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南高尾 梅雨どきの花探し

南高尾のツチアケビ

南高尾のツチアケビ

南高尾では、春・夏・秋を通じ、花を楽しみに歩く人々の姿が絶えることはありません。冬にはシモバシラの氷花も見られます。

この山域にも多種の希少な植物が見られます。悪気なく手折ることも厳に慎みましょう。

地図 地理院地図: 西山峠

天気 南高尾の天気: 八王子市 , 相模原市緑区 , 高尾山口駅


コース & タイム 鉄道駅 JR片倉駅 --- 片倉城跡公園 --- 京王片倉駅鉄道駅+++ 高尾山口駅 10:41 --- 11:06 梅の木橋 11:06 --- 13:24 三沢峠 13:24 --- 13:50 西山峠 14:06 --- 15:21 新中澤橋 15:22 --- 16:16 高尾山口駅 鉄道駅
※歩行時間には花探しと写真撮影の時間が大変多く含まれています。
西山峠 にしやまとうげ:標高 434m 単独 2015.06.15 全 5時間35分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

6月15日、梅雨の晴れ間を狙って、南高尾に季節の花を探しに行って来ました。いくつもの小路や小沢に足を運びましたが、あまり見つかりませんでした。期待のツチアケビは、茎が折り取られて無残な姿。でもかわいい花を咲かせ始めていました。あと1~2週間後には、黄色い花がたくさん見られるでしょう。先回(6月2日)に続き、今回も乗換駅で、片倉城跡公園に立ち寄りました。

段落見出し片倉城跡公園のヤマモモが美味しそう

片倉城跡公園に入るとすぐ、ヤマモモがいい色具合になっていました。黒っぽい実は、もう食べごろです。でも高すぎて手が届きません。右手の小池では、赤桃色のスイレンが、七つ、八つ、きれいに咲いていました。咲き始めの、汚れのないうちが見頃です。その奥に菖蒲田がありますが、今年は開花が早かったからか、ハナショウブはすでに見頃を過ぎていました。紫色の花は、カメラで見ると青く映っていたのですが、帰宅後にパソコンで見ると、ちゃんと紫色に写っていました。

公園の北に川があります。浅川の支流だと思いますが、これも浅川と地図に書かれています。カルガモにしては小さな家族ですが、お母さんが2羽の子を連れて来ていました。土手では、モンキチョウが産卵に夢中のようで、私が近づいても全く無視。虫にも陣痛のような切迫感があるのでしょうか。

高尾山口駅に着くと、駅名標、路線図、エレベーター、ほか多くのものが木目調のデザインに変わっていました。高尾山の杉材が使われているのなら、やがて年月の経過と共に風格が出てくるでしょう。遊び心で、改札出口に、簡素で美しい道標を立てたらいかがでしょうか。この秋には温泉も開業予定だとか。入浴料が安いといいのですが、さてさて。

段落見出し関東ふれあいの道へ

駅から梅の木橋まで、国道20号を歩きます。圏央道インターの建設工事期間のように工事車両が行き交うことはなくなりました。が、高尾山の環境保全が議論された高速道路の建設に当たって、国道から離れた場所に歩行者ルートを設定することは、国の誰も考えなかったのでしょうか。バスもありますが、1日わずか3本の運行では利用する気になりません。

梅の木橋から、「関東ふれあいの道」になります。案内川沿いには、季節の山野花や虫が、普通に見られます。騒音を離れて、三沢峠に向かいながら、道沿い、沢沿いに、鵜の目鷹の目で花探し。楽しい時間の始まりです。途中、いくつもの小沢を探索しましたが、今年どこに咲くかわからないキバナノショウキランを探すためです。一方、腐生植物という点では同じですが、ツチアケビは毎年同じ場所に見られので、盗掘でもない限り、期待できます。あとは、開花のタイミングを推し量るのみです。

草戸峠への道を左に分けると、その先でバードウォッチャーたちの姿が多く見られるようになりました。皆さん、マイカーで運んできた巨砲カメラを抱えています。おそらく、そのほとんどの人はサンコウチョウ目当てです。♪ホイヒーホーヒーと鳴く声を、「月・日・星」と聞いて、三光鳥と呼ばれるようになったとか。バードウォッチャーには、「こんにちは」とは言わず、目であいさつして通り過ぎました。

段落見出し 今回撮影した花と葉と実

()内は、この日私が歩いた範囲で受けた印象です。

  • ヤマグワ ...(見つけやすい)
  • クマノミズキ ...(見つけやすい)
  • オニグルミ ...(見つけやすい)
  • ユキノシタ ...(多い)
  • マタタビ ...(見つけやすい)
  • ニガイチゴ ...(見つけやすい)
  • ソクズ ...(実があれば見つけやすい)
  • ホウチャクソウの実 ...(見つけやすい)
  • オニシバリの実 ...(実があれば見つけやすい)
  • アカショウマ ...(見つけやすい)
  • オカトラノオ ...(見つけやすい)
  • ヤブニンジン(?) ...(見つけにくい)
  • キツリフネ ...(保護地あり)
  • ヤマホタルブクロ ...(多い)
  • ヤマアジサイ ...(多い)
  • ツチアケビ ...(少ないが見つけやすい)
  • キヨスミウツボ ...(見つけにくい)
  • コモチマンネングサ ...(見つけやすい)
  • たけのこ ...

撮影しなかったけれども、見たことを覚えているものの一部

  • ドクダミ ...(極めて多い)
  • アカバナユウゲショウ ...(多い)
  • ニワゼキショウ ...(多い)
  • オオバジャノヒゲ ...(多い)
  • ヤマアジサイ ...(見つけやすい)
  • タマアジサイ ...(多いが未開花)
  • ヘビイチゴ ...(見つけやすい)
  • サワハコベ ...(見つけやすい)
  • テイカカズラの落花 ...(見つけやすい)
  • カヤラン ...(教わったが、花は終っていた)
  • ギンレイカ ...(撮影が難しい)
  • きのこ多種 ...

残念ながら、キバナノショウキランは見つけられませんでした。でも居合わせた男性が、ごく最近高尾山で撮影したという、キバナノショウキランの写真を見せてくれました。私も後日、再チャレンジしたいと思います。ツチアケビの一株は、茎の半ばで折り取られていました。誰かが盗んだのか、子供が無邪気に折り取ったのか、分かりません。

段落見出し 今回撮影した蝶と蛾

  • モンキチョウ(産卵中)
  • ツバメシジミ
  • ムラサキシジミ
  • メスグロヒョウモン(♂)
  • アカボシゴマダラ(夏型、産卵中)
  • アカボシゴマダラ(春型、♂)
  • コミスジ
  • イチモンジチョウ
  • トンボエダシャク(ペア)
  • キガシラオオナミシャク
  • マダラカギバ
  • その他、未同定の蛾ニ種

段落見出し 西山峠から下る

三沢峠から、西山峠に向かいました。お馴染みのオカトラノオは、花序の下の方のつぼみがふくらんで、まもなく開花しそう。西山峠で、アカボシゴマダラの大型個体、つまりメスが飛んできたので目で追っていたら、地面すれすれの小枝に止まり、葉にお尻をつけました。その葉を採ってみると、緑色のきれいな卵がありました。そのとき、小型の白い個体も飛んで来ました。こちらは春型のオスです。そのとき強い風が吹いてきたからか、しばらく葉の上に止まってくれました。賢い蝶なのかもしれません。要注意!?

メスグロヒョウモンは、この日2回遭遇しましたが、どちらもオスで、黒くありません。タテハチョウ科なので、人のように、腕が2本、脚が2本あるように見えます。イチモンジチョウは、翅のきれいなものばかり目にしましたが、コミスジはすでにボロになり始めたものが見られました。ところで、アサギマダラの翅がボロになりにくいのは、材質か、構造か、飛び方によるのか、興味深いところです。どなたか研究・応用して、省エネ航空機を作ることはできないでしょうか。

マタタビの白い葉がよく目立ちます。白い花も、子供が好みそうな可愛らしいデザインです。キツリフネは、群落地がありました。ロープが張られていたので、保護地かなと思います。今回、西山峠から新中澤橋に至る道を歩いたのですが、その場所以外ではキツリフネを見ることはありませんでした。

段落見出し 団子より花?

実を言うと、今回は食料を忘れて来ました。食料を持たずに山に入ったのは、これが2度目です。とうとう私もそんな歳になったのかなあ、と思いましたが、花を探していたので空腹は全く気になりませんでした。でも飲み物は持っていたので、熱中症になる心配のなかったのが、不幸中の幸いです。午後4時、高尾山口駅の近くのコンビニでスナック菓子を買って、歩きながら食べました。終わりよければすべてよし。目出度し、目出度し。よい日でした。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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