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御岳山

レンゲショウマの花

御岳山のレンゲショウマ

レンゲショウマは日本の固有種で、その最大の群生地が奥多摩の御岳山にあります。

ケーブルカー 御岳山ケーブルカー: 滝本駅 ← 御岳山駅 登山口
バス停 西東京バス: 御嶽駅 ← ケーブル下

地図 地理院地図: 御岳山

天気 御岳山の天気: 青梅市 , 奥多摩町 , 御岳山駅 , 御嶽駅

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コース & タイム 鉄道駅 御嶽駅 5:41 ---(道間違い15分)--- 6:54 滝本の大杉 6:55 --- 7:08 馬立場 7:08 --- 7:42 団子堂 7:42 --- 8:13 御岳平 8:17 --- 8:20 レンゲショウマ群生地 9:00 --- 9:02 富士峰園地・展望台 10:00 --- 10:34 御嶽神社 11:00 --- 11:40 御岳沢 12:00 --- 12:28 綾広の滝 12:50 --- 13:05 引き返し点(芥場峠手前)13:05 --- 14:00 御岳山展望台・富士峰園地 14:55 --- 15:02 御岳山駅 ケーブルカー 15:15 +++ 15:21 滝本駅 15:24 --- 15:27 ケーブル下バス停 バス停 15:29 == 15:35 御嶽駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
御岳山 みたけさん:標高 929m 単独 2018.8.26 全9時間21分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

8月26日(日)、奥多摩の御岳山に行ってきました。真夏の猛暑を突いて低山に登るのは、レンゲショウマが咲いているからです。でも実を言うと、これは2次的な動機。第一の動機は、某航空会社のマイレージ有効期限が10日後に切れるため、提携ホテルに1泊して、有効期間を延長すること。航空会社のウェブサイト経由で予約しておいた、青梅駅前のドミトリーに前泊し、早朝、奥多摩行き初電に乗って、御嶽駅に向かいました。

段落見出し 御嶽駅から歩く

午前4時半、宿のロビーに行き、簡単に朝食を済ませました。若者が私を見て、「早いんですね。今日はどこへ行くのですか?」「奥多摩です。」「奥多摩には何があるんですか?」「山!」.... この宿は山小屋ではないので、さまざまな人が利用するようです。北欧系の青年も2名泊まっていました。部屋の造りは山小屋と似たところがあり、1室に2段ベッドが3台。建物全体が古びた昭和レトロの有形文化財ですが、ベッドとふとんだけは新しくて熟睡できました。

青梅発5時19分の奥多摩行き初電は、立川から来る青梅行き電車の到着を待って発車しました。7駅先の御嶽(みたけ)で下車。プラットフォームで電車を見送り、無人の簡易改札を通って、静まり返った青梅街道に立ちました。御岳山表参道を目指し、多摩川左岸の遊歩道に下ります。河畔なのに、早朝の爽やかな空気はありません。すでに気温、湿度ともに高いのでしょう。これが今年の夏の特徴ですが、奥多摩まで来てそうなのには、少々がっかりしました。

さて、御岳山表参道へは、なるべく車道歩きを少なくするため、神路橋(かみじばし)を渡って多摩川右岸に行くつもりでしたが、間違えて杣の小橋(そまのこばし)を渡ってしまいました。ところが、その右岸にも遊歩道らしい道があったので行ってみると、発電所の横の石段を昇ったところで行き止まり! しかたなく、赤い大鳥居までは吉野街道を歩くことにしました。御嶽駅から最も近い吊り橋が「杣の小橋」で、2番目の吊橋が「神路橋」です。次回は間違えません。

段落見出し 表参道テクテク

季節の花が色々と咲いていました。ママコノシリヌグイ、ベニバナボロギク、ハキダメギクなど、気の毒な名を付けられた花たちが、そんなことも知らず、平然と咲いています。言ってやりましょう「君らは清々しい!」これらの花は、近くで見れば見るほど、魔法のように固有の美が見えてきます。さて、滝本駅前にやって来ると、赤いケーブル車両が静かに降りて来ました。これはおそらく試運転で、営業運転は7時30分からです。私は真っ直ぐ表参道に進みました。

表参道は「滝本の大杉」と呼ばれる、青梅市指定天然記念物の大杉から始まります。さすがに杉並木に入ると、幾分涼しさを感じるようになりました。巨大杉並木の舗道をテクテクと登って行きます。この道は指定車両が通過することがあるので、注意するようにと書かれていますが、日曜日の朝とあって、出合った車は1台だけでした。と、背後からチリンチリンと澄んだ鈴の音。はるか下の方から聞こえたかと思うと、若い小柄な女性がたちまち私を追い抜いて行きました。

表参道に「丁目石」はありませんが、かつて名のあった地点には、その名の標柱と謂れの書かれた説明板が立っています。「ろくろっ首」「うまたてば」「じゅうやっくぼ」「あんまがえし」など、全部で9箇所か10箇所ほどあって、参道歩きの変化の乏しさを補っています。道半ばの「なかみせ」を過ぎたあたりから、エゾゼミの声が聞こえ始めました。登って行くほどに、2重唱、3重唱 .... と多重唱になって行きます。逆に足どりはどんどん軽やかになって行きました。

段落見出し レンゲショウマ群生地へ

表参道は御嶽神社へと続いていますが、まず先に、ケーブル御岳山駅前の御岳平に行きました。御岳平は優れた展望地で、近場の青梅丘陵、遠く多摩丘陵、さらに遠方の都心方面までを広大に望めます。そしてレンゲショウマ群生地へは、わずか3分の距離。私は7年ぶり、2度目の訪問です。ロープで仕切られた見学路からざっと見て、地味に咲いているな、と感じました。今年は花つきが少なめだったのか、あるいは私が来るのが遅すぎたのか、花はまばらです。

すでにかなりの人々が来ていました。皆さん、鑑賞というよりも、撮影に夢中です。そして例外なく大口径レンズを用意し、背景のきれいにボケた、レンゲショウマの美の際立つショットを狙っているようです。さもなければカメラを手に、写り映えのする花を物色中。レンゲショウマの宿命なのか、完璧にシミ・アザのない花は、めったにありません。さらに、光線、構図、背景まで求めるとなると大変でしょう。私もせっかく来たので、コンデジで幾つか撮りました。

レンゲショウマの群生地には、エゾゼミの声が響いていました。よく聴くと、2種類の鳴き声が聞こえます。もしかしてアカエゾゼミもいる? 私はどちらでもいいので撮影したいと思って、声を頼りに探したのですが、なかなか見つかりません。つばの広い帽子を冠って来たので、集音器のような効果で、方向だけは定まるのですが、高すぎたり、遠すぎたりで、発見に至りません。しばらく粘ってみましたが、徒労に終わりました。思えば、鳴き声だけでも録ればよかった!

段落見出し 御岳沢で体験した、マルとバツ

その後、富士峰園地を一回りし、展望台で大休止しました。御岳平と同様のパノラマを眺めながら、早めの昼食です。携行した飲料が不足するかもしれないと思ったので、自販機で冷たい飲み物を買いました。1缶140円と、安めの価格に納得。この暑さでは、山上でも熱中症のリスクが十分にあります。そしてゆっくりと御嶽神社に行き、境内にある小さな社殿群を、初めて巡ってみました。その一つ一つに、レンゲショウマやツリガネニンジンが優しく、風流に咲いています。

御岳山頂には、涼しい谷風の通り道がありました。これは幸い、しばらく涼んで行きましょう。こうして霊気と冷気で十分に英気を養ってから、「わんこと一緒にトライアルコース」を歩いて、御岳沢に行きました。ロックガーデンのある沢です。沢沿いに遊歩道を登り、適当な岩を見つけて腰を下ろしました。さっそく裸足になって、沢の水で足を冷やします。火照った足がみるみる冷えて、とてもいい気持ち。でも水があまりに冷たくて、1分が我慢の限界でした。

ふと、強烈な悪臭が漂ってきました。何だ、これは? 辺りを見回すと、私の10mほど上流地点で、男性が喫煙していました。タバコの臭いが大の苦手な私は、即刻退散したいところですが、足を拭いたり靴下を履いたりで、すぐには立てません。やっと立ち上がった時、喫煙は終わっていました。ここは秩父多摩甲斐国立公園の特別地区。水も空気もきれいなのがいいですね。ところで、東京都の受動喫煙防止条例は、自然公園にも適用されるのかな?

段落見出し 計画変更して下山

その後、綾広の滝に行き、澄んだ空気で20分間ほど肺の掃除をしました。滝の冷水で栄養補給のジェリーを冷し、一気に飲んでパワーアップ。これから芥場峠に登り、サルギ尾根を経て、上養沢に下りる予定です。バスの時刻表を確認し、道標が大岳山を指す方向に登って行きました。ところが、芥場峠を前にして、背中に異変を感じました。右肩から肩甲骨の下あたりにかけて、とても不快な痛みが何度も走ったのです。直ちに足を止め、リュックを下ろし、休みました。

休みながら、肩を回したり、肩こりをほぐす指圧をしてみたのですが、症状は改善しません。この状態でアップダウンの大きなサルギ尾根を歩くのは厳しいと判断し、やむなく進路を変更することにしました。最も容易に下山できるのは、ケーブルカーに乗ることです。ここから御岳平へは、ほぼ平坦な道。バスの時間を気にする必要もなく、ゆっくり、ゆっくり歩いて行きました。それにしても、御岳山にケーブルカーがあって、本当によかった!

こうして、今回も無事に下山できました。感謝。サルギ尾根は、またの機会に歩きます。背中の痛みは、いつの間にか消えました。今しばらく残暑が続くと思いますが、皆様元気にお過ごしください。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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