頭山の頂上は、木が茂ってやや暗い雰囲気の上に、山頂標も立っていませんでした。このコースの最高峰として、メンバーの期待感があっただけに、ちょっと侘しい感じは否めません。幸い、東面だけは開けていて、これがなかなかの眺望です。あれが横浜ベイブリッジ、あそこが千葉市、あちらが房総の山々と、皆で楽しいひと時を過ごしました。

乳頭山からは来た道を少しだけ戻り、塚山公園に向かいます。まずは眼下に見えていた横浜横須賀道路を目指すのですが、急傾斜の道で時間を取られ、なかなか横横道路が近づいて来ません。自動車の走行音だけはよく聞こえます。パーティーも疲れが出る頃なので、「気を引き締めて!」と気合を入れます。畠山(205m)はカット。次の送電鉄塔で左折し、スチールネット階段を下った先で横横道路の下をくぐりました。

段落見出し塚山公園の三浦按針夫妻の墓

山中町から「石畳の道」を少し登ると、塚山公園です。まだ八重桜が咲いていました。公園最上部にある三浦按針夫妻の墓を訪れ、石段を下りて日本語と英語で書かれた説明板を読みます。「毎年四月には、『三浦按針祭』が盛大に開催されます。」と書かれています。その横の大きな石碑には、「ウヰリアムアダムス墳墓在於塚山絶頂」と刻まれています。国指定遺跡となっていますが、横須賀市民にとっては、その殿様であった人の墓でもあり、大切にされているようです。

塚山公園には紅白のつつじが咲き始めていました。きれいなトイレもあり、女性の皆さんは全員が使用しました。三浦アルプスにはトイレがなかったのです。ここにガイドのおじさんがいて、興味深いことをいろいろと話してくれました。

  • 按針のもたらした軍事技術のおかげで、関が原の戦では徳川家康の率いる東軍が勝利を収めた。彼が日本に来なかったら、豊臣の世が続いていたかもしれない。
  • 按針は、難破したスペイン船乗員の帰国のために、新しく建造した大型船を提供することを家康に提言した。これにより、日本はスペインの植民地とならずにすんだ。
  • ガリヴァー旅行記のガリヴァーは、按針がモデルであり、勤勉で秩序ある文化を持つ小人国とは日本のことである。
等々です。何だかわくわくする話で、勉強になりました。説明板には書いてありません。

段落見出し京急安針塚駅へ

午後3時過ぎ、安針塚駅にゴールイン。お疲れ様、全員無事に歩き通せて感謝です。ここでパーティーは解散し、一部の人は横須賀の三笠公園に行きました。NHKで「坂の上の雲」を放映して以来、三笠公園の人気が高まったと聞きます。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

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