浅間山から高取山にかけての尾根歩きは、さまざまな蝶たちが飛ぶ散歩道。左の写真は、夏型のサカハチチョウです。
お地蔵さんのように頭が丸い聖峰。眺望の素晴らしさは、大山南麓で随一かも。登って良し、眺めて良し、祈って良しの明峰です。
神奈中バス: 秦野駅 → 蓑毛(終点) 神奈中バス: 伊勢原駅 ← 神戸(ごうど)
地理院地図: 浅間山
聖峰の天気: 神奈川県伊勢原市
レポ: 高取山∞ループ , あじさい散歩道・高取山
7月8日、2週間ぶりの梅雨の晴れ間。とはいえカラリと晴れた青空ではなく、山々には厚い雲がかかっています。こんな時は、明るい低い山に行って汗をかくか、雲の上にまで上って清々しい空気を吸うのが健康的です。この日、夕方に用事があったので、近場である丹沢の低山を選びました。浅間山、高取山(556m)、聖峰のコースです。
9時35分秦野駅発の蓑毛行きバスに乗車。車窓から見る丹沢表尾根と大山は雲に隠れて見えません。でも久々の明るい陽射しに、野山が生き生きした色彩に輝いています。10時少し前に蓑毛に到着。ここから「関東ふれあいの道」を大山方面に登ります。人馴れしたようなキセキレイが、虫をくわえて私の3mほど前をチョンチョンと逃げるように進んで行きます。
ヤビツ峠への道を左に分けたところで、靴と靴下に防虫スプレーをかけました。ヤマビル対策です。連日の梅雨空で、ヒルたちも落ち葉の下で活気付いているかも知れません。林道を横切る地点には、「ハンターのみなさん、この付近にはハイキング道があります。狩猟に注意しましょう」との注意書きがあります。熊、鹿、猪などがいるそうなので、ハンターも大切です。
広く、歩きやすい「関東ふれあいの道」は、背の高い杉木立を抜けて来る涼風で快適です。10時56分、蓑毛越に到着。ここには、「犬の放し飼い登山はやめましょう!」の看板と、「ヤマビルにご注意ください!」の注意書きがあります。ここまで地面をしっかり見ながら登ってきましたが、ヤマビルは見ませんでした。
蓑毛越から高取山まで、無線中継所の電波塔が4箇所あります。まず出会う浅間山頂の塔は、東京都の防災行政無線中継所です。少し離れた平らな場所に、石でできた「浅間山」の小さな祠がひっそりと立っています。その先にはNTTドコモの無線中継所。さらにその先、高取山にはNHKの無線中継所。このあたりは電波の大通りなのかも知れません。
これより不動越までの明るい尾根道は、蝶やトンボ、甲虫類などがいっぱいです。大きな体のヤブヤンマが道端のドラム缶の上に産卵のようなことをしています。タテハチョウたちが、撮影してくださいと言わんばかりに近づいてきます。カラスアゲハ(もしかしたらミヤマカラスアゲハ)が青緑紫色の翅も力強く、樹間を縫って飛んで行きました。
不動越からは広葉樹林の暗い道に入ります。緑のトンネルは風通しが無く、湿気でむんむん。高取山までのわずかな登りが何だか長く感じられてきます。その中で色々なキノコがにょきにょき生えて、少しだけ目を楽しませてくれます。高取山頂には午後1時到着。虫たちとの「ふれあいの道」で小一時間ほど道草を食ってしまいました。山頂のベンチでセルフタイマーを使って自己撮影したら、1枚だけ体の周りにオーラ(?)のようなものが写っていました。ここでおにぎりを取り出して昼食にします。
15分ほど休憩して山頂を後に。これより南方へ200mほど下ったところで、「関東ふれあいの道」と別れ、聖峰(ひじりみね)に向かいます。急な登山道をしばらく下ると、朽ちたベンチが2箇所あります。この道を利用する人は少ないのでしょうか?途中1か所を除き、緑陰が濃くて眺望はほとんど利きません。その代わりと言う訳ではありませんが、さまざまなキノコが見られました。
聖峰不動尊で、やっとこの日最大のパノラマを見ることができました。湿った空気で遠望は利きませんが、伊勢原市街地が眼下に広がっています。できれば麓まで翼を使って飛んで行きたいところです。東名高速道路の蛇行、小田急電車の走る姿もよく見えます。桜やツツジの季節に来たら、すてきなピクニックになるでしょう。
九十九曲の坂道はとても細かなジグザグ道です。ちょこまか右に左にと下るとほどなく女坂と合流。これより下はコンクリートで舗装された道を歩きます。里に下りると、そのあたり一帯はミカン畑です。ミカンの木には、まだ小さな固い実がびっしり。農道から振り返ると、高取山と聖峰が思いのほか遠くに見えました。でも大山は最後まで雲の中。ここは再び「関東ふれあいの道」です。せっかくなので比々多神社を少し見学し、境内の大きな萱の輪を通り抜けました。
帰宅してシャワーを使ったら、ふくらはぎの下に1箇所、ヒルに咬まれた痕がありました。防虫スプレーはあまり長時間持たないことを忘れていました。油断禁物。
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