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福寿草・ 四阿屋山 ・節分草

四阿屋山頂より望む両神山

四阿屋山頂より望む両神山

四阿屋山は、花の山です。特にロウバイ、フクジュソウ、セツブンソウ、アカヤシオなどの咲く季節は、多くのハイカーでにぎわいます。

四阿屋山は、岩稜の山です。各自の技量に応じて、コースを選べます。凍結時の滑落や、岩場での落石には十分に注意しましょう。

バス停 小鹿野町営バス: 贄川 → 薬師の湯 登山口
バス停 小鹿野町営バス: 薬師の湯 ← 節分草園 登山口
バス停 小鹿野町営バス: 三峰口駅 ← 薬師の湯

地図 地理院地図: 四阿屋山 , ヤマレコ

天気 四阿屋山の天気: 小鹿野町 , 四阿屋山

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コース & タイム 鉄道駅 三峰口駅 8:15 --- 8:28 贄川宿 9:00 バス停 == 9:15 薬師の湯 9:18 --- 9:23 薬師堂境内(登山開始) 9:25 --- 9:53 林道横断 9:53 --- 10:08 福寿草園 10:35 --- 10:53 両神神社奥社 10:54 --- 11:12 四阿屋山 11:17 --- 11:21 つつじ新道・薬師堂コース分岐 11:21 --- 11:37 両神神社奥社 11:38 --- 11:49 福寿草園 12:06 --- 12:25 つつじ新道・山居分岐 12:32 --- 12:59 あずまや山つつじ新道入口 12:59 --- 13:12 節分草園(登山終了) 14:47 バス停 == 14:56 薬師の湯 バス停 15:01 == 15:19 三峰口駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と撮影の時間が含まれています。
四阿屋山 あずまやさん:標高 771.5m 単独 2020.02.24 全 3時間47分 満足度:❀❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

2月24日(月・振替休日)令和初の天皇誕生日の翌日は、快晴微風、絶好の登山日和になりました。この機を逃さず、迷わず選択したのは、奥秩父北東部の四阿屋山。約1年前から計画し、開花状況を虎視眈々と見計らって、実行したものです。計画に当たっては、四つのミッションを設定しました。

  1. 堂上のセツブンソウを見る
  2. 四阿屋山頂から両神山を見る
  3. 福寿草園で秩父紅を見る
  4. 贄川宿のかかし(案山子)を見る

交通機関の都合で、見る順序は変わりましたが、すべてを完了することができ、大満足の一日となりました。

段落見出し 三峰口駅から贄川宿へ

当初の計画では、3月初旬の平日の朝、西武秩父駅7時50分発の栗尾行きバスに乗り、小鹿野町役場で町営バスにドンピシャで乗り換え、堂上の節分草園に最速で行くつもりでした。ところが、今年は開花が例年よりもずっと早く始まり、すでに見頃だとのこと。絶好の登山日和・花見日和になった2月24日は振り替え休日。7時50分のバスはありません。そこで計画したコースを逆回りにして、三峰口駅からバスに乗り、薬師堂から登山を開始することにしました。

多くの人出を予想しましたが、御花畑駅で乗った三峰口行き電車は、ガラガラに空いていました。運転席の窓越しに、行く手の山々に視線を投じます。秩父御岳山と四阿屋山が見えるでしょうか? でも山容の脳内イメージを全く持っていなかった上、右へ左へとカーブする電車の窓から観たところで、何も判りませんでした。帰宅後にゆっくりと地図を見て、白久~三峰口間を走行中に撮影した、山腹に林道の白い線を持つ山が秩父御岳山だったことが、ようやく判りました。

三峰口駅に到着。バスが発車するまで45分ほどあるので、贄川宿のかかしを見に行きます。白川橋で荒川を越え、国道140号を右に少し進むと、すぐに「かかしの里」の標識と、男女2体のかかしがありました。矢印に従って贄川宿に向かいます。観光トイレの横、「秩父御岳山登山口」に座っている人もかかしです。以後、バスが来るまで、急いでたくさんのかかしを見ました。人の姿はありません。「かかしも里のにぎわい」かな?ところで夜はどうするのでしょうか?

段落見出し 薬師堂から福寿草園へ

小鹿野町営バスで、薬師の湯に来ました。運賃は秩父市の荒川地区ゾーンが一律200円、小鹿野町内の分が一律200円。計400円です。登山口はいくつかあるようですが、薬師堂を表敬し、その境内を出発地点としました。身支度を整え、まず山腹の福寿草園を目指します。広い車道を上ってまもなく、鳥居山コースを右に分け、花菖蒲園を左に見ると、左下の沢を指す小さな道標がありました。これさえ見逃さなければ、あとは一本道。道標も要所要所に立っています。

30分ほど歩いて林道を横断し、さらに登山道を10分ほど登ると、三叉路がありました。古びた道標があり、右は展望広場、左は山居広場と読めますが、福寿草園の文字はありません。どちらに進むか、ここで思案していた二人連れと一緒に考え、山居広場に向かいました。山居は「さんきょ」と読みます。シダの多いトラバース道を1~2分進むと、明るいロウバイ林に飛び出しました。展望、日当たり、色彩、香り、開放感、すべてそろった花の園地です。

透き通るような黄色、丸く可愛らしい花。ソシンロウバイでしょう。まだまだ見頃です。私はこの花がほんのりと香るときは好きですが、ロウバイ園の強すぎる香りはどうも苦手。素早く通り抜け、フクジュソウを見に行きました。斜面の見学路を少し下ると、あるある!たくさん咲いています。時刻は10時15分。フクジュソウの花はパラボラアンテナのようにしっかり開いて、太陽光をキャッチ。オレンジ色の「秩父紅」も、数はわずかですが、初めて見れて感激しました。

段落見出し 落石に注意!

福寿草園で30分ほど過ごしました。山居の案内休憩舎に行って見ます。ここでハイキングマップと節分草園のパンフレットをもらいました。いざ、山頂に向かいます。男坂の急階段をエッチラ、オッチラと登ると、そこは展望休憩舎。でも、あまり展望は利きません。フクジュソウの保護地を通り抜け、山林内の階段を少し登ると、両神神社奥社に到着。「四阿屋山頂へ登山される方へ」という注意書きがあります。きょうは6Eのスニーカーに替え、登山靴を履いてきました。

そのすぐ先に、直登ルートのような尾根がありましたが、通行禁止。危険箇所があるのでしょう。左から回り込む一般登山道の方も、クサリつきの岩場になりました。ただ登り下りするだけなら、手足をかけられる岩も多く、掴める木の根もあったりして、難度は低いと思われます。しかし登山路がとても狭いので、すれ違い時にはしっかり安全を確保し、譲り合うことが必要です。また落石があった場合、逃れる場所がありません。かなり緊張しました。

尾根に立つと、少しほっとしました。鞍部で、つつじ新道を左から合わせます。その時ヘルメット姿の小パーティーが山頂から下りて来て、つつじ新道に進んで行きました。そして私が山頂への最後のクサリ付き岩場に取り付いた時、上方から「ラク!」という叫び声が聞こえました。見上げると、大人の握りこぶし大の石が転げ落ちてくるところ! でも大声で叫んでくれたおかげで、その石が止まるまで行方を見守ることができました。

段落見出し 四阿屋山の魅力

四阿屋山頂に到着しました。人が数名立つのがやっとの狭い山頂に、山頂標と方位盤と三等三角点石があります。でも、きょう最大の楽しみは、ここから望む両神山。くっきりと望めます。巨人の要塞とでも言えそうな、その荒々しい山容を間近に望み、胸が熱くなりました。故郷の山でもなく、日本の最高峰でもないのに、私にとって、このような情感を呼び起こす山は、そうそうありません。そして二子山の並び立つ鋭峰と合わせ、カメラと脳裏の記憶域に収めました。

狭い山頂に、次から次へと人が登ってきます。そう言えば、両神山もそうでした。大山三峰山もそうだったのを思い出します。早々に山頂を辞すことにしました。福寿草園まで来た道を戻ります。つつじ新道はちょっと楽しみにしてきたのですが、下りません。「あのクサリ場は、登りはいいが下りは危ない」という話し声も聞かれました。それに今の季節、アカヤシオは咲いていません。また来る理由を一つくらい残しておくのも、悪くないものです。

薬師堂コースのクサリつき岩場は、しばしば渋滞しました。もともと片側相互通行の狭い登山路に、多くのハイカーが押し寄せたのですから、仕方がありません。でも両神神社奥社から男坂までは、一気に下ることができました。他のハイカーたちに倣い、ロウバイ園と武甲山とを同時に眺められる斜面に腰を下ろし、しばしティータイム。それにしても、これは何というのどかさ! 身の引き締まる岩場と、ゆったり心解ける花の園地。いずれも四阿屋山の魅力です。

段落見出し 節分草園へ

山居の福寿草園から、節分草園に向かいます。「節分草園まで急な山道↑約60分」と書かれた標識から、山腹を巻いて行きます。20分弱でつつじ新道と出合いました。そこはクサリ付き岩場のすぐ下で、「これより上級者コース」「初級者は山居方面へ迂回してください」などの注意書きがあります。ここで女性三人組がクサリ付き岩場に取り付こうとしていました。人の装備を見れば、ある程度は登攀力の見当がつくものです。心配なので、しばらく見守っていました。

先頭の女性が途中まで登って、撤退を決断しました。よかった、よかった。私はここからつつじ新道を下ります。下り始めで出会った二人組から、とても滑りやすい道だったと聞きましたが、きょう履いてきた登山靴は斜面でのグリップ力が抜群。スタコラ下って、大堤バス停付近に下り立ちました。堂上の節分草園まで、小森川左岸の車道を少し歩きます。堂上バス停のちょっと先で堂上橋を渡ると、節分草園入口は直ぐでした。協力金300円を支払い、しおりをもらいます。

「雪が降ったよう」というのは、大げさではありませんでした。白い花が何万株も咲いて、保護地を埋め尽くしているのです。さっそくカメラを向けますが、どの花もみんな可愛いいので、どこから撮り始めたらいいか、わかりません。近くで見ると、セツブンソウは何とも上品、エレガントな花です。コンデジの限界に挑戦するつもりで、たくさんのショットを収めました。期待していなかったザゼンソウも10株ほど見つけました。ほくほくです。

段落見出し 家路

節分草園には、バスの時刻ぎりぎりまで長居しました。花の期間中、臨時のバス停「節分草園」があって便利です。14時42分の町営バス、小鹿野町役場行きは、5分ほど遅れてやって来ました。薬師の湯で下車する時、町内一律料金の200円を支払い、乗り継ぎ券をもらいます。薬師の湯で入浴する場合は、乗り継ぎに該当しません。すぐ来た町営バス三峰口駅行きに乗り、下車時に乗り継ぎ券と、荒川地区ゾーン一律料金200円とを運賃箱に入れました。

三峰口駅では、15時25分発の池袋行きにスムーズに連絡しました。この電車は御花畑には行かず、西武秩父駅で方向転換します。三峰口駅の券売機で買った450円の切符は、裏が黒いにもかかわらず、東飯能駅の精算機が使えませんでした。窓口で精算します。小鹿野町はわが家から本当に遠い! ゆっくり眠りながら帰りましょう。きょうも無事に家路に就くことができ感謝です。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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