山はいいなあ  >  富士周辺  >  不老山

不老山

ピンクのサンショウバラ咲く不老山

不老山のサンショウバラ

不老山は、立山(たちやま)と共に、サンショウバラの咲くことで知られ、5月下旬〜6月中旬の花期には大勢のハイカーで賑わいます。また空気の澄んだ日には、富士山、西丹沢、箱根、駿河湾などを広々と見渡すことができます。

登山ルートは多いのですが、土砂災害によって、南面、北面とも通行止めの個所や通行の困難な個所があります。

バス停 富士急湘南バス: 谷峨駅 ← 山市場 登山口

地図 地理院地図: 不老山

天気 不老山の天気: 静岡県小山町 , 神奈川県山北町

富士 富士箱根トレイル情報(小山町サイト)

関連記事 レポ: 三国山稜 , 鉄砲木ノ頭・高指山


コース & タイム 鉄道駅駿河小山駅 7:47 --- 8:27 湯船への分岐 8:27 --- 8:51 山口橋 8:51 ---(峰坂林道)--- 9:38 大崩壊地 9:48 --- 10:00 天神山 10:00 --- 10:18 世附峠への林道分岐 10:20 --- 10:50 峰坂峠 10:55 --- 11:17 サンショウバラの丘(樹下の二人)11:30 --- 11:34 世附峠 11:37 --- 12:04 不老山南峰 12:06 --- 12:11 不老山北峰 12:25 --- 12:50 林道番ヶ平 13:05 --- 14:03 沢渡渉点 14:20 --- 14:52 棚沢キャンプ場バス停 14:53 --- 15:00 山市場バス停 バス停 15:21 == 15:28 谷峨駅鉄道駅
※歩行時間には道草と写真撮影の時間が含まれています。
不老山 ふろうざん:標高 928m  単独 2011.6.15 全7時間13分  満足度:❀❀❀❀  ホネオレ度:❢❢

6月15日、梅雨が一息ついて高気圧に恵まれた日、不老山に行って来ました。終日くもり空でしたが、時折うす日が差し、サンショウバラの花を柔らかく照らしてくれました。

コースの選定は、かなり考えました。登りルートで無難なのは、山市場(やまいちば)からか、生土(いきど)からですが、いずれを使っても不老山と「サンショウバラの丘」の間を往復しなくてはなりません。土休日なら明神峠までバスで行けるのですが、平日に一人でタクシーに乗るのは不経済です。そこで、峰坂林道を行けるところまで行って、現場でその先を考えることにしました。

段落見出し気をつけて行ってらっしゃい

7時47分、JR御殿場線駿河小山(するがおやま)駅を出発。足の向くまま歩いていたら小山町役場が見えてきて、間違いに気づきUターン。いきなり10分ほどのタイムロスです。湯船への分岐の手前に来た時、自転車に乗って来たおじさんが立ち止まって、「この先、去年の台風で道がやられてしまってね。」と話しかけてきました。私のことを心配してくれてのことです。田舎の人は気性がいいですね。

柳島から山口橋に向かう道では、畑にいたおばさんから、「峰坂に行くのですか?」と尋ねられました。やはり私の先行きを心配してくれているのでしょう。「そうです。偵察に行ってきます。」と答えたら、少し安心した声で、「じゃ、気をつけて行ってらっしゃい。」と言ってくれました。私以外に不老山に向かっているハイカーは見当たりません。畑の縁で、真っ赤なポピーがのどかに揺れています。

段落見出し崩落現場

山口橋で、川の護岸工事をしている様子がよく見えました。不老橋の手前の分岐点で左に折れ、峰坂林道を登ります。しばらくはきれいに修復された林道が続きます。やがて工事現場が現れ、作業員たちが木と腰をロープで結んで、急斜面で修復作業をしていました。そして、林道そのものが土砂で埋まっている個所が現れ、さらにそのすぐ先で、大崩落個所に行き当たりました。

崩落現場を覗き込みながら、どうするか考えました。崩れた土は急傾斜な上に、雨でゆるんでいるようです。トラバースはできそうにありません。この場で着実に進むには、しっかりした木の生えた斜面を登ることです。崩壊地のすぐ左手から斜面に取り付きました。(決して気軽に真似しないでください。)

ここから道なき道を行きます。山登りが俄然楽しくなりました。木が多いので急斜面も難なく登れます。上りでは迷子になる心配もほとんどありません。ところが10分ほど登ったところで、赤いテープの巻かれた作業道(?)に行き当たり、拾い物の楽しさは終了。その先に、小さな石の祠があり、「天神山」と書いてありました。

段落見出し峰坂峠へ

10時18分、林道に出ました。これより東に進むと世附峠(よづくとうげ)、西に進むと峰坂峠です。計画通りに西に進むと、さっそくサンショウバラが咲いていました。その先、鹿も見ました。山と高原地図によれば右に峰坂峠への分岐があるはずですが、なかなか見つかりません。おそらくこのあたりだろうと見当をつけ、小さな小屋の横から上に登りました。鹿の足跡はたくさんありますが、人の足跡は全くありませんでした。

獣道のような、あいまいな踏み跡を登って行くと、尾根の上に出ました。ベンチがあり、1パーティーが休憩しています。私がガサガサと音を立てて飛び出してきたからでしょうか、「どこから来たのですか?」とさっそく尋ねられました。「小山駅からテクテク歩いてきました。ここは何という場所ですか?」「峰坂峠です。あそこに道標があります。」見ると、小さな少し壊れかけた道標がありました。このグループは明神峠から来たとのことでした。

これ以後も、下山ルートについて、幾度か尋ねられました。私の知識では、(1)不老山南峰から「不老の活路」を小山駅に下る道と、(2)不老山北峰から山市場に下る道は通れるでしょう、としか答えられませんでした。単独行者は道をよく知っていると思われるのかもしれません。

段落見出し樹下の二人

「サンショウバラの丘」に近づくに従って、サンショウバラが増えてきました。すでに散った花も多く、地面にも花びらが撒き散らされてきれいです。それでも、まだまだたくさんの美しい花が残っています。咲き始めは赤ちゃんの顔のようにエネルギーを感じさせるピンク色。花が開くとその色が縁に移動するかのように花弁の色が薄まり、中心に白色を表わします。一重咲きのすっきりした花びらは、清純な少女の髪に似合いそう。天上の庭に静かに咲いています。

「サンショウバラの丘」は、晴れていたらどんなにか眺望が良いことだろうかと思うほど、広く、明るく開けていました。行く手の不老山もどっしりと、頼もしげです。「樹下の二人」というのは、平成5年からこの地を勝手に呼んだものだと書いてありました。

段落見出し不老山のサンショウバラ

世附峠から不老山南峰への登りは、この日初めての登りらしい登りでした。30分にも満たない区間です。フタリシズカが咲き、三等三角点があり、「登山者百歳盛年」と書かれた楽しい道標がありました。

不老山南峰の山頂標には、標高926mとも、927mとも書かれていました。サンショウバラがないので、記念撮影だけしてすぐに北峰に向かいます。北峰へのわずか200mの間に、ニシキウツギ(たぶん)とケウツギ(たぶん)とがきれいに咲いていました。

不老山北峰のサンショウバラは、数はわずかながら、満開の今がまさに見頃。初々しい花に鼻を近づけたら、ほんのり甘い香りがしました。ここで昼食にします。山頂広場は木立に囲まれて眺望はありませんが、サンショウバラが3株あるだけで十分に幸せそうな顔がいっぱいです。

段落見出し下山

下山は、山市場ルートです。下りで使う筋肉の出番がやって来て、軽快に下って行きました。林道を横断するところにベンチがあります。ここがこの日最後のサンショウバラを楽しむ場所でした。ここでバス乗車の時間調整のため、たっぷりと休憩し、靴の紐をしっかりと締め直しました。

この先の下りは、長く、急で、この道を登りに選ばなくて良かったと思いました。それにしても、いつの間にこんなに高く登ってしまっていたのか、不思議に思えるほど。ここはバスの時刻に合わせて、ゆっくりと下りて行きます。沢を渡るところで、再び大休止し、冷たく心地よい水でざぶざぶと顔と手を洗いました。

登山道の終点で、青い吊橋が見えてきました。不老山登山口を示す道標の周りに、杖に使うと良さそうな棒枝がたくさん置かれています。登って行く人が持って行けるようにと、下山して来た人が置いて行くのでしょう。

段落見出し青い吊橋は新旧2本

荒れた茶畑の脇に飛び出すと、昨年登った大野山がそびえ立っていました。明るく気持ちの良い場所です。バス待ちの時間調整はここですれば良かったと思いました。小さな梅林があり、緑色の実がたくさん成っていました。川沿いに延びて行く田園に目をやりながら、ゆっくりと吊橋に向かいました。

青い吊橋は新旧の2本が並んで架かっています。私は、定員6名と書かれた古い方の吊橋を渡りました。無くなってしまわないうちに、と思ったからです。多少揺れましたが、思い出を増やしておきたい方にはお奨めです。

吊橋を渡って車道に出ると、そこは「棚沢キャンプ場」バス停でした。午後一番のバスは3時15分発ですが、まだまだ時間があるので、次の「山市場」バス停まで歩くことにしました。

段落見出し無人駅

谷峨(やが)駅行きのバスは5分ほど遅れてやってきました。谷峨駅(無人)に着くと、バスを飛び降り、上りホームに向かって猛然とダッシュ。何とか電車の到着前に全員が線路を渡りきり、無事に乗り込むことができました。切符も整理券もないので、降りた松田駅で正直に「谷峨からです」と言って190円を支払いました。こういう運賃の支払い方は、どこかほっとします。

松田駅を出て、新松田駅までわずかな空間を歩く間に、別世界に移動するような気がしました。

木の葉ライン

↓ 紙芝居

サムネイル 00 サムネイル 01 サムネイル 02
サムネイル 02a サムネイル 03 サムネイル 04 サムネイル 05 サムネイル 06 サムネイル 07 サムネイル 08 サムネイル 09 サムネイル 10 サムネイル 11 サムネイル 12 サムネイル 13 サムネイル 14 サムネイル 15 サムネイル 16 サムネイル 17 サムネイル 18 サムネイル 19 サムネイル 20 サムネイル 21 サムネイル 22 サムネイル 23 サムネイル 24 サムネイル 25 サムネイル 26 サムネイル 27 サムネイル 28 サムネイル 29 サムネイル 30 サムネイル 31 サムネイル 32 サムネイル 33 サムネイル 34 サムネイル 35 サムネイル 36 サムネイル 37 サムネイル 38 サムネイル 39 サムネイル 40 サムネイル 41 サムネイル 42 サムネイル 43 サムネイル 44 サムネイル 45 サムネイル 46 サムネイル 47 サムネイル 48 サムネイル 49 サムネイル 50 サムネイル 51 サムネイル 52 サムネイル 53 サムネイル 54 サムネイル 55 サムネイル 56
サムネイル 57 サムネイル 58 サムネイル 59


©2011 Oda Family  All Rights Reserved.