大丸山は横浜市の最高峰です。天気がよければ、山頂から東京湾と房総半島を展望できます。
大丸山の周辺には、瀬上市民の森、氷取沢市民の森、釜利谷市民の森、金沢市民の森、横浜自然観察の森などがあります。→ 参考:円海山周辺マップ
地理院地図: 大丸山
円海山・大丸山の天気: 横浜市栄区 , 鎌倉市
レポ: 円海山周辺の森めぐり(2) , (3) , (4) , (5)
6月4日、パシフィコ横浜に行った帰り、少し足を延ばして円海山〜大丸山〜天園(てんえん)を結ぶハイキングコースを歩いてきました。この日は晴れだったのですが、梅雨時とあって視界は悪く、道は所々でぬかるんでいました。それでも鳥と風の声以外何も聞こえない静かな森で、新鮮な空気をたっぷり呼吸して、心身をリフレッシュして来ることができました。
横浜市環境創造局のウェブサイトから、「円海山周辺マップ」を印刷して持って行きました。この地図に緑色の線で示されている「ビートルズトレイル」を歩こうと思ったのですが、港南台駅からの入り方がよく分かりません。そこで、分かりやすい栄高校の前から登る道を目指しました。「円海山周辺マップ」では、栄高校が「県立上郷高校」となっています。
栄高校前の坂道を左に登って行くと、「円海山周辺マップ」とよく似た「「円海山・大丸山マップ」が大きな案内板になって立っていました。ここでもう一度コースを確認します。その後もコース中にこの案内板と何度も出会うことになります。
車止めを通り抜けて5分ほど歩くと、円海山の3基の無線塔が見えてきました。このビューポイントは西側が明るく開け、これから行く円海山と大丸山、その向うに大平山が望めます。小さな案内板に「瀬上池(せがみいけ)が見えますか?」と書いてあったのでしっかり見直すと、谷間にわずかですが池のようなものが見えました。かつては農業用水として使われていたと書かれていますが、今は農地よりも住宅地の方がはるかに多くなっています。
近くに実が鈴生りになった桑の木があったので、黒く熟した実を取ってむしゃむしゃと食べました。甘酸っぱいおいしい実ですが、あまり食べる人はいないようです。木に着いた赤い見はまだ食べられません。黒いおいしそうな実が地面にたくさん落ちていました。
円海山無線中継所の向かいにトイレがあります。ここから先は散策道で、歩行者以外は通れないように車止めがあります。気分よく散策道に入ると、すぐに「いっしんどう広場」でした。ベンチとテーブルがたくさんあります。ここで行動食のヨモギ大福を食べ、円海山に向かいます。
円海山の頂上はゲートが閉じられていて入れません。しかしその柵に「円海山頂上」と書かれた小さな板が取り付けられていました。何も面白みのない場所なので、来る人も少ないようです。ウグイスはたくさんいるのか、涼しげな声で山の静けさを救っています。
「ビートルズトレイル」に戻り、大丸山を目指します。針葉樹の多い木漏れ日の道にはシダ類がたくさん生えています。尾根が痩せて左右が急峻な谷になっている箇所には、立派な木橋が設置されていました。
「エノキの板根」と書かれた大木があります。見ると何本かのエノキが撚じれ合って1本の大木になったのではないか、と思えるような姿をしています。板根は熱帯地方に見られる巨木の根のようには大きくありませんが、理科の教材としては十分です。ホトトギスの鳴く声がよく響きます。
大丸山の頂上は、ハイキングコースの脇にあり、3分ほどで登れるのですが、ここを登らずに行く人がかなりいました。私はもちろん登ります。あっという間に山頂に着きました。東側が明るく開け、東京湾が望めます。目と鼻の先に房総半島があるのですが、この日は空気が湿っていて遠くが見えません。航行する大型船、近くの八景島などはよく見えました。
山頂のベンチで海を眺めながら小休止。ヒョウモンチョウに似た蝶が飛んで来ました。山の頂上にはタテハチョウの仲間が主(ぬし)のように陣取っていることが多いものです。主らしく、人が近づいても逃げません。
大丸山から10分ほどで、関谷奥(せきやおく)見晴台に至ります。ベンチもあり、横浜方面が望めるのですが、梅雨の季節に遠望は困難です。鮮やかな青色のアジサイが咲いています。大型の三脚にデジスコをセットアップして、何かを狙っている人もいました。
散策道に戻り、鎌倉天園方面に進むと、すぐに「市境広場」でした。これから広大な横浜霊園を右に見ながら進みます。いつ鎌倉市に入ったのか気がつきませんでしたが、切通しが現れるようになり、鎌倉に近づいたような気がしてきます。このあたりでは、コジュケイの声が元気でした。
天園の手前にしっとりした竹林があります。ここでウグイスの声が聞こえてきました。何だか舞台が出来過ぎのようですが、「天園」の名にふさわしいような住人がいるのでしょう。
「獅子舞経由鎌倉宮」への分岐からゴツゴツした岩を経て天園に上ります。相模湾を望む岩に立ちましたが、鎌倉市街地が薄く見える程度で、海と空は鉛色。今にも泣き出しそうです。峠の茶屋のすぐ上の「横浜市最高点」まで行き、早く下山することにしました。
鎌倉宮方面への下り道はすでに薄暗く、じめじめしていました。ところどころぬかるみがひどく、歩幅の狭い子供には歩きにくそうです。コース上を水が流れている箇所では、靴も濡れます。
幸いなことに、下るに連れて空に晴れ間が戻り、車道に出たときはすっかり明るくなっていました。男の子二人と、そのお父さんが小川に入って何かを捕っています。獲物を入れた器を覗かせてもらうと、小さな方の男の子が「川エビとヤゴも捕ったよ。」とうれしそうな声です。お兄ちゃんの方はカワトンボにバサッと網を被せていました。捕った!!
この先、鎌倉宮、鶴岡八幡宮を経て、鎌倉駅がゴールです。土曜日の小町通りは、いつものように多くの人で賑わっていましたが、よく見るとハイカーやウォーカーもかなり見られました。今回行かなかった大平山には、紅葉の季節(たぶん12月)に来たいと思います。
Alt + < = 戻る。 Alt + > = 進む。 Internet Explorer では、最後に Enter を押してください。 了解